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鉱物の部屋へのいざない

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電気石4

2012-08-06 11:18:08 | 日記・エッセイ・コラム

今日は久しぶりに電気石4です。

ここ数日、写真なしのブログが続きましたので、電気石の話題に戻します。

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ブラジル ミナスジェライス州 産の鉄電気石・水晶(Schorl/Quartz)

この写真は太い鉄電気石の柱状結晶に水晶の結晶が取り巻いています。恐らく、鉄電気石の結晶が先に出来、その後から水晶の結晶が成長したのだろうと思われます。ただ、見方によっては水晶の結晶に鉄電気石が貫入しているようにも見えます。

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パキスタン ギルギット産 鉄電気石・水晶(Schorl/Quartz)

こちらの写真は上の写真のものよりももっと貫入らしさが良く分かります。水晶の結晶を鉄電気石が貫通しています。
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ブラジル ミナスジェライス州 産グリーントルマリン・水晶(GreenTourmaline/Quartz)

こちらは水晶の中に縦横グリーントルマリンが貫入しております。グリーントルマリンは一見ブラックトルマリンに見えますが、強い光を当てるとそれは黒ではなく緑色をしている事が分かります。

トルマリンと水晶の貫入している共生標本は良く見かけます。店にも同類の標本がいくつかあります。実はもっとその様子が良く分かる標本もあったのですが、先日カナダからいらっしゃった日本酒のバイヤーさんが買われていきました。彼は「It's cool!」とおっしゃいました。このような標本は外国人に好まれるのでしょうか?珍しいものには違いないと思います。

鉱物の標本以外にも貫入・貫通しているものがあります。

それは滝です。

そのような奇妙な滝は少ないながらも存在します。私がこれまでに直に見た滝では飛騨小坂の龍門の滝があります。その滝は柱状節理が発達した輝石安山岩のアーチを潜るようにして流れ落ちていました。その光景はNHKの早朝の時間帯に今でも放送している「御嶽山の自然」という番組の中で見れます。日本にはそのような珍しい滝がいくつか存在します。

調べてみると何と!石川県にもありました。それは輪島の桶滝です。桶滝は滝の落ち口が丸い筒状、桶の底が抜けたような形状になっているのです。これは岩の中を貫通して流れる、いわゆる潜り滝です。いつか行って見てみたいと思っております。

他には山形の潜り滝、男鹿半島の大滝、徳島の鳥居滝・フイゴ滝、高知の長沢の滝、等があるようですが、いずれも珍しい滝だと思います。

鉱物趣味と洞窟趣味の親和性が高い事は既に述べたと思いますが、実は滝との親和性も高いと思います。滝は水の流れと岩石の浸食で出来る地学的な現象です。滝には神秘的なスピリチュアルな要素と癒し効果もあります。石好きの人に滝の愛好者が多いのも納得です。

宇宙的に考えてみると滝は非常に地球的な現象です。なぜなら、流体の水の状態を保っているのは太陽と地球との絶妙な距離に因るもので、宇宙全体からみれば奇跡的に狭い範囲で起こる現象なのです。

石も洞窟も滝も愛すべき地球が我々人類に与えて下さっている神聖なものだと思います。





コメント
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