JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動運用 

J型アンテナの調整

2020年03月22日 | J型アンテナ
 昨日の大年寺山では、ラジエーターを1/2λとしたベーシックなJ型アンテナを使いました。伝搬状況が芳しくなくJP7IEL局との交信はRH-770で31-51とかなり厳しく、J型アンテナに換えたところ51-53となり交信を続けることができました。給電部の高さは同じですが、J型アンテナの場合、電気的な給電点はスタブ上端となるため50cm高くなります。それが有利に働いているのかもしれません。どちらも1/2λの電圧給電であり、利得的に同等と思えるのですが、実際使ってみるとJ型アンテナの方に軍配が上がります。

 さて、今回作ったアンテナの給電部をスライド式にしたことは過去記事に書いた通りです。過去にも2回作り、給電部位置の確定に苦慮したことも以前に書きました。ショートスタブからの給電なのでLCマッチングなどに比べるとわかりやすいものの、調整の変数が多くクリティカルです。備忘録としていくつか要点をまとめてみます。



 今回製作の2m用J型アンテナの略図を書いてみました。BC-E間がスタブ、A-B間がエレメントとなります。スタブはマッチングセッション、放射するのはA-B間。

 マッチングの要所
1) エレメントの長さ
2) スタブの長さ
3) 給電部の位置

 スタブの幅をいくらに取るか?も諸説あるようですが、自分は特に理由なく3本とも2cmで製作しています(間隔を保つ必要があります)。

 以前にどこまでがスタブでどこからがエレメントなのかわからなくなる、と書きました。上図で言えば、C点を変更するとそこまでがスタブとなります。つまりB点も変更になります。たとえばCを長くすると、電気的にはBも長くなり、その分エレメント部は短くなるということです。スタブを長くすると共振点が下がる、短くすると共振点が上がる(エレメントも同じ)。これを前提に調整します。

 自分の調整法は次の通りです。

1) エレメント長およびスタブC点はいじらず、まずは給電部D点を上下し、50Ωとなるところを探す。下端のE点が0Ω、上げていくとC点近くで400~500Ωとなります。

2) 目的の周波数でSWRが下がりきらない場合は、CおよびBで調整する。どちらでも良いのですが、C点は極めてクリティカルです。たとえば共振点が上にあり、少し下に持っていきたい場合、B点(エレメント)を1cm伸ばすのとC点を2~3mm長くするのが同効果となります。エレメント側(B)で調整した方が楽かもしれませんが、自分は変動幅の大きいCで調整することが多いです。銅パイプ差し込み式なので、BもCも結束バンドで長さ調整できるようにしてあります。






 
 帯域としてはバンド内1.5以下ではあるので、通常は問題ありません。ただ、SSBの144.200あたりで厳密にマッチングを取りたい時に、給電部Dをハンダ付けしてしまうとB、Cのみで調整となります。その場合SWRが下がりきらないという問題が起こりえます。移動地の環境によって共振点がズレることもあります。前作2本では、給電部を付け直したいと思う場面が何度かありました。今回はB、Cに加え、給電部Dも可動式にしたことで、状況に応じて追い込むことができています。









 完全に調整するとB点で高インピーダンスが得られ、1/2λのラジエーター(エレメント)から効率よく輻射するというのがこのアンテナの特徴のようです。どなたが考えたのかわかりませんが、実際使ってみてホント良くできたアンテナと実感します。










コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« J型アンテナ 分岐導体バラン... | トップ | J型アンテナ帯域 »

コメントを投稿

J型アンテナ」カテゴリの最新記事