最近の読書の感想まとめ↓
ハーモニー探求の歴史
和声学の歴史をきちんと系統的に読めたのは、大変勉強になった。面白かった。
しかし、根本的な疑問も。
バッハやモーツァルトやベートーヴェンやシューベルトやブラームスやワーグナーや、
その他諸々の作曲家が素晴らしい作品を作り上げていく最中、
理屈の方が全く追いついていなかったという事実!?
学問的/自然科学的な側面からのアプローチと、人間の知覚/感覚としての音楽的側面からのアプローチ。
この二つを両立させるという事は、ある意味作品の創造よりも難しかったという事なのか・・・?
歴史的に見て、フランス式/ドイツ式と大別される和声法と、
一方で20C以降に「コードネーム/コード進行」という新しい武器wを得て普及したアメリカ式和声法。
最終章には、同じくアメリカで発展した「ピッチクラス・セット理論」という、十二音技法以降の現代音楽を分析することを目標とした手法も生み出されるなど、
文字通り和声学は現在進行形で研究が進んでいるらしい。
まだまだ学ぶべきことがあるという事がよく分かった本。お薦め!
マイルス・デイビス-カインド・オブ・ブルーの真実
マイルスデイビス-ビッッチェズ・ブリュー
マイルス本2冊。
それぞれ1959年/1969年に発表された、ジャズと言わずポピュラーミュージック全体に大きな影響を与えた2枚の音源。
その録音&制作過程のドキュメンタリーであり、当時および構成に与えた影響についての研究×2。
読むほどに、改めてマイルスの音楽が聴きたくなり、そしてそこに秘められたマジック/秘密を知りたくなる。
マイルス・マジックと言えば、個人的に最も興味を持っているのがこれ↓
オン・ザ・コーナー
ジャズにとどまらず、20世紀音楽の巨人として君臨したマイルス。
DSCH、ディランとともに、いつまでも私の関心を引き付けて離さない音楽家である。
PS 今寝床でチマチマ読んでいる本各種
片山杜秀:音盤博物誌
ドゥニ・ゲジ:フェルマーの鸚鵡はしゃべらない
野田努:ジャンク・ファンク・パンク
片山さんの本は、これと『音源考現学』の2冊を併せていったい何度読んだことだろう。
何度読み返してみても、また新しい発見がある。
以来、筋金入りの片山フリークに(著作はほぼ全部持ってます!苦笑)。
一方野田さんは、『ブラック・マシン・ミュージック』に続いて2冊目。
テクノも、言わんやヒップホップなどさっぱり分からないのに、なぜか野田さんの本は面白い。
未聴音源が山ほどある一方、未読本も溜まってる。
コツコツ聴いて&読んでいくしかないか・・・(T_T)。