石井純太 有料記事
北海道新聞2024年6月19日 18:57
【平取】町内唯一の高校、平取高(生徒31人)の入学者減少に歯止めをかけようと、町教委は2025年度から、入学者のうち希望者全員を自己負担なしで米ハワイ州・マウイ島に派遣する事業を始める。アイヌ文化を中心に地域の特色を生かしたカリキュラムで全国から生徒を集める一環で、生徒減による閉校の危機を脱したい考えだ。
■自己負担なし 先住民族や外国語学ぶ
ハワイへの派遣は、現地の先住民族への理解や外国語能力の向上を目的とした国際交流事業で、現地の生徒や住民との交流、博物館の見学などを予定している。これまでは、隔年で2人を選抜して自己負担なしでニュージーランドに派遣していた。来年度からは希望する1年生全員を対象に毎年実施する。
派遣の日程は従来の10日間から6日間に短縮する。パスポート取得などの費用以外は町が負担。国のアイヌ政策推進交付金を活用する。
平取高の新入生は、20年度20人、21年度15人、22年度11人、23年度13人、24年度6人と、4年連続で定員(40人)の半数を下回り、現在の全校生徒数は30人台と存続が危ぶまれる状況。地域の特色を生かした「アイヌ文化」の授業を新設して全国からの生徒募集を開始し、道外からの入学者増を図った。1年目となる今年4月の新入生は6人で、このうち道外からは3人だった。
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