今日は「カコクセナイト2」です。
昨年6月に「カコクセナイト」というタイトルで一度書いております。今日はその続編です。
実は昨年書いた「カコクセナイト」は消してしまいたいタイトルなのです。それはどうしてかと言うと、間違ったことを書いてしまったからです。どう間違ったかと言うと、私がカコクセナイトをよく知らなかったせいで、紫水晶のインクルージョンとして入っていた針状結晶の針鉄鉱(ゲーサイト)をカコクセナイトだと勘違いしてしまいました。それはこのブログへのコメント投稿で分かりました。そのコメントは公開してあります。コメント欄は重要だと思います。コメントには貴重な情報が入っていますので、コメント欄のチェックもお願いします。
実はこの消してしまいたい「カコクセナイト」は今でもアクセス解析で常にベスト10に入っているタイトルなのです。現在、一日平均約200件位のアクセスがありますが、書いて一年以上経った今でも上位に入っているという事はそれだけ関心の高い内容だという事です。
私がどうして間違えたかと言うと、当時、カコクセナイトをよく知らなかったのでWeb検索でWikipedeaに入りました。日本語のウィキペディアには写真が無かったので、英文の「mindat.org」に飛びました。そこに載っていたカコクセナイトの写真が、当時、店にあった紫水晶のインクルージョンとして入っていたゲーサイトにそっくりだったからです。今思えば、初歩的な間違いでした。反省しております。
「カコクセナイト」は消してしまいたい心境ながら、コメント公開をしながらそのままにしてあります。
先日、東京のミネラルマーケットでカコクセナイトの標本を見かけました。
高知県高知市神田字豊田 住宅団地造成地 産 カコクセン石(Cacoxenite)
これがカコクセナイトの標本です。カコクセナイトは下の方の茶色い部分です。何となく汚い被膜状の部分です。これがカコクセナイトの肉眼的な現実の姿です。
この茶色い被膜状の部分をiPhone用の簡易顕微鏡で拡大してみました。すると粒状の結晶を見る事ができます。どうもこれがカコクセナイトのようです。決して肉眼では気が付かないサイズです。
カコクセナイトでは昨日気になる表記を見つけました。今、手元に「宝石宝飾大事典」の新訂第3版第2刷(2007年 近山晶著)があります。その「カコクセナイト」に「紫色もしくは茶水晶の地に黄色のゲーサイト・インクルージョンを含むものは、クォーツとはいわず、この名称で呼ばれる。」とありました。どうも宝石宝飾の世界ではそのような認識の元で流通しているようなのです。
どうも間違えたのは私だけではなく、古くからそのような誤解が普通になっていたのだろうと思われます。
思うに、「mindat.org」の写真もキャプションにサイズの表記がありませんでした。これは誤解を生む原因です。もしかすると、宝石宝飾の世界でも同じような誤解があったのかも知れない、と思ってしまいました。
そういう意味で、鉱物写真のサイズ表記は重要な情報だ、と再認識しました。