GfKJapanが3日付で発表した2月第3週の全国有力家電量販店のパソコン販売実績によると、前年同週比販売台数が2.7%増、金額は7.5%減だった。大雑把に言うとパソコンの平均販売単価が昨年より10%安くなっていた。
1月初めパソコンの店頭販売単価が前年同週比10-20%上昇して以来、それが本物か注目して来た。だが、2月に入り平均単価が低下し始め、第3週でも単価下落傾向が続いており、もはや年初の高単価に戻る可能性は無さそうだ。
パソコン価格が毎年下がっていく長期価格低落トレンドが変わったかもしれない、だとしたら理由は何であろうかという下記の推測記事を2月半ばに書いたが、単価アップはメーカーにとって一時的な現象で「夢のまた夢」だったようだ。
http://blog.goo.ne.jp/ikedaathome/d/20080214
自動車と異なりパソコン販売は台数レベルではまだ長期低落傾向にはない。しかし、日の丸パソコンの殆どは世界市場から撤退しており、販売単価の低下により年々ビジネス規模を縮小させてきた。いまやパソコン市場動向はメインストリーム・メディアが扱うニュースではなくなった。
上記の実績報告によればノートパソコンの価格低下が進んでいるのが目立つ。ノートパソコンの販売台数は1割近く増えているのに総売上高が3%減っている。つまり店頭価格が概算で12%強下落していることになる。
下落の理由は業界で話題の5万円を切るパソコン「Eee PC」が市場に投入され、単価が下がった為かもしれない。私は現物を見たことがないのだが、ネットで見るEee PCの評判は思ったより悪くない。この価格でウィンドウが動けば十分と評価するユーザもかなりいるようだ。
仮に今評判がそれ程でなくとも、この後途上国等で受け入れられて全世界での販売台数が大きなシェアを占めるようになると、数世代を経て1-2年内に製品の完成度が高まり所謂「ローエンド破壊」が起こる可能性は十分ある。
今はまだ取り扱い販売店は限られている。販売店はマージンが少ない商品を売りたくないだろうが、いつか背に腹は代えられなくなる日が来る。メーカーはメーカーで稼ぎ頭のノートパソコンの利益率の悪化に対しどういう対策を打つか頭を悩ましていると思われる。■