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(語る 人生の贈りもの)関野吉晴:1 アマゾン通い50年、未完の旅

2019-06-19 | 先住民族関連
朝日新聞 2019年6月18日05時00分
 ■探検家・医師、関野吉晴
武蔵野美術大学を定年退職したが「まだ70歳の気分じゃない。エネルギーが余っている」=東京都国分寺市、池永牧子撮影
 学生時代に初めてアマゾンに行ってから、50年近くになります。何度も通っている集落もあり、アマゾンの先住民族ヤノマミは、行くと「ヨシ、よく来た!」って大騒ぎして歓迎してくれる。
 子どもたちは僕が森でおしっこ、大便に行く時までついて来るから、全速力で逃げないといけない。大人も私のハンモックに群がるので、疲れるんです(笑)。帰国する時は「この喧噪(けんそう)から逃れられる」とうれしいのですが、帰国後、懐かしくて、たまらなく会いたくなる。これまで、そんな出会いがたくさんありました。
 《南米から東アフリカまで、人類が発祥してから世界に拡散していった道のりを逆向きにたどった旅「グレートジャーニー」で知られる》
 旅や探検の醍醐(だいご)味は、「気づき」。自分が普遍的だと思っていることが、実は他の人にとっては特殊なことだと分かる。そうすると物の見方が変わり、自分が変わることがおもしろいんです。
 エチオピアでは、ヤギやラクダを飼っている人に「もっと増えたらいいですね」と声をかけたら「いや、これを大切に育てるのが私たちの役目です」と言われた。足るを知る人たちなんですね。いま、「好きな言葉を書いて」と言われると、自戒を込めて「ほどほどに」と書いています。
 僕は、生きることは自分を作り上げることだと思うんです。そのためには、いろいろなところに行き、いろんな経験を積んだほうがいい、と考えてきた。でもね、人間って、完成しないんですよ。僕も、どこかで中途半端に終わって死ぬんだろうけど、次世代が繋(つな)いでいってくれればいいんです。(聞き手・山本奈朱香=全16回)
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 せきの・よしはる 1949年1月、東京都墨田区生まれ。93年から足かけ10年かけて「グレートジャーニー」に取り組んだ。99年に植村直己冒険賞を受賞。2002年から武蔵野美術大学で教授(文化人類学)を務め、今年4月から名誉教授。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14059870.html?_requesturl=articles%2FDA3S14059870.html&rm=149
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