先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

北海道大で道アイヌ協会が慰霊 遺骨100体と53箱残る

2024-08-03 | アイヌ民族関連

津田祐慈 会員限定記事

北海道新聞2024年8月2日 23:16

 北海道アイヌ協会は2日、札幌市北区の北大構内にあるアイヌ納骨堂で、北大がかつて研究などのために収集したアイヌ民族の遺骨を慰霊する儀式「イチャルパ」を行った。協会員や大学関係者ら約60人が祈りをささげた。

 慰霊は41回目。北大は1930年代以降、当時の医学部教授らが遺骨約千体と、1体分として特定できない約300箱を道内各地で発掘し、保管していた。現在は・・・・・・

 

☆イチャルパのルは小さい字

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1046520/


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新得駅前の複合施設 愛称発案者に感謝状

2024-08-03 | アイヌ民族関連

和田年正 有料記事

北海道新聞2024年8月2日 20:36

 【新得】JR新得駅前に来年6月オープン予定の駅前複合施設の愛称が決まり、町から発案者に7月29日、感謝状が贈られた。

 施設全体の愛称は「とくとく(TUKTUK)」。新得の「得」とアイヌ語の「トゥクトゥク」(芽生える)などから町内のパート従業員高橋美香さん(47)が考えた。

 施設内の休憩交流スペースは「こもれびテラス」で町職員の小林優駿さん(22)、キッズスペースは「ポッケの森」でアイヌ語の「温かい」にちなんで新得中3年の松田悠太さん(14)が考えた。・・・・・・

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1046389/


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映画「カムイのうた」無料上映 滝上で6日 アイヌ民族資料も展示

2024-08-03 | アイヌ民族関連

仲沢大夢 有料記事

北海道新聞2024年8月2日 18:29(8月2日 18:39更新)

町文化センターに展示しているアイヌ民族の資料

 【滝上】町教委は6日、町文化センターで、大正期のアイヌ文化伝承者で『アイヌ神謡集』の著者、知里幸恵さんの生涯を描いた映画「カムイのうた」を無料上映する。合わせてセンターでは町との関わりを伝えようと、アイヌ民族の衣服や小道具などを展示している。

 映画監督は菅原浩志さん。昨年11月に道内で先行公開した。映画では知里さんの生涯を通じ、アイヌ民族の差別と迫害の歴史を描いた。上映会は午後6時半から。申し込み不要。

 また、センターロビーでは、・・・・・

展示は8月20日まで。午前9時~午後10時。問い合わせは町教委、電話0158・29・3735へ。

※チェプケリのプは小さい字

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1046267/


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<札幌・平岸、美園 ディープに歩こう>⑩ FMアップル 大学生や地域住民、スポーツ選手…バラエティー豊かな出演者たち

2024-08-03 | アイヌ民族関連

水上孝一郎 有料記事

北海道新聞2024年8月2日 14:00(8月2日 23:16更新)

 リンゴの一大生産地だった平岸で、そのリンゴの名前を冠した地域FM局があります。FMアップル。スタジオには、大学生や地域住民などいろいろな人が出入りしています。(報道センター 水上孝一郎)

 連載<ディープに歩こう 札幌・平岸、美園>は住みやすいマチ、札幌・平岸、美園をディープに歩きます。初回はすべての方に全文公開しています。「ディープに歩こう」の一覧はこちら

 「マンゴーのブリュレチーズケーキは食べたことない組み合わせ。めっちゃ相性が最高で、おいしかったです」

7月下旬、札幌市豊平区の地域FM「FMアップル」(平岸2の5)のスタジオで、いずれも北海学園大2年の片野愛美さん(19)、子出藤(ねでふじ)あさみさん(20)、大鳥居沙紀さん(19)がマイクに向かっていた。

■大学生が地域のお店を紹介

 生放送で平岸の飲食店を紹介する「北海学園大学Tea Time(ティータイム)」(毎月第4火曜午後3時~)。若者がラジオに触れるきっかけをと同局が企画、昨年11月に始まった。同大放送研究会の学生が取材から放送まで担当する。

