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「土人」発言報道が露呈したメディアの体質

2016-10-27 18:57:26 | ニュース
沖縄ヘリパッド反対派のデモ隊に対して大阪府警の機動隊員が発した「土人」呼ばわりが新聞テレビに報じられ問題になった時、直感的に彼は挑発されて暴言を吐いたのだろうと思った。そして日本のマスコミは警官の発言だけを大々的に報じたのだろうと推測した。証拠はないが、残念ながらそれが日本のマスコミの在り様だろうと。

今朝の新聞を読んでいると11月3日号の「週刊新潮」にその実態を暴いた記事の見出し「なぜ土人発言だけが報道されるのか?」が目に入った。詳細は読まなくともそれを見た瞬間に「そんなの何の疑問もない、それが日本のマスコミだ」と思った。続けて残念ながらこれが日本のメディアの知的レベルだと思った。

まだ記事をを読んだ訳ではないので詳細は分からないが、反対デモの人達も活字にするのが憚れるような発言をしたに違いない。ただ、警察官は公的な立場だから同じことを言っても非難される、挑発には乗るなと教育されていたはずだ。警察官は挑発に乗った段階で非難されて当然だろう。

しかし、メディアは一体どんな挑発があったのかキチンと報じる必要がある。そして反対派の人達がどういう人達だったか、一体何を言ったのかを報じて読者に判断させるメディアが我々国民には必要だ。そういう報道が全然なかったのは不思議だ。その裏返しで注目すべき国際的な事件が起こった時、私は日本の報道だけでは納得できない場合海外の報道をチェックする。

朝日・毎日新聞にその傾向が強いと私は思うが必ずしも記者一人一人が全てそうではなさそうだ。先に「周回遅れの読書録」で紹介した「官邸の100時間(検証福島原発事故)」(岩波書店)は朝日新聞の現役記者(木村英昭氏)ながらそのような偏向を感じなかった。丹念に官邸の人脈の証言を追ってゆき官邸と東電で何が起こったか明らかにし、東電と官僚たちの無能さを浮き彫りにした佳作だ。一方的な思い込みの押し付けはない。

本の完成度はそれ程ではなく世界的ベストセラーになるには力不足だが、スタイルはワシントンポストの名物記者Bウッドワード的アプローチで作者の主張が伝わってくる。一記者としてはそうであっても、大新聞の中ではそれが変質していくのは残念なことだ。土人発言報道はそんな問題提起をしたのではないだろうか。

とすれば、あまり好きではないが週刊新潮は日本マスコミの欠点を補う素晴らしい仕事をしたと認めざるを得ない。芸能人のスキャンダルばかりで売っている競争誌よりましだ。といってまだ肝心の記事を読んでいないのだが。■

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