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鉱物の部屋へのいざない

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鉱物ソムリエ

2013-07-13 11:56:33 | 日記・エッセイ・コラム

今日は「鉱物ソムリエ」です。

「鉱物ソムリエ」とは私の造語です。それは鉱物に関する専門知識を有し、鉱物に関する仕事に携わる職業の事です。ワインのソムリエを模した言葉でもあります。

先週の土曜日に「ザ・コンテスト」(NHK BSプレミアム)という番組を見ました。最初は穴掘り大会の紹介をしていたのですが、同じ番組の後半で世界優秀ソムリエコンクールの紹介をやっておりました。食事が終わった後に何気なくその番組を見ていたのですが、知らず知らずに最後まで見てしまいました。ソムリエコンクールの世界が厳しい世界である事が良く分かりました。

ワインのソムリエは自らの経験と感覚を元にそのワインの種類や産地や年代を当てます。そこには味覚だけではなく視覚や臭覚、さらには記憶という脳のデータベースもフル活用して判定します。それは非常に高度な精神作用だと思いました。番組では確かスーパーコンピューターと言われている方が優勝したと思います。その判断は確かにスーパーコンピューター並みの高度な精神作用が働いていると思います。

種類と産地と年代を識別する事。何か鉱物の同定に似ている、と思ってしまいました。ひとつの鉱物標本から肉眼判定で鉱物種と産地と年代を同定する、これにはスーパーコンピューター並みの高度な精神作用が必要です。

現代ではX線回析装置等の分析装置があり、正確に鉱物を同定する事は可能ですが、かつては超人的に肉眼鑑定ができる人がいらしゃったそうです。櫻井欽一さんはそういう人だったと聞いた事があります。

石のお店をやっていると石の鑑定を頼まれる事があります。そういう時は私の経験と脳をフル活用して同定しますが、やはり肉眼鑑定には限界があります。私は鉱物標本ならたくさん見て来たとは思いますが、それでもアマチュアの限界があります。もちろん、初めて見る標本は判りません。残念ながら高価な分析装置もありません。どうしても私の経験からの鑑定しかできません。

鉱物の世界では益富地学会館の鉱物鑑定士、鉱物鑑定士補の制度があります。私は受験しておりません。

昨日、何かのWeb検索をしていて、たまたま「けんてーごっこ」というサイトに入ってしまいました。その中に「鉱物学検定」という項目があったので、試しにやってみました。問題は5問でした。簡単な問題だったので全問正解、何と!全国1位/29人中でした。マイナーなサイトです。

さて、鉱物ソムリエには種類と産地以外にも年代も当てなければなりません。鉱物標本からその標本の年代を読み取るのは、なかなか困難な事です。年代と言っても、ひとつの鉱物標本には採集された時やその標本の最終形になった時やジルコンの様に長い成長記録を留めているものもあります。複相した年代測定には高度な分析装置も必用です。

どうも鉱物ソムリエ、なかなか、難しいようです。

コメント
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