 片野さんは「聴いている人が足を運びたくなる言葉選びを意識している。反省も多いけど楽しい」と笑顔を見せる。

 同局は1997年開局。リンゴの一大産地だった平岸で、リンゴのように親しまれる存在でありたい-。そうした願いをアップルに込めた。

 月~金曜の毎日、「モーニング・アップル」(午前8時~)、「アップルパレード」(同10時~)、「アップルスマイル」(午後2時~)とリンゴの名前を冠して地域情報を発信する三つの帯番組を放送。イベント案内、ヒグマや不審者の出没情報など、きめ細かく発信する。北海学園大生の放送は、アップルスマイルの1コーナーだ。

 学生だけではなく、住民や商店主、地元の企業で働く人らが、番組に出演するため、平岸通沿いのビル2階にあるスタジオに出入りする。

 地域情報に加え、お笑い、Kポップなどの音楽、アイヌ民族の文化、食と農業など、幅広いテーマの番組がある。

・・・・・・

・・・・・・

 <メモ>FMアップルは愛称で、正式名称は「エフエムとよひら」。当時、平岸に本社を置いていた北海道テレビ放送(HTB)や地元の商店主らが出資し、1997年4月に開局した。道内10番目、市内2番目の地域FM局だった。現在、全ての番組を自主制作しており、約6割は生放送。

 連載<ディープに歩こう 札幌・平岸、美園>の11回目は、平岸高校でデザインを学ぶ生徒たちの青春に迫ります。

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1046063/ 


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【ウポポイ】北海道白老町|夏の日のアイヌ文化を体感「夏休みはウポポイ!」が8月10日(土)から開催!家族みんなでワクワクあそぼう!

2024-08-03 | アイヌ民族関連

公益財団法人アイヌ民族文化財団 2024年8月2日 17時54分

先住民族アイヌの歴史・文化を学び伝えるナショナルセンターであるウポポイ(民族共生象徴空間)では、2024年8月10日(土)から18日(日)までの9日間に夏の特別イベント「夏休みはウポポイ!」を開催いたします。子どもも大人もみんなで羽ばたく「鶴の踊り」体験やものづくりワークショップなど、アイヌ文化に触れて、感じて、楽しむことで特別な夏の日の思い出を作ることができます。

「夏休みはウポポイ!」メインビジュアル

参加者全員での踊りやものづくりワークショップ、スタッフとのアイヌ語を使ったあいさつ体験を通して、世代を問わず五感を使ってアイヌ文化に親しんでもらえるイベントとなっております。

10日(土)と17日(土)の夜は、ポロトコタン(旧アイヌ民族博物館:2018年3月末閉館)で受け継がれてきた歌や踊りなどの芸能を知っていただくことでアイヌ文化の伝承を感じるプログラム「ポロトコタンの夜」を開催いたします。

たくさんのプログラムに参加することでいろいろな角度からアイヌ文化に触れることができる機会となります。北海道の夏を感じながらウポポイでアイヌ文化を体感し、家族みんなでアイヌ文化への理解を深めていただければ幸いです。

【夏休みはウポポイ!特設ページ】

https://ainu-upopoy.jp/specialevent/specialevent-summer-2024/

▼イベント概要

期間:2024年8月10日(土)~18日(日)

営業時間:9:00~20:00

※13日(火)は特別開園日

▼特別プログラム紹介(一部)

ウパㇱクマ特別版「いっしょにうたおう!おどろう!」

開催日:2024年8月10日(土)~12日(月・祝)

時間:各日13:00~13:20/15:00~15:20

場所:チキサニ広場

定員:各回150名程度

文化解説プログラム「ウパㇱクマ」に、来園された方も参加できる特別版です。鶴をまねて一緒に踊るのは、開業以来初めてです。参加される方全員に羽となる衣装をお貸しします。

鶴の羽の動きを皆さんで楽しみましょう。(画像はイメージ)

※荒天時は場所、定員が変更となります。

ポロトコタンの夜

開催日:2024年8月10日(土)、17日(土)

