JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動運用 

小型デュアル八木のモクソン化

2021年08月16日 | モクソンアンテナ

 

 

 製作したデュアル八木の145MHzエレメント間隔が28cmで、定型的なモクソンアンテナの寸法に近いということに後で気づきました。これならさほど手間なく2エレ部分をモクソン化でき、大きさも2/3ほどに抑えることができるのでは? ただ、放射器のサイズも変わってしまうことになり、オープンスリーブで作動している430MHzのマッチングはどうなるのか? そんなことを考えながら試してみることにしました。

 

 145MHzエレメント部材はロッドアンテナなので、縮めるのみです。横エレメントはモクソンの定型サイズに切った銅パイプとミノムシクリップをハンダ付け。隙間部分には今回もaitendoの4cm樹脂ナットを使いました。隙間1.7cmを確保し固定します。あとはロッドエレメントの上下に挟むだけです。ほぼ定型的な寸法なので145MHzのマッチングは問題なく、微調整しデフォルト以上にベストな状態になりました。一方430MHzは予想通りまったくマッチングが取れなくなってしまいました。下記のような試行錯誤でなんとか事なきを得ましたが、オープンスリーブの難しさも実感しました。

 

横エレメント

前作(左)と今回のデュアルモクソン

 

<430MHzの調整>

 430用導波器2本の長さを変えればなんとかなるのでは?と安易に考えていたのですが、ほとんど変化ありません。前作と同じように放射エレメントの後ろに反射器を付けてはどうかと思い、32cm程の銅線をセロテープで貼り付け、位置を変え、銅線の長さも変えて測定を繰り返しましたが、はやり同調する気配がありません。何を試してもバンド内SWR3以上。少し甘く考えすぎていたかもしれません。万事休すと思いましたが、ダメもとで導波器を追加してみることにし、放射エレメントと第一導波器の間に銅線を入れてみたところ、ストンとSWRが下がってくれました。放射エレメントとの間隔は1.3cmしかありません。他の導波器2本はこれまでどうりで変更なし。こんなに放射エレメントの近くに導波器を入れて、145MHzの方は大丈夫なのかと再度測定したところ、何の影響も見られません。オープンスリーブの振る舞いというのは一筋縄ではいかないようです。

 

        導波器3本状態でのSWR ↑↓

 

<使用感>

 本日、大年寺山にてJP7IEL局にお相手いただき、デュアル八木の状態とモクソン化した状態で使ってみました。結論を先に書くと145MHz、430MHzとも性能的な違いは感じられませんでした。RH770およびナテックの3エレ(430MHz)と比較したところ430はRH770で41、デュアル八木およびモクソン化状態で52となり、明らかに信号が上がり変調も力強さが増しました。ナテック3エレとは同等の感触です。145ではRH770よりも少し変調が強くなった感じはあるものの信号自体は変わらずといったところでした。JP7IEL局からのレポートも同様です。手間なく設営できるのはデュアル八木、コンパクトさではモクソン。

 

デュアル八木

モクソン化

 

 今回もっとも興味があったのはオープンスリーブの430でうまく電波が飛んでくれるのかという点ですが、直接給電したアンテナと同様に送信、受信とも問題なく、何か違和感のようなものもありませんでした。145はいずれも2エレなりの性能、むしろ430の方が期待以上という感じでした。オープンスリーブ、なかなかです。どこか捉えどころのない手ごわさはあるものの、短いブームで多エレメント化するなどいろいろ考えられそうな気がしています。

 

 

 

 

 

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