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アテネ五輪サッカー敗退

2004-08-29 12:19:54 | スポーツ
アテネ・オリンピック 男子サッカー敗退

 36年ぶりのメダルを期待された日本サッカーチームは、予選リーグ2連敗で早くも敗退が決まり熱狂的なファンを失望させた。 近年サッカー人気は国際Aマッチ中継番組がプロ野球中継より高いTV視聴率をとるまで高まり、TV放送局は挙ってサッカー関連の放送をするようになった。 五輪サッカーは23歳以下のチームで構成され言わば二軍チームなので、多くのサッカー先進国ではそれ程関心をもたれていない。 しかし、五輪好きの日本ではAチームと同じか場合によってはそれ以上に関心をもたれ、TV等マスコミの露出度が高く活躍が期待されてきた。 一方海外では日本チームの評価はそれ程高くなく、今回の結果も驚きの目で見られていない。 このギャップは何か少し論じてみたい。

1.敗因
 先ず純粋にサッカーとして敗因を辿ってみたい。
1)実力不足、相手が強かった
 TVでゲームを見た限り相手のほうが強かった、 実力どおり順当な結果であったと言える。 2試合とも立ち上がり早々に守備の乱れを衝かれ失点し、それ以降一度も追いつくことなく負けている。 個人、チームとしての力のどちらでも相手が勝っていた。 日本チームの個人技が劣ることはある程度予想できたのだが、攻守にバランスが取れチームとしての力はあると思っていた。 
2)戦う姿勢不足、弱気だった 
 サッカー後進国時代のDNAである守りに入った時の日本チームのひ弱さが露呈された。 チームは立ち上がり硬くなり失点後は精神的な切替えがうまく出来ず、予想以上に普段の力を出す事が出来なかった。 アジア地区予選で苦しみながらも勝ち抜いたのに何故弱気になったのか? 思うに、アジア予選では相手チームは初めから守備を固めミスに付け込んで確率高く得点する攻撃の強いチームに対してタフな守備を一度も経験せず、突然強烈なパンチを喰らっておたおたしてしまった。 戦う前からチーム全体にアグレッシブに攻める姿勢がなかった。 嵩にかかった攻めに対して初めから守りに入ったときの弱さが出てキチンと対処できなかった。 個人技が劣るといってもそれ程大きな差があるわけではなく、もっと強い気持ちがあれば少しの差でマイボールにしたりチャンスも作れたはずである。 
3)指揮官の経験不足、選手と一緒にパニクッた
 立ち上がりにチームに戦う姿勢を持たせるのは指揮官の責任である。 試合前に何が指示されたか判らないが、少なくともスターティング・ラインアップは守りに重点をおいたものであったが、序盤にあっさり得点を許しわれを忘れ素早く切替が出来なかった。 相手から見て最も脅威となるスピードのあるシステマチックな攻撃が選手交代によって後半見られたが手遅れだった。
4)決定力不足、今に始まった事ではない
 決定力不足は前から言われていたことがそのまま結果に現れただけの事で、むしろ2試合で5点は上出来だった。 しかし決めるべきときに決められなかったのは敗因の一つであると言える。 勝つためには得点機会に対してもっと高い確率で枠の中にシュートを打ち点に結びつける決定力が必須である。

 2連敗直後の失望に任せて書いた上記の敗因は多少感情的な所もあるが基本的に間違えてないと思う。 その後ガーナに勝ち、同じ予選リーグを勝ち抜いたパラグアイとイタリーが二、三位に入ったことで少し慰められた。 今回優勝したアルゼンチンは頭抜けて強かったが、組合せによって日本が決勝リーグに残るチャンスはあったといえる。 そう意味では今回の成績は順当な結果の範囲に入っていると思う。 しかし若いと言っても監督も選手もプロであり、結果を出せなかったことを受け止め次のステップに進んでもらいたい。 まだそのような議論があまりされてないようだが、貴重な経験と言う抽象的な言葉だけでなく当事者である監督も選手も協力して結果と原因を冷静に分析し手を打つべきである。 

 アテネ五輪は過去最高のメダルを獲得すると言う素晴らしい結果となったが、サッカーだけでなく野球やバレー、ソフトボール等球技の成績が個人競技に比べ振るわなかった。 夫々に異なった事情があるだろうが、球技の力が落ちたと言うよりも科学的訓練や、有望な個人を支える強化システムの導入により相対的に個人競技のレベルが上がったと言うべきであろう。 経営コンサルタントの立場で見るとスポーツのグローバリゼーションといういう市場動向の中で有望種目の選択と集中投資を行い成果を出したということであろう。そういう視点から見ると個人競技と異なり団体競技の力をどう高めていくか課題が多い。 野球チームの失敗は国内のシステムにかかわる基本となる戦略の誤りであり根が深いといわざるをえない。 バレーボールはそもそもマスコミが作り上げたバブルが大きく膨らんだだけの発展途上の実力不足チームであり結果を責めるのは酷である。 その中でサッカーは比較的明確な戦略としっかりした実行体制を持っているので期待できる。 
   


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