時間:各日17:30~18:45

場所:伝統的コタン内 ステージ

定員:各日150名程度

涼しくなった夕暮れの雰囲気が味わい深いプログラムです。ウポポイでつくったサッチェㇷ゚(干し魚)を試食しながら、食文化の解説と、ポロトコタン(旧アイヌ民族博物館)で受け継がれてきた歌や踊りなどの芸能をご覧いただけます。

昨年度の様子。火を使った演出にも注目。

※荒天時は場所、定員が変更となります。

ものづくりワークショップ

開催日:2024年8月10日(土)~12日(月・祝)

カエカアン ロ ~いとよりをしましょう!~

時間:10:00~15:00

所要時間:約15分

場所:屋外テント(工房前)

定員:各日30名

シナの木の樹皮からカエカ(糸より)を体験できます。

樹皮がアイヌ文化に大切な素材であることや、作った糸を使用した道具を知ることもできます。作ったものはお持ち帰りいただけます。

伝統的な方法で糸よりを体験できます。

※荒天時は場所が変更となります。

スウォㇷ゚ アカン ロ ~箱をつくりましょう~

時間:10:00~15:00

所要時間:約20分

場所:屋外テント(工房前)

定員:各日100名

着物の端切れを使って、オリジナルのスウォㇷ゚(箱)を作ります。作った箱はお持ち帰りいただけます。

布はボンドではるので簡単です♪

※荒天時は場所が変更となります。

ムックリ アカン ロ ~ムックリをつくりましょう~

時間:各日9:30~11:30/13:00~16:00

所要時間:約30分

場所:イカㇻ ウシ(工房)

料金:1,000円(税込)

定員:各回同時最大24名

彫刻刀で竹を削って、自分だけの音色のムックリ(口琴)を作ります。作ったムックリはお持ち帰りいただけます。

出来上がったムックリで音を鳴らしてみよう。

※小学4年生以上対象

※小学生は保護者同伴

シト アカン ロ ~団子をつくりましょう~

時間:各日10:30~11:00/14:30~15:00

場所:シノッ チセ

定員:各回20名

シト(団子)作りの下ごしらえであるイユタ(杵つき)を通して、暮らしに欠かせない「食」を学ぶことができます。

歌に合わせてイユタ(杵つき)をします。

青空の下のワクワク体験!

開催日:2024年8月10日(土)~18日(日)

バッジをつけたスタッフにアイヌ語であいさつをしてカードをもらおう!

時間:各日10:00~15:00

ウポポイの公用語のひとつであるアイヌ語で「イワンケノ エアナ?(元気でしたか?)」とスタッフにあいさつをしてみましょう。

あいさつができるとカードをランダムで1枚もらえるので、たくさんのスタッフとあいさつをしてみてください。

トゥレッポんと一緒に写真を撮ろう!

時間:各日11:00~11:20/14:00~14:20

場所:伝統的コタン内

※雨天中止

▼国立アイヌ民族博物館

第8回特別展示「生誕90年記念 藤戸竹喜の世界展」

会期:2024年6月29日(土)~8月25日(日)

料金:特別展示観覧料(大人:300円/高校生:200円)

特別展示関連イベント ギャラリートーク

開催日:2024年8月10日(土)、11日(日)

時間:各日14:00~14:30

定員:各回15名

アイヌ民族の伝統的な彫りの技を活かした、藤戸竹喜独自の芸術世界の奥深くへと展示担当者がご案内します。

※小学校低学年以下は保護者同伴

 

特別展示関連イベント 映像上映会

開催日:2024年8月17日(土)

時間:14:00~14:30

定員:30名

藤戸竹喜に関する貴重な映像作品の上映会です。

※小学校低学年以下は保護者同伴

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000122187.html


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日高山脈の最高峰・幌尻岳 アイヌの儀式で安全祈願(動画

2024-08-03 | アイヌ民族関連

読売新聞 2024年8月2日公開

日本百名山にも選ばれている北海道日高山脈の最高峰・幌尻岳(ぽろしりだけ、2052メートル)。登頂には渡渉(沢渡り)や急傾斜を登るスキルと体力が求められ、「百名山の最難関」とも呼ばれる。美しく険しい山は、麓の北海道平取町のアイヌにとっても特別な存在だ。「ポロシリ」はアイヌ語で大きい山。アイヌにとって重要な神「ポロシルンカムイ」がすむとされ、人々は神を畏れ敬い、山に登らなかった。山頂には海水湖があり、海の魚や鳥、白熊がいると言い伝えられてきた。6月下旬に地元の山岳会が行った登山の安全祈願祭は、伝統的なアイヌの儀式にのっとって行われ、事故のないシーズンとなることを祈った=北海道支社報道課 早坂洋祐撮影 2024年8月2日公開

