かぶれの世界(新)

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滋賀県からのメッセージ

2006-07-06 15:47:49 | 国際・政治

北朝鮮のテポドン騒ぎですっかり影が薄くなったが、先に行われた滋賀県知事選で示された民意を私は注目している。絶対優勢と思われた自公民推薦の現職候補を破り無名の大学教授の嘉田由紀子氏が当選した。

嘉田氏は新幹線新駅の建設凍結を主張し県民の支持を得た。県債(県の借金)が9000億円もあるのに更に240億円もかけて駅を作るのは「もったいない」という争点を絞った戦いが功を奏したと分析されている。県民は至極常識的な判断をしたと私は考える。

今回自公民推薦の相乗り候補に勝ったということは、千葉県補選で勢いに乗った民主党という名前だけでは得票に繋がらなかったということを意味する。新駅建設という「シングルイシュー」で戦ったと非難する古老政治家は民意を勘違いしている。

小泉改革の歪で生じた格差を指摘する人達の中に、かつての既得権益のプレイヤーが多々見られる。参院選に勝つ為に先の衆院選で自民党を離党した人達を取り込もうとする動きもある。結果的に滋賀県のメッセージはこの動きにショックを与えることになった。

現在の公共事業は殆どが国や自治体の借金を増やし、子孫の借金を残しゼネコン救済する構図になってしまった。滋賀県からのメッセージは借金してまで無駄な公共事業はやるな、背景にある団体支援では地方といえども選挙に勝てないという強烈なものであった。

私は大阪の人達が選んだ市長・市議が財政を滅茶苦茶にしたのだから、尻拭いは大阪市民がすべきと言った。しかし、滋賀県の人達は手遅れかもしれないがこれ以上借金して投資効果が疑わしい箱物を作らないという判断をしてお手本を示したと考える。

チョット便利になるからといって大金を使うのはばかげているという常識がやっと働いた。かつては「たかりの構造」が徹底しており住民は便利なものは先生に頼めば只で手に入ると思っていたのに、今は一部とはいえ自己責任を問われその意識が高まってきた。

自己責任がより求められるようになった地方自治体において、適切な代表者を選ぶ市民の責任も大きくなった。632億円の負債を抱え財政再建団体入りを決めた北海道夕張市が、先月前年同期を上回る平均75万5000円のボーナスを職員に支給したのをご存知だろうか。酷い話だ。

地方格差解消とか何とか言ってこんなところに国税を使って支援するのは納得できない。申し訳ないけど夕張市民が選んだ代表が犯したミスの付けを自分で払って頂き、再生の努力をして頂きたい。

滋賀県だけでなく全体として多くの地方自治体やその住民の意識の変化は肌で感じる。小泉改革が自治体の住民の意識に徐々に浸透してきたようだ。地方のボスがリードする公共事業が住民を幸福にしないことが分かってきたのだ。

滋賀県が示した自己責任と判断は今後予定されている選挙に対して明確な指針になると予想する。これはむしろ小沢民主党に対するメッセージと捉えるべきかもしれない。■

コメント
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