かぶれの世界(新)

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

意地悪ジーサン

2024-06-20 20:19:25 | 日記・エッセイ・コラム
昨日の昼食前に最寄りの郵便局に行き航空便を投函した。90年代半ばに4年間米国で働いた時のお陰で支給されている年金資格を毎年確認される手続きだ。郵便局の局長を始めスタッフが全員見慣れない顔に変わっていたが丁寧に対応してくれた。そこで問題が起きた。

返送用の封筒の糊付け部分が我が家に送られてきた時には付着していたので、薬缶(ヤカン)の蒸気で開けようとして封筒の片隅を焦がしてしまった。焦げた封筒に書類を入れて窓口に行き事情を話すと新人らしき黒ぶちメガネの女性職員が出てきて対応してくれた。

提出先を確認されて宛先が米国の年金局だというと彼女が食いついてきた。彼女は「オレンジカウンティに行って結婚式を挙げた」と言い、私が「カリフォルニアだね、ディズニーがあるよね」、彼女は「そこに叔母さんがいて、オジサンが某靴メーカーの副社長です」だと。

米国との繋がりがあることを誰かに話したかったようだ。私は足を上げて「某社製の靴を履いてるよ、某競争会社より安くて履きやすい」と言い、「僕も副社長だった」とクールに返した。彼女が「優秀なのですね」というと、クールに「そんなことない」と盛り上がらない返事。

会話を交わしながら彼女は封筒の焼けた部分を丁寧に白紙を折り曲げてカバーしてくれた。これで受け取った側が怪しまないだろうという。とても丁寧に対応してくれた。その部分に私が住所氏名を記入して280円を支払い、航空便の手紙として受け付けてくれた。

そんなつまらない会話を交しながら私は昔を思い出して懐かしく思った。部長でも役員でも副社長と呼んだ。彼女も聞かれる前から次々と米国に行った時のことを言い出した。米国に行った時のことが懐かしく思いだし、私をそんな会話ができる機会とみなしたのかもと思った。

今日そんな都合の良い思い付きを確認することが出来た。昨日の今日だ。昼食前に配達されてきた郵便物の中に、都知事選の入場券が転送されてきた。投票日は来月7日で私の帰京予定は翌8日なので、同封されてきた家族分の入場券を再度転送しなければならなかった。

なので昼食後に再度郵便局に転送の手続きに行った。昨日3人いた女性職員が2人しかおらず、声をかけてくれて彼女だと思い出した。眼鏡を取り換えた彼女の顔が最初分からなかった。再転送するなら新規に新しく郵送すればいいと、今度は局長が直接助けてくれた。

「実はどなたも見覚えのある顔が見当たらない、前の局長は長い間の知り合いだった」と言うと、以前の局長より若干若く見える親局長によると職員全員が纏めて入れ替わったという。銀行にかかわらず金融機関の担当は定期的に移動するようになったと以前聞いたことがある。

その間にも彼女は米国に滞在した時にグランド・キャニオンに行った話を始めた。私はその話を直ぐに引き取って、「コロラドだね、僕も行ってセスナに乗ったよ。昔セスナが墜落して日本人が死んだ。」と、彼女が言いたそうなことを一気に全部言ってしまった。

彼女は米国滞在時の思い出を楽しく話し合える田舎で滅多にない機会だと思ってたと言った。私も全くその通りだったと言った。だが、実際のところ彼女の話になるべく乗らないようにクールな受け答えをした、実に意地の悪いジーサンだったと内心思った。

言わなきゃいいのに、後から言って反省する。どうにも私はそういう性格なのだ。言い訳すると、彼女は決して悪い印象を持たなかったと思う。■

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 脅かすな、線状降水帯 | トップ | やり過ぎが身に着いた!? »

コメントを投稿

日記・エッセイ・コラム」カテゴリの最新記事