https://www.yomiuri.co.jp/stream/1/23837/


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頼清徳総統、先住民族サミットで文化保護政策を発表

2024-08-03 | 先住民族関連

台湾トゥデイ2024/08/02 

頼清徳総統は、先住民族文化が台湾の貴重な文化資産であるだけでなく、世界の文化資産でもあるとして、これまでの功績を称えた。(中華民国総統府ニュースサイトより)

頼清徳総統は、「台湾先住民族の日」に定められた1日、原住民族委員会(原民会、先住民族行政を担当)が主催する台湾先住民族政策サミットに出席した。以下は頼清徳総統のあいさつ要旨。
国際舞台において、台湾のために栄光を勝ち取ってくれた先住民族に、台湾を代表して感謝の意を表する。スポーツ、芸術、文化だけでなく、軍隊、警察、消防など様々な分野で、社会への貢献を果たしている。私は先住民族の友人だ。先住民族の名を正す過程において、常に皆さんの味方でいる。
国家希望工程(頼清徳総統が打ち出した新ビジョン)における先住民族と関連した主要プロジェクトは、先住民族言語の活性化、先住民族の健康増進、先住民族文化の重視、先住民族の人材育成、集落の持続可能な発展への支援の5項目。
言語がなければ種族は存在しない。すべての種族にとって言語は根源となることから、先住民族が母語にアイデンティティを持てるよう努める。先住民族の文化があるからこそ、台湾の文化は完全なものとなる。先住民族文化は、台湾の貴重な文化資産であるだけでなく、世界の文化資産でもある。
一方、原民会の曽智勇(Ljaucu.Zingrur)主任委員(大臣に相当)は、「今後も国家希望工程を推進し、平埔族(平地に暮らす台湾先住民族の総称)の名前を正す運動、先住民族の自治権確立、二重制度による教育システム構築などを今後4年間で完了させたい。また、外交、文化、スポーツなどで先住民族の人材を育成し、台湾先住民族の存在を世界にアピールできるようにしたい」と語った。
曽智勇主任委員はさらに、先住民族は誇りを持つべきだと強調した。開催中のパリオリンピックの台湾代表選手のうち、11人が先住民族出身で、台湾の名誉を勝ち取るために奮闘する台湾のプロ野球界でも、先住民族出身の選手が半分を占めている。

https://jp.taiwantoday.tw/news.php?unit=151&post=256626&unitname=ニュース-政治&postname=頼清徳総統、先住民族サミットで文化保護政策を発表


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「世界の先住民の国際デー」(8/9)

2024-08-03 | 先住民族関連

ユネスコ 2024年8月2日

*** 国際デーに関するユネスコからのお知らせです(事務局による要約・仮訳)***

8月9日は「世界の先住民の国際デー」です。「世界の先住民の国際デー」は、先住民のニーズに対する認識を高めるため、1994年12月23日に国連で定められました。8月9日は、1982年に国連人権保護・推進分科会の国連先住民族作業部会(UN Working Group on Indigenous Populations of the Sub-Commission on the Promotion and Protection of Human Rights)が初めて開催された日です。

ユネスコは毎年「世界の先住民の国際デー」を記念し、その年のテーマに関するプロジェクトや活動に関する情報を共有しています。

先住民は世界のどの地域にも居住し、彼らが居住あるいは利用する地球の陸地面積は22%に上ります。人口は少なくとも3.7億~5億人おり、世界の文化多様性の大部分を形成し、世界に7,000あると推定される言語の大半を話し、5,000もの異なる文化を代表します。文化的な違いに関わらず、世界各国の先住民は個別の民族としての権利の保護に関し共通の問題を抱えています。多くの先住民族は、疎外、極度の貧困、その他の人権侵害に直面し続けているのです。

