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鉱物の部屋へのいざない

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ジルコン1

2013-07-08 16:08:59 | 日記・エッセイ・コラム

今日は「ジルコン1」です。

「ジルコン」の話題は初めてとなります。それはこのブログ内検索で分かりました。その検索の際、今日のこのブログが500件目の更新となる事が分かりました。筆不精だった私ですが、ここまで続けられたのは皆様がアクセスして下さったお蔭だと思っています。ありがとうございました。

さて、昨日の午前中、白山手取川ジオパーク推進協議会が主催する「水の旅学」の第2回「岩石を学ぶ」(地球の歴史から見る白山市の大地の成り立ち)という講座を受講してきました。場所は白山市役所に併設している白山市民交流センターの会議室で、講師は海野進金沢大学教授でした。白山市は施設といい、人材といい、非常に贅沢なところだと思いました。これも2011年に日本ジオパークに認定された影響でしょうか?市民の方々の地学に対する意識の高さも感じました。金沢市は伝統工芸や絵画、音楽等の文化に対しては積極的なのですが、自然科学に対しては若干貧弱なところがあります。白山市をうらやましく思ってしまいました。

さてさて、昨日の講座の内容は非常に充実して面白かったです。いくつもの新知見を得る事が出来ました。その中でも特に印象に残った事はジルコンです。ジルコンによる年代測定法は知ってはいましたが、その具体的な説明を聞いたのは初めてでした。高感度の分析装置を使ったウランー鉛年代測定の話はその解釈も含めて知的好奇心を刺激されました。ジルコンによる年代測定法はこれからも不明な部分が多い先カンブリア時代の解明に大きく寄与するであろうという予感がしました。

そういえば、一昨年の冬に富山市科学博物館に行った事があります。それは日本最古の鉱物であるとされたジルコンの展示を見る為でした。黒部市宇奈月の花崗岩中から取り出されたジルコンは37億5000万年前のものでした。確か、それも同じハイテク分析装置を使用したものだったと記憶しております。宇奈月のジルコンも我々石川県と同じ飛騨帯に属し、それは約2億5600万年前に花崗岩を形成したマグマが、地下深部に存在していた北中国大陸由来の岩盤を貫くときに取り込まれた、という事でした。この事は2種類のジルコンの年代測定で分かった事です。日本列島の大部分は、南中国大陸の縁でプレートが沈み込む際に巻き込まれた南中国大陸起源の物質から形成されたと考えられていますが、ジルコンの歴史から日本列島と中国大陸との関係が読み取れるようです。(この先2億年後には日本列島は再度中国大陸といっしょになり、世界はひとつの超大陸になるようです。良い事ではありませんか!)

ジルコンは物理化学的に安定な鉱物で、風化や変質の影響を受け難く、古い大陸の情報を保持しています。ひとつのジルコンの結晶にも累帯構造があり、一粒の中にもコア年代とリム年代に違いがあり、ジルコンの結晶形に着目した解読の可能性も研究されているようです。ジルコンによる地球史の解読は非常に興味深い研究だと思います。

今日はブログを書いていて中断が多く、スムーズに書けませんでした。「ジルコン2」に続きます。

コメント
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