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<ウポポイ オルシペ>13 先人の技に触れる 彫刻と装飾、科学的に解析

2021-04-14 | アイヌ民族関連
北海道新聞 04/14 05:00
 国立アイヌ民族博物館で開催中の「収蔵資料展イコロ―資料に見る素材と技―」から、ニ(木材)について紹介します。
 アイヌ民族は生活のなかで、用途に合った木材を用いて必要な道具を作ってきました。多くの場合そうした道具には、文様の彫刻や装飾が施されています。このコーナーでは、マキリ(小刀)4点、イタ(盆)3点とエックス線コンピューター断層撮影装置(CT)を用いて撮影した断層画像のパネルを展示しています。
 ちなみに、マキリやイタについては、旧アイヌ民族博物館(通称ポロトコタン)が閉館後に収集した資料を選定しているので、今回初めて展示されたものです。
 マキリは、樹皮や鹿角を使ったさやなどさまざまな種類のものを展示しています。さやを作った人はその内部をどのように掘削したのか知っていますが、マキリを初めて見る人には皆目見当がつかないと思います。ですが、CTを用いれば、そういった内側の様子を資料を壊すことなく見ることができます。
 イタについては、1点だけ両面に彫刻されたものを選びました。理由は、真ん中部分を触ってみると薄く感じたためです。CTを用いたところ、一番薄い部分が約0・2ミリしかないことがわかりました。これほど薄いのに穴をあけることなく、両面に文様を施す技術はとても高いと思い、展示することに決めました。
 今回の資料展は5月23日まで開催中です。ぜひ、資料と断層画像を見比べていただけたらと思います。(文・写真 竹内イネトプ=国立アイヌ民族博物館資料情報室学芸員)
◆「イコロ」の「ロ」は小さい字
◆「イネトプ」の「プ」は小さい字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/532794
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