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ウポポイ開業1年 来場者数は目標の4分の1 コロナの影響大きく

2021-07-13 | アイヌ民族関連
毎日新聞 2021/07/12 20:47
学生服姿でウポポイを巡る学生ら=北海道白老町で2020年10月15日午前11時30分、平山公崇撮影(毎日新聞)
 先住民族アイヌをテーマとした初の国立施設「民族共生象徴空間(ウポポイ)」が12日、北海道白老町に開業してから1年を迎えた。「一人でも多く訪れ、民族共生の理念に共感してもらえるよう全力で取り組む」。開業時に官房長官として来場した菅義偉首相がこう述べるなど国もアイヌ文化の継承や発信に力を入れた施設だが、1年目の来場者は目標を大きく下回った。【平山公崇】
 「新型コロナウイルスの影響を大きく受けた」。運営団体「アイヌ民族文化財団」の斉藤基也本部長は、1年をこう振り返った。政府目標は「年間100万人」だったが、約4分の1の約25万5200人(7日時点)にとどまった。
 当初、2020年4月24日に開業する計画だったが、新型コロナの影響で2回延期。7月12日にようやくオープンした。来場者は毎月増加の一途をたどり、10月(約5万2000人)にピークに達したが、道内での感染再拡大を受けて11月に減少に転じた。今年6月は1日から道内に発令された緊急事態宣言の影響で20日まで休業するなど、新型コロナに翻弄(ほんろう)された1年だった。
 ただ、教育面では一定の成果もみられた。来場者の約3分の1に当たる5万7000人は、修学旅行や校外授業などの「教育旅行」による小中高生。その7割を道内の学校が占めた。今年度、既に797校(約7万8000人)の予約を受けているという。
 斉藤本部長は「新型コロナの影響を大きく受ける中でも25万人を超える方々に来ていただいたことは一定の成果」と総括。「アイヌ民族の文化や世界観を学び、文化の多様性や人権尊重の気持ちを養ってもらえるよう精進したい」と語り「教育旅行を中心に団体旅行の誘客で数字を一定程度伸ばしたい」と意気込みを語った。
 アイヌを巡っては今年3月、日本テレビの情報番組で差別的な内容が放映されたことをきっかけに、社会における理解不足が改めて浮き彫りになった。こうした事態を受け、ウポポイでは道内の教職員を対象に講演会と研修を8月2日に実施し、アイヌの歴史や文化を児童・生徒に正しく伝える取り組みにも尽力する考えだ。
 この1年、中核施設となる国立アイヌ民族博物館では約1万点の収蔵品のうち常設で800点、入れ替えを含め1115点を展示した。佐々木史郎館長は「調査や研究を展示教育活動にしっかり活用していきたい」と話した。
https://news.goo.ne.jp/article/mainichi/nation/mainichi-20210712k0000m040258000c.html
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