中小企業診断士 泉台経営コンサルタント事務所 ブログ

経営のこと、政治のこと、社会のこと、趣味のこと、人生のこと

泉台経営コンサルタント事務所

2025年04月09日 | Weblog
  東京都中小企業診断士協会会員
  千葉南法人会会員
  東京商工会議所会員
  

  清のブログ(77歳のひとりごと)
         


 
  
 
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池田勇人その生と死 2

2024年10月04日 | ブログ
出会い(前編)

 『岡山から山陽線で尾道に出、呉線の鈍行列車に乗って吉名という小さな駅に降りる。人口は約五千程度か。半農・半漁の町らしい。

 駅からだらだら坂をくだって、瀬戸内までの一本道をすすむ。右側は小学校と運動場、それからさきは畑だ。左側は神社、それに農協の事務所がある。その軒ならびのはずれに二軒、大きな家がたっている。手前が本家、その隣が池田勇人の生家だ。家の前は一面の畑で、いま通ってきた小学校の建物がよく見える。道の左側はすぐ庭につづいていて、二、三〇メートル奥まったところに二階家がある。高い煙突がたっているのが酒造工場なのだろう。

 駅から人にきいて歩いてきたが、ものの五分とかからなかった。すぐわかった。庭に酒樽がころがっていて、天日にかわかしてある。門松がたっていた。

 案内をこうが、返事がない、二、三回大きな声をだすと、なかから着物を着た、五十がらみの人が出てきた。

「大蔵次官だった池田さんのお宅はこちらですか。私は東京からきた新聞社のものですが・・・・・・」
「どういう関係の方か知りませんが、選挙のことなら、忠海(ただのうみ)に事務所がありますから、そちらで聞いてください」
「いや、私は池田次官にお会いしたいのです」
「勇人は選挙運動にまわっていて、あすの夕方でなければ帰りません」
「あす、何時ごろ帰られますか」
「選挙事務所でないと・・・・・・、ちょっとこっちではわからないのです・・・・・・」

 せっかくの正月休みをつぶして、吉名くんだりまでやってきたのだから、ぜんぜん会わずに帰るのも業っ腹だ。あすもう一度きてみようと思い、私はいったん引き上げることにした。忠海に出る汽車の待合せ時間を利用して、床屋にはいった。亭主からいろいろ聞き出そうというコンタンである。

 大蔵次官をやっただけあって、経済にはくわしい。このあたりの旧家の出であるが、顔を知っている人が少ないので、顔みせに選挙区まわりをしている。競争者のツブはたいしたことがないので、当選するだろう・・・・・・

 床屋の親爺さんの話を総合すると、だいたいこういうことがわかった。

 その日は忠海に一泊し、池田選挙事務所を外からちょっとのぞいただけで、午後、吉名に出かけた。まだ帰っていない。私は意地にでも会ってやろうと、夕方五時近くまた押しかけた。こんどは別の洋服を着た人が出てきた。やはり年輩である。

「ああ、東京からきたのですか。じつは、私も今朝、東京からやってきたんです。中野で開業している井上(医師)です。あがって待ってください。これでも僕は池田のシンパでネ。遊説の予定が遅れていて、晩の八時ごろにならんと帰らんようです」

 奥の間にとおされた。池田夫人が出てきて、あいさつをする。私はすっかり恐縮してしまう。』

本稿は、伊藤昌哉著「池田勇人その生と死」(株)至誠堂昭和41年12月刊からの引用です。



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池田勇人その生と死 1

2024年10月01日 | ブログ
プロローグ

 『「貧乏人は麦飯を食え」「中小企業の五人や十人が倒産し、自殺しても」等々の放言で、マスコミから総反撃をくった反面、高度成長経済の立役者、日米復交の恩人等々、池田勇人ほど、毀誉褒貶の激しい政治家はいない。一高→東大というエリートコースを進んできた政治家とちがい、五高→京大からドサ廻りの大蔵官僚となり、しかも奇病にとりつかれて生死の境をさまよい、あまつさえ愛妻の死、大蔵省を休職という悲運のドン底につき落とされる。しかし、大貫満枝の必死の看病のかいあって奇跡的に再起し、大蔵省に復帰するとともに満枝と恋愛結婚するという幸運に恵まれ、それからは抜擢と異数の出世ぶりで、ついに大蔵大臣のポストを獲得する。

