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釧路アイヌ協会の拠点 春採生活館「常駐人員を」 23年度リニューアルし開館

2022-09-22 | アイヌ民族関連
北海道新聞09/21 21:37 更新

アイヌ民族の着物やイナウなどが置かれている現在の春採生活館
 釧路アイヌ協会の活動拠点となる「春採生活館」に常駐する人員を配置するよう、同協会が建物を管理する釧路市に求めている。同館は敷地内に新施設を建設中で来年度に開業予定だが、現時点で文化財などの見学に対応できる人がいないため、入館を断ることもある。同協会は「リニューアルで展示も増え、注目が集まる。多くの人に見てもらうには常駐する人が必要」と訴える。
■文化財見学「対応できない」
 同館は1978年に完成し、伝統儀式など同協会の活動や、アイヌ語教室などの会場に使われている。常設展示はしていないが、アイヌ民族の着物や神具のほか、約50年前の民族舞踊を映した映像資料などが所蔵され、見学を希望する市民や観光客、専門家が訪れている。
 同館には市が雇用している管理人1人が配置され、アイヌ協会や住民からの使用希望があった日のみ、鍵の開閉などの施設管理業務を担っている。見学者の対応は、同館事務所を使用する同協会の生活相談員が、仕事の合間に受けているのが現状だ。生活相談員はアイヌ協会員の生活支援が本業で、相談員の女性は「都合が合わなければ見学を断ることもある」と悩みを抱える。
 同館は老朽化のため、敷地内に新施設を建設しており、23年度中に開館する予定。展示ホールを新設する計画で、建設費を含む総事業費は2億7千万円に上る。展示ホールを設け、伝統行事の映像をモニターに流すほか、貴重な伝統工芸品のござ(チタラペ)などを常設展示する。
 市は同館を「重要な文化発信拠点」と位置づけているが、追加の人員については「開館後の利用状況を見極めたい」とし、現時点では従来通り施設を管理する1人のみ配置する予定だ。
 釧路アイヌ協会の桃井芳子会長代行は「常設展示が始まれば見学者が大勢訪れる。春採生活館は釧路市街地でアイヌ文化に触れられる貴重な施設。来館者に対応するため常駐の職員を置いてほしい」と訴えている。(長谷川史子)
※「チタラペ」の「ラ」は小さい字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/734366/
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