かぶれの世界(新)

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窮地の首相に再びエール

2011-07-13 14:05:18 | 国際・政治

長年の友人で外資系コンサルのトップと一昨日久し振りに会って食事をした。彼は現実のビジネスに日々接しており、日頃ネットや報道で得た言わばバーチャルな発想をする私に、いつも足元の現実を思い出させてくれる。昨日はマスコミに人気の経済評論家の講演を聞いた。彼は具体的な数字で大局を巧みに説明し、私の目線を足元から水平線に上げてくれる。

その両人が口を揃えて民主党政権と菅首相を全く評価しなかった。このブログで何度か不人気の首相にエールを送ったが、立場の違う両人の言い様に改めて菅首相の不人気振りを感じた。原発事故対応から玄海原発運転再開を巡る混乱まで、責任は菅首相の延命の為の人気取りの思いつきにある、このままでは回復途上の日本経済の先行きが思いやられるという不安からだろう。

だが、閣僚や官僚との行き違いなど途中経過に齟齬があったとしても、菅首相が国を誤まらせる間違った決定をしているかとなると、私はよく考えた方がよいと思う。果たして、海江田大臣が経産省のシナリオ(電力供給を確保して日本経済を守るのが最優先)どおりに身内で安全確認して運転再開して事が済んだだろうか。私はそう楽観的にはなれない。

いまや原発は沖縄基地並みに地元自治体の同意なしに運転再開できない政治問題になった(それはそれで問題だが別の機会に論じたい)。海江田大臣が根拠とした原子力安全・保安委員会の安全確認は、地元の了解を得て今後全国の原発運転再開していくことは無理がある。彼らへの国民の信頼は崩壊した。突然のストレステストの指示はその状況判断があったのかどうか定かではないが、正に現在の状況に適切に対応したものだったと思う。

にもかかわらず、首相がそれまでの行き掛かりを無視したかに思える唐突な決定をしたとの非難が大方の報道だ。それでは非難する人達は一体何をしたいのか、それで何が国民の為になるのか私には良く分らない。典型的な非難の根拠はどうも「やぶから棒」とか「コロコロ変わる」がいけない(日本経済新聞滝田氏)ようだ。

だが結局のところ、欧州の知見を取り入れ第3者を加えたストレステストのような中立で科学的に確かな根拠が住民を説得する為には必須であるのは誰の目にも明らかだ。手順が前後したとはいえ菅首相の「変心」は適切だったと私は考える。その一点で私は首相というよりストレステストの早急な実施を支持する。

新聞テレビ等のマスコミや野党は、首相の対応がチグハグであることを非難し、直ぐ辞任せよと迫る。政権幹部や閣内にすら菅下ろしが始まったとまで非難する。多分そうなんだろう。しかし、それは下種の勘繰りだ。真に国民のことを考えるなら今後の原発を含めたエネルギー行政と、当座の早急かつ適切なストレステストについて国民的な合意を作り上げ直ちに実施することだ。■

コメント
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