 米軍占領下、ドッジ顧問やシャウプ博士の指導のもとに均衡予算を組んで戦後の混乱を収束し、安保騒動も乗り切って日米新時代を迎え、新たに「所得倍増」「高度成長」の旗印をかかげて順風満帆、吉田学校の優等生として政界の荒波も一路平安と思われたとたん、突如ガンに見舞われてあっけなく急逝した。』土師ニ三生(はじふみお)*著「人間 池田勇人」昭和42年12月3日第1刷。株式会社講談社

 池田勇人は、私が中学から高校にかけての日本国総理大臣であった。年表によれば、総理大臣になったのが昭和35年(1960年)7月。東京オリンピックが昭和39年(1964年)10月。総理退陣(佐藤栄作内閣成立)は、その年の11月である。翌年の昭和40年8月には逝去されているのだ。総理に成られたのが60歳であり、亡くなられたのは65歳であったのだ。

 私と池田勇人を繋いだものは、当時急速に庶民の家庭へも普及したテレビだった。池田当時の首相は、「総理と語る」という番組に、松下電器の創設者松下幸之助氏と出演し対談されていた。具体的な内容までは記憶にないが、国民の幸福を願い、熱く語る姿に尊敬の念を強くした。私の最も尊敬する政治家である。

 私が工高を卒業して就職した年の暮れに、池田総理の側近として仕えたブーチャンこと伊藤昌哉氏の手に成る「池田勇人その生と死」が発刊されて、私も翌年には購入して読んでいる。初任給は2万2900円だった。本の価格は430円。現在価格なら4300円となろうか。先に紹介した土師氏の手に成る「人間 池田勇人」は丁度1年後に発刊されている。

 今回は、伊藤昌哉氏**著作の名著「池田勇人その生と死」を紹介し、この令和の時代に昭和の骨太の政治家を蘇らせたいと思う。

*土師ニ三生:大正8年(1919年)佐賀県生まれ。昭和14年、毎日新聞入社。政治部副部長、内信部長、論説委員を経て昭和42年当時は、ラジオ・テレビ元部長。この間池田勇人とつきあうこと15年にわたり、池田勇人の執筆者として最適任者である。著書「人間池田勇人」紹介

**伊藤昌哉:大正6年(1917年)満州生まれ。池田勇人内閣総理大臣の秘書官を経て、政治論壇や宏池会で活動した。愛称は「ブーちゃん」。池田内閣の影の官房長官と呼ばれた。2002年没 byウキペディア




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自民党総裁選 第10回

2024年09月28日 | ブログ
決着

 終盤に来て、のたうちまわる自民党の姿をみる想いがした。人気者の小泉氏は、討論会でやはり十分な議論ができないことが周知となり、党員支持が急速に落ちてゆく。石破氏や高市氏は推薦人集めの段階で、相当苦労の後が世間にも知られるところとなり、首相になっても後が大変となりなりそうな雲行きとなった。すなわちこの間まで野党で自民党批判していた方が推薦人になっていたと思えば、所謂裏金議員やカルト議員と称される方が、大勢推薦人に名を連ねていたなど。

 世論調査の上位3名の、実はその顔が、その程度だったのである。苦し紛れに小泉氏は麻生氏に頭を下げに行って、本来の親分である菅氏が激怒したとの話もある。元々、国会議員一人一人が、次の選挙で生き残るために、元々実力のない議員が右往左往して、一般国民に請けの良い候補を選ぼうとしていたことが間違いの元。安倍氏にぶら下がって首相にまで成り、老後はキングメーカーとしては、望み過ぎである。さっさと選挙区の後継に席を譲り、引退することが常道である。人生、なかなか自分の思惑通りにはゆかぬもの。叶わぬ時は、みじめな自分を世間に晒すだけ。

 一方その石破氏と高市氏の決選投票となる公算が高いとみて、麻生氏は、1回目の投票から派閥として高市支持を打ち出したらしい。後ろから石破氏に射抜かれた恨みは消えていない。確かに石破氏の行為は、仮に正しかたっとしても政治家としてはどうか。

