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鉱物の部屋へのいざない

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形の進化

2013-07-02 14:53:38 | 日記・エッセイ・コラム

今日は「形の進化」です。

数日前に、ある事柄を調べるために自宅の書庫に眠っていた「結晶成長学辞典」(2001年共立出版)を出してきました。辞典の類は入手と共に安心してしまって普段からそれを読む事はめったにありません。久しぶりにその辞典を開いて見ました。

すると、その辞典の項目の中で「形の進化」に目が留まりました。短いので全文を紹介します。

「結晶成長に伴って、その外形が変化する事。駆動力の変化、不純物吸着などに原因して結晶面の成長速度は連続的、断続的に変化するので、結晶の成長史を通じて同じ外形が維持されるとは限らない。変化は結晶の内部組織として記録されている。」(砂川一郎)

意味深長な文章です。普通はそのままの意味で捉えれば良いのかも知れませんが、ちょうど黄鉄鉱の外形変化や晶癖、晶相に付いて考えていた時だったので、その「形の進化」の文言は染み入るように入って来ました。

どのような原因かは不明ですが、結晶成長には「形の進化」があり、しかもそれらは記録されているのです。という事は結晶した鉱物標本から結晶の成長史を読み解くは事が可能なはずです。それは湖底の泥や氷のコアから環境を読み取る堆積学と同じように解読可能なはずです。

また、「形の進化」が載っている同じページ(45p)には「仮晶」の事も載っていました。

何たる偶然!かと思いました。

「平行六面体のように見える黄鉄鉱」と「平行六面体のように見える黄鉄鉱2」のテーマはまだ終わっておりません。秘められたる謎はまだまだ続きます。

私は書庫から「結晶 成長・形・完全性」(2003年共立出版 砂川一郎著)も取り出してきました。この本も買ってから、まともに読んでいなかった本です。この機会に読んでみようと思っています。

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