ユネスコは先住民族とのパートナーシップを通じて、世界の文化的・生物学的景観の多様性を維持する上での彼らの重要な役割を認めながら、彼らが直面する複数の課題への取り組みを支援することを目指しています。また、ユネスコは先住民のニーズを優先的に対応すべき分野と位置付けています。

ユネスコHP「世界の先住民の国際デー」(英):https://www.unesco.org/en/international-day-worlds-indigenous-peoples
ユネスコHP「国際デー」一覧(英):https://www.unesco.org/en/days

【オードレ・アズレ ユネスコ事務局長からのメッセージ(一部抜粋)】
“On this day, let us remember that Indigenous peoples are actors of change, guardians of natural resources and carriers of unique worldviews, knowledge and skills. We must protect their traditions and ways of life – while respecting their rights.”

https://unesco-sdgs.mext.go.jp/archives/5324


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先住民作家の映画上映で、多様な「世界の切り取り方」を示すDecolonizing Lens

2024-08-03 | 先住民族関連

アイデアスフォーグッド8月 02, 2024 by Natsuki

邦画さらにはアジア映画において初の快挙として報じられた、映画『ゴジラ-1.0』のアカデミー視覚効果賞の受賞。この受賞は日本映画の技術が国際的に認められた証であり、多くの人々が賞賛が送られた。しかし、それと同時にこれまでハリウッド映画を中心としてきた映画業界における、地域の偏りに違和感を抱くきっかけを得た人も多いのではないだろうか。

このような映画業界の「偏り」を感じてきた人は少なくない。その一員であろう人たちが、先住民の映画作家である。これまでに鑑賞した映画の中で、先住民の映画監督や作家による作品はあるだろうか。現状として、制作資金の面でも困難を抱える彼らの作品に出会う機会はかなり限られており、私たちはある程度固定化された視点や切り口からの作品に触れることが多い。

こうした先住民の映画作家と共に、映画を通じて市民とつながり教育の場を築こうとしているのが、カナダ南部の都市・ウィニペグ市で上映会を運営する組織「Decolonizing Lens(デコロナイジング・レンズ)」だ。

同組織は2016年、インディアン工業学校をめぐる映画『RIIS from Amnesia』の上映会を実施した後に、市民からの要望を受けて正式に設立された。拠点とするのは、カナダ北部と南部をつなぐことをコンセプトに世界最大の現代イヌイット美術のコレクションを収蔵するアートセンター・Qaumajuq(カウマジュク)だ。

彼らは、映画を配給するのではなく上映会を通じてパブリック教育を実践しようとしている。シンプルなイベントではあるが、上映会は無料かつオンラインとのハイブリッド開催、先住民が経営する店のケータリング提供など、誰もが参加しやすい環境を整えているという。

そんなDecolonizing Lensが扱う映画は、歴史ものからホラーまで、先住民の映画作家によって制作された幅広いジャンルの作品。その多様な作品の上映を通じて、先住民に対する画一的なイメージを変えようとしているのだ。同組織の運営を担うJocelyn Thorpe氏とKaila Johnston氏は、The Conversationにおいてこう綴った。

Decolonizing Lensが扱う映画は、先住民の土地と世界観の美しさを映し出すと同時に、「単一的な“先住民の視点”が存在する」という考えへの反論を示しているのです。

その例として二つの作品を紹介したい。一つ目は、第二次世界大戦の時代を生きたクリー語(※)の暗号技師・Charles “Checker” Tomkins氏の戦時下の役割に迫る10分の短編ドキュメンタリー映画『Cree Code Talker』だ。クリー族出身のディレクター・Alexandra Lazarowich氏と、カナダ・アルバータ州南部のブラックフット族の血を引くプロデューサー・Cowboy Smithx氏によって制作された。

暗号技師のCharles氏は米国空軍に関わり、クリー語を秘密兵器とした通信システムの開発に携わっていた。しかし彼らの働きは、アメリカ政府やカナダ政府が未だ認知していない役割であるという。そんな歴史の一面に、光を当てた作品なのだ。