 しかし、今回立憲民主党代表に選ばれた野田氏にしても、その政権末期、安倍氏の挑発に乗る形で政権を投げ出した過去がある。中道と聞けば響きはいいが、消費税増税に加担したことは褒められない。消費税を上げて、大企業減税を志向するのは、自民党政治そのものなのだ。

 長くこの国では、靖国神社参拝さえ中韓などに阿って出来ない腑抜けの総理大臣が続く中、高市氏の中共に真っ向から対峙する姿勢は大いに評価できる。しかし、「清濁併せ飲む」と聞けば大物感がしないでもないが、カルトや裏金議員はいただけない。このところの中共の失政による経済凋落を対日攻撃で自国民をかわそうとする姿勢が、この度の日本人児童の殺傷事件につながり、ようやく日本人の民意も反中共に目覚めた。遅すぎではある。1972年の日中友好条約からして間違いであった。

 高市氏への期待が膨らんだのには、やはり習近平の稚拙な反日がある。一方自民党と連立を組む公明党は高市氏の反中は困る。

 いろんな思惑が錯綜する中、1回目の投票は、議員票も国会議員票も高市氏が石破氏を上回ったが、決戦投票の結果、石破氏が逆転して新総裁に選出された。やはり3位の小泉票が流れたのか。岸田氏の意向も高市氏よりは石破氏であったようだ。

 党内基盤の弱いと言われる石破氏であるが、総理総裁となれば新たな基盤が形成されるであろう。ただ「姉さんと慕う」というどこかの知事さんの中央政界への抜擢は勘弁願いたいものだ。




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自民党総裁選 第9回

2024年09月25日 | ブログ
50歩100歩

 「自民党議員の質も低下している」と言われる。確かに近年優秀な人材は政治家に成ろうとはしない。自分の好きな事を仕事にして、堂々と生きてゆきたいとの想いが強いのであろう。近年わが国では、政治家は「金権腐敗」というイメージが出来上がった。今頃になってなお「裏金問題」もなかろうと思う。彼等には当然の行動であったに過ぎない。そんな業界にあって、政治家の指揮の下働く官僚にも優秀な人材が集まらなくなったと聞く。

 大リーグの大谷選手は、前人未到の大記録を日々打ち立てている。一方自民党総裁選立候補候補の若手代表は、「パワーとは力である」と言い放って、聴衆を愕然とさせたらしい。一部には「彼はやっぱり天才だ」と言って評価?した方もいたらしい。

 『力学的な意味での「パワー」の定義は「仕事率」です。つまり、「単位時間あたりの仕事」です。難しく言うと、「仕事」を時間で微分したものです。「力×速度」とも表現できます。したがって、「パワーとは、大きな仕事を素早く実施する能力です」と言うのであれば、まだ納得できます。しかし、「仕事≠力」なので、「パワーとは、大きな力を素早く発揮する能力です」という言い方は不正確です。完全にアウトです。そもそも「仕事」は「力」を変位で積分したものです。別物なんです。』ネットで拾った、ある「博士」の言葉

 総裁選は終盤を迎え、元々一回目の投票から一人で過半数を制することは難しく、候補者は2位以内を目指す。すなわち1位と2位そして3位に誰が成るかの組み合わせによって、戦略が変わってくる。主に国会議員票による決選投票で、3位者票をごっそりいただければ、堅い。初戦2位でも逆転が可能。3位者票が望めなければ、4位以下の票をかき集めるしかない。

 初戦1位は、世論調査の結果から見ると、石破さんの公算が高い。ここ数日で高市さんの1位もありそうな雲行き。2位に高市さんがくれば、前回の小石河連合が効いて、今回は石破さんにも芽がある。石破さんは、「小泉さんに対しては、これまでは全く不愉快な感触を持ったことがなかった」とエールを送る。2012年の安倍氏に決戦投票で逆転されたトラウマがある。すがれるものは何にでもすがる。

 幼稚な総理か、推薦人を含め怪しい人材の再跋扈を許すのか、この3方ではまさに「50歩100歩」の選択である。一部に小泉首相誕生で初期7割の自民党支持との声もあるが、日本人もそこまで馬鹿揃いではなかろうと思う。

