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職場旅行の勧め

2015-03-28 18:47:49 | 社会・経済
60年代末に私が会社勤めを始めた頃は定期的に職場内の飲み会とか旅行があった。課単位で親睦会があり書記さんが給料日になると毎月会費を徴収し、最低年1回は職場旅行と忘年会があった。入社数年の若手が幹事になって旅行や飲み会のアレンジをした。私も2,3年目に幹事をやった。

四国の田舎から出て来たばかりの私には関東近辺の観光地のホテルを選び、交通の便を調べ食事を決め概算の費用を計算し、一緒に仕事をしている取引先を含め課内に通知し意見を聞いて日程等を調整し、参加者を確認し計画を確定させ予約する。書記さんや前年度の幹事の助けを借りないと何も出来なかった。

旅先は定番の伊豆箱根とか日光や近場の温泉で大抵は現地集合だった。当日は早目に行って員数確認をし場合によってはホテルに変更をお願いしなければならなかった。30-40人の参加者がいると病気やケガなど何かが起こる。突然の不参加の場合は事前ルールを決めておき、旅行代金の一部を返却した。

田舎者の私には知らないことばかりで大変だったが、今思い出すと凄く役に立った。職場のあらゆる人と話をした。その結果、誰それはどういう性格の人か、何かと助言してくれる世話焼きの人だとか、とっつき難い人だったり、口をきいたこともなかった上司やエリート社員と話をし、憧れの都会の女性社員と初めて話をした。

観光地のホテルの相場がどんなものか、何を頼めるか、経験豊かな先輩が色々と教えてくれた。取引先の社長が参加した時は驚かされた。芸者を呼んでくれたり、悪い(?)所に連れて行ってくれたり、田舎者の私には驚くことが多かった。こういう世界があるんだと毎日電車で通うサラリーマン生活とは違う社会勉強した。

これ等の多くは職場旅行で幹事をやったおかげだ。忘年会の幹事をやった時も同じで、仕事と直接関係ないが職場の人を知り人間関係が円滑になった記憶がある。その頃は高度成長時代で毎年多くの新人が採用され、職場がうまく回るようにする実利的な効果もあった。会社の運動会で近隣の人達を招き親睦を図るのも同じ延長線上にあったのかも知れない。

80年代のバブルの時代になって旅行や宴会が派手になった気がする。あのころの会社は変だったと思う。その頃から職場旅行や宴会がつまらなくなった記憶がある。バブル破裂後は新人採用が絞られ親睦会の目的が変わっていったかもしれない。私自身も家族ができ職場旅行より家族旅行というように変化した。

今、職場内の気の合うグループだけの飲み会はあっても、いわゆる職場に関係する全員が参加する宴会や職場旅行が余り人気が無いと聞いたことがある。楽しくやろうという目的だけならその通りだろう。だが、職場旅行の幹事をやって初めて、職場には色んな人がいて一緒に仕事をしているのだと実感し、その後私の人生にとても役立ったと思う。職場旅行の幹事は貴重な体験をする機会を与えてくれた。■
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