かぶれの世界(新)

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温泉の危機と高齢者の思い出(1)

2022-01-22 21:50:18 | 日記・エッセイ・コラム
オミクロン型の感染急増で「まん延防止等重点措置」が13都県に適用され、更に関西の3府県を始め全国から重点措置の適用の要請が報じられた。東京の感染者は遂に1万人を超えた。経営危機から徐々に立ち直りを見せていた飲食業界や旅行業界への打撃と失望が報じられた。

高齢者の私は個人的理由で各地の温泉旅館が生き残れるのか心配している。

50年以上前に四国の片田舎から上京して夢に見たコンピューター技術者として働き始めて数か月後、職場の宴会とか旅行で初めて都会での仕事以外の生々しい世界に触れる経験を経て大人になった気がする。中でも主な舞台が東京近郊の温泉だった。

仕事が終わると同僚と近場の飲み屋に行くとか、休みに東京近郊の行楽地を経験した。というか、正直言うとかなり真剣に教わった。中でも私には温泉旅行が新鮮だった。入社2年目には職場の宴会担当に指名され、ベテランの書記さんの助けを得て社員旅行を計画し草津温泉に行った。

温泉旅館に着いた夜、我々新人は先輩に連れられて色々経験した。旅館の浴衣姿でストリップ小屋に行き舞台にかぶりついた(少なくとも私は)。続いて、混浴風呂を初めて体験した。記憶では洞窟みたいな薄暗い岩風呂で、入浴中の女性と言えばお婆ちゃん二人いただけだったが。

それから50年以上経って温泉街がどうなっているか、報道で見る風景は近代化され随分変わったようだ。私が経験した草津温泉は最早ないかもしれない。今は社員旅行とか宴会の人気が無いという。だが、私は新人が色々な意味で職場の人達と交流する良い機会だ今も思う。

私が若い頃に経験した温泉は殆ど社員旅行だった。中間管理職になってからは取引先の接待で温泉に行くことが増えた。東京から近い熱海とか箱根にはよく行った。ある年の社員旅行で取引先社員も参加して熱川に行き宴会が盛り上がった時、取引先社長が伊東から芸者を呼んでくれた。

いわゆる温泉芸者が加わって宴会は一気に盛り上がり大騒ぎになった。翌朝寝不足で目をこすりながら同僚と温泉街を歩いていると、見覚えのない女性に挨拶された。同僚の一人が昨夜の芸者だと教えてくれた。着物を脱ぎお化粧を落とした芸者は全く別人の普通の人だと鮮明に覚えている。

白状すると私にとって温泉の記憶の多くは女性がらみだった。特別な女性という訳ではなく温泉芸者に代表されるような、温泉を魅力的にするプロフェッショナルな人達の記憶だ。50年以上経ってもXX温泉と聞いて頭に浮かんでくるのはそこにいた女性達だ。■
コメント
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