 米国は初の女性大統領誕生の可能性が高いように感じる。わが国も50歩100歩の候補者ではない、初の本格派女性首相を誕生させ、共に世界の平和に貢献する時ではないか。特に今回の自民党総裁選では、各候補者からそれぞれに良い提案があったように思う。新首相にはそれらの提案も大いに取り入れ、活かして貰いたい。国家のトップ中のトップは、やはり一般人を超える(人気取りの天才ではない)頭脳の持ち主である必要があるのだ。




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自民党総裁選 第8回

2024年09月22日 | ブログ
世論の危うさ

 盛んに自民党総裁に誰が相応しいかの世論調査が行われ、各社多少のバラツキがあるものの、上位3名では、概ね石破氏、小泉氏、高市氏が占めている。自民党支持者限定の調査でも大きな差はないようだ。私の意見などどうでも良かろうが、この国の有権者のご意向が、私には全く理解できない。

 私の評価法は、まず政治家は嘘つきであっては困る。その嘘つきを称賛する政治家や評論家も同罪だ。もっとも政権を預かる以上、已むなくついてしまう嘘もあるかも知れないが、根本的なところでつく嘘は、民主国家の政治家として致命的である。権力の私物化、独裁志向も当然にご法度。

 次に地頭が良いこと。上記三名の出身大学は、慶応大学法学部、関東学院大学経済学部(偏差値49)から米国コロンビア大学修士(偏差値80)、神戸大学経営学科から松下政経塾。であり、学歴からみて、一般人なら兎も角、国会議員として格別に地頭が良さそうには見えない。偏差値(当時)49の大学からコロンビア大学に進学し、修士課程を卒業できるか疑問は残るが、学歴ロンダリングの噂はあったが、学歴詐称とまでは言われない。まあカイロ大学卒と似たような匂いは大いに残る。

 嘘つきかそうでないかと言えば、安倍政権のエピソード『安倍氏の一連の「行政の私物化」でとりわけ悪質なのが、首相主催の「桜を見る会」をめぐる問題だ。この問題では行政を歪めただけでなく、国会で118回にもわたる虚偽答弁が認定されている。行政府の長なのに「私は立法府の長」と言って憚らない首相が国会の機能を破壊したのである。』小塚かおる著「安倍晋三VS.日刊ゲンダイ」

 従って、この首相を「総理と言えば安倍総理」と宣う菅氏やそれに付き従う小泉進次郎氏、また高市早苗氏などは、、公然の嘘つきを尊敬する姿勢からして、総理候補としては元々失格なのだ。さらに言えば、少し古いが、小池百合子東京都知事を「姉さん」と呼び慕っているという石破氏の記事がネットに残っている。あれだけ学歴詐称疑惑が拭えない人物を慕っている石破氏にも総理の資格はないだろう。今回、小池氏は自分を世に出してくれた小泉純一郎氏の子息で、人気の高い小泉進次郎氏へもアプローチを忘れない。石破氏、小泉氏は9名の総裁候補者の内、多くの世論調査で1位と2位を占める。結果がどちらに転んでも自身の中央への再浮揚のチャンスが巡る。かもしれない。

 加えて、小池氏は7月の都知事選での報道管制が効きすぎて、その後メディアに取り上げられたのは、自身が始球式で骨折したことくらい。まだまだ埋没したくないと小泉氏に目をつけたのであろう。しかし、小池氏の運気もすでに尽きているのではないか。

 それにしてもメディアは、小池百合子氏の長年の学歴詐称疑惑の真偽を質すどころか、触れてはいけないシークレットゾーンにしまい込んだ。小池氏の元側近弁護士が、学歴詐称を検察庁に告訴した事実さえ、一切報道しなかった。われわれはネットで知るしかなかった。これはこの国のメディア暗黒史の一部として、将来に記憶されるのではないか。

