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オバマの目指すもの(4)MLK

2009-01-25 12:13:04 | 国際・政治

大統領就任式に先立ち19日は祝日「マーチン・ルーサー・キング・デー」で、トム・ハンクスなど人気俳優やSワンダーやU2など人気歌手が参加して新大統領就任を祝うショーが行われた。ニュースを見て、私が赴任していた頃のことを思い出した。

マーチン・ルーサー・キング・ジュニア(MLK)牧師の誕生日は115日で、MLKデーは1月第3月曜日、就任式の前日だった。オバマがボランティア活動に汗を流した様子が全世界に報じられた。今回は少し寄り道して、私が米国で働いた90年代半ば頃のMLKデーについて紹介する。

当時MLKデーは全米が一斉に休むいわゆる国民の祝日ではなく、州ごとに事情は異なっていた。ワシントン州の工場では有給の祝日(paid holiday)だったが、その後カリフォルニア州のサクラメント工場に移動すると、そこは通常の出勤日であり面食らったことがある。

当時はまだ全米一斉の祝日ではなく、今回のニュースを見るまで私自身知らなかった。改めてネットで調べると、2000年に南カロライナ州がMLKデーをpaid holidayにしてやっと米国の全ての州が統一してキング牧師の誕生日を祝うようになった。つい最近のことなのだ。

記憶では90年代半ば、ワシントン州の工場では白人労働者が圧倒的に多かった。一方、サクラメント工場の労働者は黒人・ヒスパニック・アジア系など非白人が多く、雑多な人種構成だった。しかし、両方に共通してエグゼンプトといわれるホワイトカラーに先ず黒人はいなかった。正直に言うと私が会った人達の中で、優秀な黒人管理者は社内には皆無、社外でも多くなかった。

10年余前でさえそういう状況だった。以前、OJシンプソン裁判で陪審員が無罪判決を下した時、平素は何の問題もなく一緒に仕事をしている白人と黒人労働者の反応が全く異なった。「こんな馬鹿げた判決はありえない」、片や「判決は当然」、意見が肌の色で見事に分かれた。仕事への影響を心配したが杞憂に終った。いずれにしろ、現在も劇的に状況が変化したとは思えない。

今は圧倒的支持を誇るオバマだが、白人の半分しか彼に投票しなかった事実が、後から重石とならないよう考えているはずだ。それは彼にとって難しいことではない。ブッシュ時代の「分断」から、オバマは「白人も黒人も無い、青も赤も無い、一つの米国」という団結のシンボルとなった。その黒人大統領の4年間で人種問題にどんな変化が出てくるか注目したい。■

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