かぶれの世界(新)

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

発信力の不足

2013-02-09 16:59:15 | 国際・政治

  最近、久しぶりに海外メディアが日本を取り上げていると感じる。主なテーマは二つ、安倍新政権の経済政策に対して欧州から聞こえる懸念と、尖閣列島を巡る日中領土紛争が注目されている。本件に関する日本の新聞テレビは連日トップニュースで伝えている。内政問題と異なり一様に政府を支持している。メディアにより多少バラツキがあるが、かなり愛国的な熱い内容も多い。<o:p></o:p>

  私は会社勤め時代の後半は円高に悩まされてきたので、昨年11月の野田前首相の解散宣言から続く円安トレンドは長年の異常な円高をほんの少し修正しただけと感じる。なのでドイツ政府高官の懸念表明などを見ると、「リーマンショックから欧州危機までずっとユーロ安の恩恵を受けてきたのに、まあ身勝手によく言うよ、チャンチャラ可笑しい」と思ってしまう。麻生副総理が口をひん曲げて反論した気持ちがよく分かった。<o:p></o:p>

  だが、FT(ファイナンシャルタイムズ)の記事を読むと、「通貨戦争」という言葉がしょっちゅう出てくる。何か意図的だ。言外に日本がルール違反の通貨安政策を仕掛けているという印象を与えている。政府が中央銀行に圧力をかけ金融緩和するプロセスがアカンという建前も白々しく聞こえる。実際のところ円安になって最も困るのは、ドイツの車だから文句を言いたいのだろうと勘ぐる。ましてや長きにわたり為替コントロールをしてきた中韓となれば反論する気にもならない。FTに反論する日本のメディアなら日本経済新聞だろうが、残念なことにこっちの勝負は端から負けている。<o:p></o:p>

  もう一つのテーマである日中領土紛争は、私が見る限り欧米メディアは中国が強引に日本を挑発しているというより、等距離で日中間の紛争が悪化していくのを危険なものを見るように報じている。日本国内の報道を見る限り中国の一方的で強硬な姿勢だと私達は感じる。が、海外メディアの報道を見ると良くて双方を諌めるか、日本の対応に自制すら求めている印象がある。記事を読む限り、彼らは手持ちの情報が十分にないまま表面的な記事を書いているように感じる。<o:p></o:p>

  日本だけではない。フィリピンやベトナムとの南シナ海諸島の帰属を巡る対立や、少し遡って尖閣列島を巡って中国内の日系百貨店や自動車に対する暴動など目に余るのだが、海外メディアの中国に関する記事は緩く感じる。いつ自分の身に降りかかるかと考えないのだろうか。今や「モノの貿易量」世界一になった中国の制裁が怖いのか、或いはフランス軍のマリ介入のように自国の権益に直接関わらない限り関心が薄いのか。欧米の建前をどこかにおいて、経済が総てに優先していると感じる。多分、両方だろうし日本もそうだ、責められないのだが。<o:p></o:p>

  だとすれば、日本が中国との摩擦の経緯を積極的に詳細をタイムリーに国際社会に公表し、海外メディアが中国からの一方的な情報や先入観からだけでなく我が国発信の情報も加味して、公平に摩擦を報じるようにするのがベストの対応と私は考える。中国も世界の評判が悪くなるのを恐れている。これは情報戦争だ。だが、日本の政府もメディアも発信力が少なく弱いと私は感じる。<o:p></o:p>

  政府は論争になっている中国海軍艦艇のレーダー照射に関して、証拠となる写真や映像をの公表を検討していると報じられた。中国がねつ造だと主張して水掛け論になるのは予想通りで避けられないので、一歩踏み込んで信頼できる情報・データを世界に公表して見せどっちが信頼できるか聞く。私はこれが最も効果的な対処だと思う。<o:p></o:p>

  この単純な領土問題を複雑にしているのは、選挙前に安倍首相が主張した集団的自衛権や国防軍の問題だ。多くの欧米メディアの批判は自国は無条件で軍隊を持つ一方、日本には国を守る為何も与えない二枚舌に聞こえる。日本は信用できない、鉄砲持たせると何をするか分からないと思っている。そして、この記事を利用する国内メディアが出てくる。微妙な問題なのは分かるが、とことん話し合い議論を深める時期が来たと思う。<o:p></o:p>

  それにしても、我が国の新聞テレビの対海外発信力の低さは何とかならないのだろうか。言語の問題はあるとしても素人の思い入れ一杯のニュース番組報道では、中国の官制報道と並べて比較されどっちもどっちと思われるだけじゃないだろうか。昔(今ではない)、経済は一流、政治は二流と揶揄されたが、メディアは三流というのが私の実感だ。世界で尊敬され引用されるアンカーマンとか、論説委員とか世界第三位の経済国にふさわしいジャーナリストはいないのか。無理?■

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 認知症の兆候にお墨付き! | トップ | 女は誰でもミーハー »

コメントを投稿

国際・政治」カテゴリの最新記事