 世界的に民主主義の危機が叫ばれる中、一番しっかりしなくてはならないのは、やっぱり有権者一人一人なのである。問題のある政治家を排除できるのは有権者なのである。




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自民党総裁選 第7回

2024年09月19日 | ブログ
本命候補見参

 早くから総裁選立候補の意思を表明しながら、推薦人確保に手間取り、どうにか告示日に間に合ったようだ。勿論上川外務大臣のことだ。

 私は格別「ジェンダー平等主義者」ではないし、逆にやっぱり能力的には女性は男性の平均で7割(スポーツ、武道、囲碁・将棋等を含む)程度ではないかと全く勝手に思っている。しかし、女性には男性に劣る3割を、子孫を残すという大役で補って余りある能力があるのだ。「産まずして何が女性か」ではなく、あくまで平均的な能力、男女の役割分担の話をしている。

 平均で男性の7割という事は、知的には、並みの男性よりはるかに優秀な女性も多数居られるわけで、個々個人の能力評価には関係が薄い。

 今回の自民党総裁選の9名の顔ぶれを見て、東京大学卒が復活していることが分かる。半数以上を占める5名が該当する。そのうち何と4名は米国ハーバード大学修士卒である。ようやく自民党も知的能力主義に目覚めてきたことが伺える。

 ただ、学歴はひとつの目安であり、政治家の絶対条件ではない。学識と政治家としての資質が強い相関関係にないことは過去の事例をみても分かる。もっともこれだけ国際化が進み、内政・外交が複雑に絡み合う政治状況では、トップリーダーには徹底的な地頭の良さが必要であると考えている。

 学識、教養といったものはその人から自然に発せられる「気」に表れる。外交の場で、外国人要人と接したときに、相手を気後れさせるくらいの「気」が必要である。上川大臣こそ本命候補と感じる所以である。ただ「気」は感じられない人には分からない。

 もっとも私は、上川大臣にお会いしたこともないし、外務大臣に就任される以前のことは知らない。オーム真理教の麻原彰晃の死刑執行にハンをついた当時の法務大臣だったことも後付けで知った。外務大臣に成られて、麻生副総理の「このおばさんやるね」発言以降に注目したに過ぎない。ただ、国際会議の議長役を堂々と熟し、中共の王毅外相との会見の際の王毅外相の表情から察して、恐らく彼(王毅外相)はそれまでの日本政府要人の誰よりも威圧を受けた表情を見せたこと。おおかたの日本の政治家は、中共政府要人にまずお愛想笑いで握手を求める。これでは中共側に早速マウントを取られる。

 今回総裁候補に9人の自民党代議士が名を連ねたが、中共要人と対等以上に接することが出来るのは上川大臣くらいではないか。小泉進次郎氏の立候補会見で、フリーの記者が小泉氏に無礼な質問をしたと、多くの視聴者からの非難を受けていたようだが、記者の発言があまりに正鵠を得ていたのではないか。本当のことをはっきり言うと確かにこの国では嫌われる。それはそれで、この国の良い点でもあるのだが。

 自民党総裁選挙は、タレントの人気投票ではない。この国の1億2千万人の今後を左右する重要なリーダー選抜選挙である。




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自民党総裁選 第6回

2024年09月16日 | ブログ
間奏、立憲民主党代表選を交えて

 自民党の総裁選と併行して、野党第一党の立憲民主党の代表選挙も佳境である、4人の候補がいろんなところで、所信を述べ、能登半島大地震の現場にも揃って出向き視察したようだ。一応次の衆院選で政権を取るという前提で、今回党首に選ばれた者は、次の次の総理となるとの決意のようだ。それはいいのだけれど、世論調査の支持率は立憲民主党5%台でしかない。一方自民党は岸田さんが辞めるということで、30%台まで持ち直している。今回の自民党総裁選挙で大きなミスをやらない限り、政権交代は難しい。

 勿論立憲民主党も、単独で第一党は難しいことは承知の上、可能な範囲で他の野党との連立による政権を考えており、小沢氏などは恐らく、政権交代のためなら共産党までも連立に組み込みたいと考えているのだろうが、今回の代表候補4名の中には共産党までの連立を考えている方はないようだ。先の東京都知事選で、蓮舫氏は初めから共産党と組んだ。それが「2番」にさえなれなかった理由と考えられる。中共はじめロシアも北朝鮮を見ても、現代のわが国で、共産党をまともな政党と考える人は少数だろう。

