早朝、この時間帯ではありえない叫び声を聞いて目が覚めた。女子W杯サッカーだと直ぐ分った。目をこすりながら1階に下りていくと、息子と家内がテレビに食いついて見ていた。画面を見ると宮間が同点ゴールを決めた瞬間のスロー・モーション・ビデオが流れていた。
延長に入り勝ち越し点を入れられても、残り数分というところで今度は澤が見事な同点ゴールを決めた。冷静に戦力比較すると、終盤になっても米国がボールを持って前がかりになった時の迫力は画面から伝わってきた。パスサッカーが売りの日本よりパスが良く繋がっているように見える。
女子サッカーは日本では全くのマイナー・スポーツで、オリンピックの活躍で俄かに注目を浴びたカーリングより露出度が少なかった。私も大のサッカーファンだが、正確には男子サッカーのファンだった。ところが今大会メキシコ戦の中継を見た時、なでしこのダイレクト・パスがポンポン通るのを見てその技術レベルの高さに驚いた。もしかしたら男子チームよりうまいと。
しかし、実力的には明らかに日本が劣勢だった。そんな米国に二度も先行されて圧力によく耐えてPK戦まで持ち込んだ。よほど精神的に強かったのではないかと思う。なでしこは震災復興のシンボルになり精神的に充実した今大会は、米国に勝てる数少ないチャンスだったように感じる。
PK戦の前の円陣を組む監督や選手の顔に笑みが見えた。楽しんでいる感じで、米国選手の表情に堅さが伺えたのとは対照的だった。案の定、米国選手は次々とPKを外し、日本サッカーの歴史的勝利になった。凄いことをやらかした。
実は全く同じ時間帯に地球の裏側で行われている南米選手権で、王者ブラジルがパラグアイに敗れた。チャンネルを切り替えながら同時中継でみた。決定機をことごとく外してPK戦になったブラジルは、PKを1本も決められず敗退した。昨日はアルゼンチンもPK戦で負けた。
力が上ならいつも勝てる訳ではないというものの、これだけ番狂わせが続くと単なる番狂わせではない、目に見えない力が働いたのかもしれない。その辺のところは今後専門家に聞いて見たいものだ。今回なでしこの活躍で日本女子サッカー創成期の選手がテレビに出演し懐かしく感じた。皆こんなに美人だったろうか。当時中学・高校生がトップクラスだったから、隔世の感がある。
最後に例によって無理やりコジツケでなでしこと私の関係を紹介して終りたい。会社勤め時代、通勤時間短縮の為小学校の校庭を通り抜けた。そこは澤選手が子供のときサッカーを楽しんだサッカークラブ・フロクがあったところと子供達に聞いた。ある時、保安上の理由で通り抜け禁止になった。因みに娘は澤と無関係だが同い年だ。■