かぶれの世界(新)

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2011年大胆占い-2Q見直し

2011-07-02 17:55:45 | 社会・経済

甦る年頭リスク

中東革命と東日本大震災が勃発した直後だった前回の1Q見直しでは、私はいささか状況認識を早まり楽観的に過ぎたかもしれない。当時は新興国の経済成長が世界を牽引し、米国の経済回復も順調で大きなリスク要因にはならないだろうと評価した。

3ヶ月前の私の評価は「総合すると2011年世界経済の残り9ヶ月の二大リスクは、今日時点では『欧州ソブリン危機と中東革命の行方』であり、日本の個別産業・地域は驚異的な速度で回復する」という、どちらかというと楽観的な見通しを持っていた。

だが、直近の調査報告では先進国・新興国ともに景気減速は避けらないという見通しが繰り返し報じられた。代表的な予測は米国3.6%→2.0%以下、中国9.5%→8.8%というものだ。日本でも多くの企業は予想通り前倒しで回復するが、地域回復は難航する二重構造が鮮明になってきた。

実はこれら世界の悪化要因は3ヶ月前にも見えていたが、今日ほど深刻とは見做さなかった。特に米量的緩和(QE2)の副作用(米国の財政赤字と世界の物価上昇)は以前から指摘されていたことで、遡って考えるとリスク要因は過小評価され結果的として問題先送りをしたことになった。

その時々のセンチメントによって市場はかなりの上げ下げがある。ギリシャ政府が議会で信任され欧州の危機は遠のいたと見て、今週のニューヨーク証券市場は過去2年で最高の上昇を見せた。6月最後の週の突如の上昇で、思ったより悪くないと勘違いした人も多いはずだ。今後長い上げ相場を予測する識者も見かける。

世界中で日本化が進む

だが、米国の雇用と住宅市場は停滞したままで8月に国庫が空っぽになる、ギリシャ危機は今後も国債償還毎に繰り返し表面化するだろう。世界的な日本化(根本解決を避ける問題先送り)の兆しが見えてきた。現状は痛み止めを打って小康を保っている状態と私は解釈する。

前回、IMFは1月に世界経済成長率を4.4%に上方修正(私は4%半ばと予測)したが、次回は据え置きか若干の下方修正になると予想してその通りとなった。今回の見直しの焦点は、果たして秋以降に世界経済は力強い回復を見せるかどうかだ。

その決定要因は米国・欧州・新興国だ。私は総合すると力強い回復とは行かない、何とか破綻を避けるがスローな回復を続けていくと予想する。その心は、米国の財政赤字を大統領と議会の間で妥協が成立する、ギリシャは債務再編せず来年に持ち越し、新興国は成長より物価抑制を優先し政権維持を図る。総じて世界は内向きになるだろう。

中国は内政・外交ともに難しい問題を抱える。基本的な考えは、共産党一党独裁の維持が最優先事項、世界から縮小方向にある米国が抜けた後の空白を埋める戦略にあり、人権・民主主義・領土などはその時々の情勢判断によって変化すると考えれば、政策の一貫性を見ることが出来る。

中国政府の従来ロジックでは中々予想できない動きを非難するのは容易い。だが民主主義を標榜する欧米諸国も、国難に直面してその一貫性を保つ為酷く苦労している。今年中にもっと分り易い状況になるはずだ。又、最近のパレスティナの独立宣言を目指す動きは、米大統領選にも少なからず影響を与え、中東革命を更に複雑にするリスク要因になる可能性があると見る。

目を覆って国内を語る

さて、国内に目を向けると政治は混沌としているが、企業活動は3.11後の世界をクールに評価して次々と手を打っているように感じる。その心は、政府と国内市場を見切って先手を打つことだ。彼等は今回を契機に思い切った改革を断行、驚異的な回復をとげ競争力を高めるだろう。

だが、政府の支援を期待する産業や地域は対策の遅れを非難せざるを得ない事態に追い込まれるだろう。彼等の多くは支援ナシには成り立たなかったのだが、規制と支援の既得権益を守るのが最優先事項になり、彼等の産業の競争力を高めるため我々の税金を使うか私は懐疑的だ。

菅首相を辞めろと言う声が大きいが、どういう政策でどういう性格の政権になるのか、時期は8月かそれより後になるか、総選挙があるのか予想もつかない。いまだにポスト菅が誰かわからない。復興の為の政策より首相を変えるかどうかで喧々諤々、目を覆いたくなる状況だ。

目を覆ったまま予測すると誰が首相になっても、冒頭に述べたように自らの改革に成功し強くなった企業・地域と、回復に支援に頼らざるを得ず以後継続して支援が必要な体質の産業・地域の二重構造が、更に明確に分類され格差になりそうな予感がする。多分、それが現在時点の民意だ。

スポーツ占い

最後にお楽しみのスポーツ予測について。実は、これも楽しくない。イチロー・松井のかつて無い程の不振は、実際私は2年前から予測してきて毎年外れた。それで良かったと思った。今年の両選手の不信は、素人の私には残念ながら年齢による衰えが出て来たように見える。

年齢の衰えを技術でカバーしてもう一度輝きを取戻すのは誰にでも出来る訳ではなく厳しいと思う。更にいうと、別にイチロー・松井に限らないが、誰か一人でも監督・コーチ業でもMLBで成功して欲しいと思う。MLB監督業に表面上人種差別はない、与えられた選手で勝てる能力があるかかどうかだけだ。私の推測では、価値観を共有するコミュニケーションが重要だが両者にはなさそうだ。

一方サッカーでは、若い選手が日本で実績を積む前に海外に挑戦し結果を出す時代に入った。野球は長い歴史があり、サッカーよりはるかに高い報酬で選手を保有する制度があるなど事情が異なる。だが、Jリーグのオープンな競争システムは、球団経営と選手・コーチのレベルアップを短期間で実現し野球を追い越しそうな予感がする。■

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