 立憲民主党4候補の内、野田さんが一番人気のようだ。ただ、小沢さん(泉代表を批判)が支持を表明していることは、野田さんにしてみれば重荷であり、選ばれても悩みの種を残しそうだ。鳩山民主党政権時、民主党幹事長として、600余人訪中団の記憶は多くの人々に残っている。すなわち小沢氏には、親中色のイメージが色濃く付いて回るのである。この時小沢氏の下で訪中団を指揮した細野豪志氏は、希望の党を経て自民党二階氏の所へ。今回石破氏の推薦人。

 二階氏は次の選挙には出ないと、引退を宣言しているが、小沢氏は野党第一党に潜み個人の復権を目指している。政権交代という美名の下に、中露のごとき独裁志向が覗く。

 前にも同じことを書いたが、戦後の自民党政権で、負となる大きな流れの源流の一つが、田中角栄氏の金権腐敗親中政権であり、その弟子が小沢氏、二階氏である。その後に生じたもう一つの流れの源流が、小泉純一郎氏の世襲容認雇用形態改悪推進政権だった。小泉氏は「自民党を変える(ぶっ潰す)」との自身さえ欺くような詭弁を弄して、一時期多くの国民の支持を得た。確かに北朝鮮拉致被害者救済の功は大きかった。一方でバブル時に残した金融業界などの債務処理の為、竹中平蔵氏を抜擢。企業の正社員を、非正規社員への転換する人件費削減に貢献した。そのため、庶民の所得は一向に上向かず、GDPは中国に、ドイツに抜かれ、個人所得では韓国にさえ遅れを取るようになった。さらに小泉氏は、小池百合子氏を環境大臣に登用、郵政選挙で自民党反対派議員の追い落としに東京小選挙区を与えた。学歴詐称の疑念の強い異形の東京都都知事誕生の遠因を作った。改革の名の下に失われた30年の流れを確かなものにし、同じ清話会の安倍政権を誕生させ、自身の後継者進次郎氏の将来への布石を打ち、竹中氏の政策も安倍政権に引き継がれた。

 今回の総裁選で小泉進次郎氏が公約に掲げた「解雇規制の見直し」なんぞは、まさに竹中氏の一連の政策の延長線上にある。今回自民党員に限る選挙だから、大企業優先政策はわからぬでもないが、格差拡大が言われ、その対策として各国とも中間層への分配を配慮する政策を取る中、まさに旧態依然の自民党を象徴するものである。




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自民党総裁選 第5回

2024年09月13日 | ブログ
地頭の悪さと地頭の良さと

 先日も小泉進次郎氏が総裁選に名乗りを上げたと、当日のテレビに、翌日の朝刊では一面トップで報じられた。質問したフリー記者の質問が無礼だと、堀江氏などから怒りのツイートも見られたが、そのような質問にもそつなく対応していたそうだ。想定問答集を作成し、トレーニング済だっただけで、感心するほどのものではなかろうと思う。もっとも実は私は会見のテレビニュースを見ていない。敢えて見なかった。

 彼が菅政権の「ライドシェア」を強く支持し推進し、菅氏のキングメーカー確立にも貢献する勢いだ。ただ、小泉氏の総裁選立候補を伝える朝刊の片隅には、「成田空港で、カナダ国籍の夫婦の荷物を車に載せる白タク容疑者が写真入りで報じられていた」。すなわち白タク容疑で、中国籍の男二人を逮捕した。との記事である。

 同様の事件は以前から結構ある。中国籍の中国人は日本国内に100万人以上いるのではないか。ライドシェア解禁となれば、彼らは公然と日本で稼げる。タクシーが必要な人々にとっては、多少便利にはなろうが、安全な筈のわが国のタクシーが、その運転手との密室のサスペンスに豹変しないとも限らなくなる確率が増大する。勿論実施時にはルールを定め、利用者の安全への担保は考慮するだろうが、国際法さえ堂々と無視する国の国民である。しかもわが国を甘く見ている(実際に甘い)彼らには、その法律、警察さえ舐め切っているのではないか。

 改革、改革と言うが、改革にも良い改革と良くない改革があることを忘れている。1972年の米国にさえ先んじた日中友好条約は、台湾(中華民国)を切り捨てたものであり、中共にとっては中ソ対立の中、国際的な孤立から逃れるための命綱となったが、当時のわが国にメリットはなかった。マスコミが挙って角栄首相の蛮勇を讃え、何も知らない国民は「隣国との友好条約は良いこと」との認識で歓迎した。