※ クリー語:カナダ国内各地で話されている言語であり、先住民族の言語の中で最も広く話されている言語の一つ(参照:Cree Language | The Canadian Encyclopedia

Cree Code Talker

https://www.youtube.com/watch?v=7JiUPBKST5M&embeds_referring_euri=https%3A%2F%2Fideasforgood.jp%2F&source_ve_path=OTY3MTQ

二つ目の映画『Tia and Piujuq』は、難民としてカナダに移住してきたシリア人の女の子・Timが魔法のポータルを手に入れ、イヌイットの女の子・Piujuqと出会い冒険する物語。イヌイット出身のディレクター・Lucy Tulugarjuk氏と、プロデューサー・Marie-Hélène Cousineau氏が共同で台本を執筆した。

Lucy氏の娘であるNuvvija氏が、イヌイットの女の子・Piujuqを演じており、彼女はイヌクティトゥット語を学び直す必要があったそうだ。これを踏まえLusy氏は、“「他のイヌイットの子ども達にとっても、自身の文化と言語をさらに好きになるきっかけになるかもしれません」”と語っている。

Tia & Piujuq - ᑏᐊ ᐊᒻᒪᓗ ᐱᐅᔪᖅ Official Trailer

https://www.youtube.com/watch?v=G7D4EUJXd0k

これらの作品以外にも、多岐にわたる映画を届けているDecolonizing Lens。エンターテイメントとしての映画は、市民の対話を生み出す媒介となりながら、いかようにも変化できる“世界の切り取り方”を問いかけている。

自分は世界をどう切り取って理解しているのか、そして、日々受け取る情報は誰の切り取り方であるのか──今手にしているレンズを認識できたとき、私たちの世界観はより広く豊かなものになるのではないだろうか。

【参照サイト】‘Decolonizing Lens’: Winnipeg and virtual film series reflects the beauty of Indigenous worldviews
【参照サイト】CREE CODE TALKER
【参照サイト】Tia and Piujuq
【参照サイト】How Native filmmakers are restoring cinematic narratives|High Country News
【参照サイト】Indigenous filmmaking getting more of the spotlight, director says|CBC
【関連記事】「先住民の科学」は、気候変動対策への道を拓くか
【関連記事】デザイン教育を脱植民地化する。「リスペクトフル・デザイン」提唱者インタビュー【多元世界をめぐる】

https://ideasforgood.jp/2024/08/02/decolonizing-lens/


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台湾・南投県の小中学生、シンガポールの合唱コンに出場 先住民ブヌン族の歌披露

2024-08-03 | 先住民族関連

中央フォーカス台湾 8/2(金) 11:41配信

シンガポール国際合唱フェスティバルのコンクールで金賞を受賞した民和中学校の生徒ら

(シンガポール中央社)中部・南投県のシナパラン(希娜巴嵐)小学校と民和中学校の各合唱団が、7月29、30両日にシンガポールで開催されたシンガポール国際合唱フェスティバルのコンクールに出場した。台湾先住民(原住民)族ブヌン族を中心としたメンバーはブヌン族の伝統衣装を身に着け、民謡を披露して拍手喝采を受けた。

シナパラン小合唱団は12歳以下対象の同声合唱部門で銀賞を、民和中合唱団は民謡部門で金賞をそれぞれ受賞した。民和中のメンバーは「自分たちの民族の文化を輝かせ、世界に紹介することができた」や「金賞は努力の最高の成果だと思う」と口々に語った。

中央社の取材に応じた民和中の蔡秋菊校長によれば、同月下旬に台湾を襲った台風3号の影響により、両校周辺の道路では土砂災害や倒木が発生し、一部が不通になった。県政府や郷公所(役場)などの協力でルートを変更し、空港にたどり着いたという。

シナパラン小の児童は、学校が休みの期間も毎日のように練習があり、とても大変だったとコメント。さらに出発直前になって台風の被害があり、気持ちにも影響があったが、最終的には賞を受賞できてとてもうれしく、結果が発表された時は少しだけ涙が出たと話した。

(呉昇鴻/編集:田中宏樹)

https://news.yahoo.co.jp/articles/8e1098cff9b47d33f03f95b34860895d36aebc73


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