7年前に初めてJ型アンテナを作り、山岳移動運用の半分くらいはこのアンテナを使ってきました。7年を経て、今も現役です。華奢な作りですが、風雨にもよく耐えてくれます。ただ、さすがに見た目はうらぶれた感じは否めません。今回、安定した性能かつ山での使いやすさを考え、あらためてもう一本、作ってみることにしました。
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海外のサイトを見ると、1/2λを2段とか、スタックなど様々なタイプが自作されているようです。固定局用が多く、使う銅パイプも太く、丈夫そうなものが紹介されています。そんな中で、エレメントを5/8λにすることで利得を向上させた製作例を見つけ、これを参考にしてみることにしました。自分の場合はあくまで山岳用なので、ある程度の丈夫さ、分割してザックに収納できること、設営が簡単なこと、が条件です。
ショートスタブは前回1ループアンテナに使ったものをバラし、再々活用。長さ50cmの塩ビパイプ下部に直径6.5mmの穴を貫通させ、ここにショートスタブを入れ込みます。こうすることでパイプを挟んで安定して平行を保つことができるのではとの思いつき。スタブ、エレメントとも第1作に比べ、一回り太い銅パイプを使用し、4分割差し込み連結式としました。また給電部は直接給電とし、使い勝手と携帯性を高めるためBNCコネクターを採用することに。
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事前の実験では、エレメント124cm、スタブ給電点は下から9.5cmでマッチングが取れました。これで問題なし、と思ったのですが・・・。
コネクターの取り付けを終え、アナライザーであらためて測ってみると、事前の実験とはまるで違い、共振点は144.000MHzあたり、SWRも2以下にさがりません。エレメントを伸縮させてもほとんど変化なし。どうして?? 給電点の位置を勘違いしてしまったとか? でも給電部はすでにハンダ付けしてしまっているので、今さら付け直すのも・・・。調整不能、途方にくれ、もうやめようかと思い始めたときに、ふとこんな考えが。ショートスタブにバイパスを設け、もう一ヶ所ショートさせみたらどうなの? さっそくコネクター取付け位置の下あたりをミノムシクリップでショートさせていったところ、下から6.5cmのところで、見事にマッチングしてくれました。共振点は若干下、144.800あたり、SWR1.0。やはり、給電位置を間違えて取り付けてしまっていたようです。エレメント長は最終的に117cmとしました。スタブを含む全長167cm。5/8λにしてはちょっと短め?
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バイパスショート
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4分割 収納約50cm
2ヶ所ショートのこのアンテナ、本当に5/8λで動作しているのか疑問ではありますが、ベランダで受信したところ、近くの信号は7/8λモービルホイップ(CSB7900)より若干弱く、遠くの弱い信号は同等以上で入りました。ベランダという環境なので一概には言えないものの、悪くはない印象で何らかマッチングが取れていることは間違いないようです。今回は怪我の功名、こんなマッチングもあるのだな、と。
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