 角栄氏は早くから公明党(創価学会)を通じて、中共に取り込まれていた疑いが私にはある。日中友好とライドシェアでは天と地ほどの差のある話ではあるが、郵政民営化しかり、どこまで必要であり成果があったかの検証はない。

 要は、改革を叫ぶ政治家が渾身の努力で到達した案件なら兎も角、物事には必ず表裏あり、そのマイナス面も十分検証されていなければならない。地頭が良くないと言われるような輩が声を挙げた案件(単なる人気取り)には注意が必要である。

 一方の今回の総裁選若手の対抗馬である小林何某は、学歴経歴から地頭が良かったのであろう。この方は最長政権を築いた先輩総裁に、ちゃんと三顧の礼を忘れない。それが自身の晴れがましい経歴を、庶民にぼやかして好感に変えることを知っている。侮れない人物ではある。




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自民党総裁選 第4回

2024年09月10日 | ブログ
知中派

 先日、正式に総裁選立候補の届け出をし、記者会見を行った林官房長官。「私は、親中派とか媚中派などと言われるが、敢えて言えば「知中派」です」。ただ、結論はいつもの通り、日中間の貿易額の話で、経済的結びつきが大きいとの言い訳で、日本国民を宥めて我慢を強いる。実は媚中派の常套手段なのだ。

 『中国は日本にとって最大の貿易相手国であり、日本企業による対中投資も極めて多く、日中間の貿易・投資などの経済関係は、非常に緊密である。日中首脳間でも、経済や国民交流の具体的分野で互恵的協力は可能であること、環境・省エネを含むグリーン経済や医療・介護・ヘルスケアの分野などでの協力を後押ししていくことで一致している。・・・

 日本の輸出入総額のうち、中国の占める割合は、輸出は17.6%、輸入で22.2%、総では20.0%(2023年)。中国にある日系企業の拠点数は3万1,324拠点(2022年10月時点)、日系企業の海外拠点数でも中国は第1位。』Googleなど

 このところ、日本企業もようやく中国から撤退する動きが出ているが、ここまで日中貿易を拡大させた政権と経団連など経済団体の罪は甚大であろう。知中派と言うなら、林氏は中国共産党の怖さ、恐ろしさを知っているのであろうか。『中国共産党は1921年ロシア人のソ連共産党から、そのノウハウを入れて、その暴力革命組織は成立した。その後、民主主義共和国の建設を目指す孫文の中国革命を、ソ連共産党は外部から支援し成功させ、その後中国共産党が乗っ取る計画を立てて実現させたものだ。』石平(Seki Hei)著「中国共産党の暗黒の百年史」文庫版2023<飛鳥新社>

 自民党の総裁選が行われている、所謂政権の移行期、すなわち政権の端境期を狙って、中共はいろいろ仕掛けてくる。NHK番組の乗っ取り、領空、領海の侵犯。靖国神社への落書きも、その筋からの意図ある嫌がらせであろう。

 中国の富裕層が他国へ移住している(中国から逃げ出している)という。私有財産の確保のため米国やわが国に移住することは個人の現実課題でもあろうが、彼らは日本に住んでも中国共産党から逃げ切ることなどけっして出来ない。必要な時には、日本国内で何を仕掛ける人柱となるか分かりはしない。中共本部の指令には背けない筈だ。最近のネット情報では、中国人の要介護者による「日本の介護保険制度タダ乗り」懸念がある。一人っ子政策で急速な人口減少に伴う要介護者への人手不足に、隣国日本に目を付けて、日本国民が安い給料から払い込まされた介護保険まで毟ろうというのである。政府には早急なる対応策が必要である。

 総裁選挙は結構だが、これまでも随分とむしり取られた隣国に、これ以上好きにさせないために、看板だけの「日中友好条約」なるものは、もう外した方が良いように思う。いずれにせよ、今回の総裁選では対中共対応が、候補者支持の大きな選考点とならねばならないし、来る総選挙では、親中、媚中、韓国製宗教に染まった議員と裏金議員と共に除去する必要があろう。




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