暑かった…。
“生命の危険” さえあった暑い夏もようやく終わった。
しかし、この夏、暑さを忘れさせてくれる
清涼剤のようなドラマ、あったっけ?
そんな 2018年7月クールのドラマを総括する。
9月9日放送分までの
平均視聴率[関東地区・ビデオリサーチ社調べ]上位から
7月クールドラマについてコメントする
【( )内数字は平均視聴率】。
日本テレビ『サバイバル・ウェディング』より
①TBS 火10 『義母と娘のブルース』 (13.13%)
綾瀬はるか演じるバリバリのキャリアウーマン・岩木亜希子が、子持ち男性と結婚し8歳の娘の将来を託される。大企業のキャリアウーマンは、実は常識の欠落した機械のような女性で子供に対しても敬語を使いビジネス用語を連発する。ドラマ前半はそのあたりが極端過ぎて、まるで昨年10月クールの『奥様は、取り扱い注意』の元工作員を彷彿とさせた。恐らく前半と後半のキャラ変化を強調したかったのであろうが、ちとやり過ぎのようにも思えた。もう少し“血の通った”義母と娘の絆を見たかった気がする。
②テレ朝水9 『刑事7人(4)』 (11.63%)
『刑事資料係』に飛ばされた東山紀之演じる天樹悠を中心に、保管された“犯罪ビッグデータ”をもとに過去の未解決事件を解明していく。タイトルは“刑事7人”だが、もはや人数は関係ない状態となっている。過去のデータから事件を掘り起こしていくのだが、何十年も前のできごとに関わった人物を特定し見つけ出すのはまだしも、たどりついた人たちの記憶力のすごいこと。中には当時幼稚園児だったにもかかわらず、詳細な証言が得られたケースも。着眼点は悪くないと思うのだが、非現実的で無理やり感が目立った。
③フジ木10 『グッド・ドクター』 (11.09%)
韓国ドラマ『グッド・ドクター』のリメイク。自閉症を持ちながら天才的暗記力を持つ主人公の小児外科医・新堂湊を山崎賢人が演じたのだが、前半はまるで中居正広が演じた“ATARU”だった。『ボクはくるしんでいるこどもをたすけたいです』。話が進むごとに湊が成長していったのか、見慣れたのか、それほど気にはならなくはなったが…。自閉症に対する偏見を前面に出す藤木直人や板尾創路の演技は相変わらずだが、湊を理解する上野樹里の演技はドラマを良質なものとした。それにしても、経験を積んだベテランの外科医よりも、ペーペーの研修医の方が豊富な知識を持っているとは!指導医の人たちにプライドはないのだろうか?医師を辞めたくなりそうだ。
④フジ月9 『絶対零度~未然犯罪潜入捜査』 (10.56%)
犯罪を未然に防ぐことを目的に、膨大なデータから未来の犯罪を予測して捜査するチームの姿が描かれた。だが、このドラマ、なぜこれまで2シーズンに渡って上戸彩が主演を務め放映されてきた『絶対零度』シリーズなのか?沢村一樹主演では不安なので、上戸を餌にした?最後にちょこっと上戸も登場するようだが、ずいぶん失礼な話である。全く別ドラマで良かったのでは?本田翼のアクションなど多少見どころはあったが、シリアスなドラマで貫けばよかったものを、ところどころ中途半端にコメディ要素が入っていて違和感あり。AIが犯罪を起こしそうな人物を特定するというのは理解できるが、そこに至る根拠がこのチームには全然理解されていないという点が不可解。それゆえにドラマとして成立するというのはあるのだが…そもそもドラマの設定自体に無理がある。
⑤テレ朝木9 『ハゲタカ』 (10.41%)
外資vs日本企業の買収合戦を描く経済ドラマ。綾野剛演じる投資家・鷲津政彦、眼光だけは鋭いのだが、切れ者のカリスマ策士というイメージからはほど遠かった。年月を経ても、1mm も年取ってないし…(えっ?あれから9年も経ってんの?てな感じ)。綾野はフランケンの方が似合ってると思う。ドラマの雰囲気だけは『半沢直樹』風なのだが中味が伴っていなかった。こういった感じの経済ドラマ、テレ朝は苦手だな。
⑥TBS 日9 『この世界の片隅に』 (9.75%)
大ヒットを記録したアニメ映画に続く原作漫画の実写ドラマ化で、戦時下の苦難に負けず前を向いて生きる夫婦の姿が描かれた。主役の松本穂香は、鼻の穴は目立ったが、天然キャラの主人公・すずを好演した。広島弁も全体的に特に違和感なかった(松坂桃李が一番下手くそ)が、不発弾で死亡した黒村晴美役の子役・稲垣来泉の広島弁が最も自然だったというオチ。このところプライムタイムでは古い時代を扱うドラマがなかったが、このようなドラマが各クール一本あってもいいのかもしれない。
⑦日テレ水10 『高嶺の花』 (9.28%)
華道家元の令嬢とさびれた自転車屋を営む平凡男が織りなす美女と野獣の超・格差恋愛劇。絶望的な格差に幾多の試練が訪れる。いくら超格差恋とはいえ、恋愛ドラマであるからには凡夫にも最低許容ラインがあるだろう。また名門華道の家の後継候補となっているお嬢様であるはずの石原さとみが、むしろ、なりすましたキャバクラ嬢の方がしっくりくるという、想定外の設定。お互いがなぜ惹かれ合うようになっていったのかが全く共感できず途中でリタイア。
⑧日テレ土10 『サバイバル・ウェディング』 (9.03%)
波瑠演じる30歳を迎えたアラサー女子がマーケティングを活用した戦略的婚活に挑む恋愛コメディ。伊勢谷友介演じる上司の編集長が毎回取り上げる有名ブランドのマーケティング理論は興味深いが、実際の主人公の婚活戦略との整合性には若干無理がある。ま、その辺りあまり深く考えず単純に見ればそこそこ楽しめた。個人的には波瑠には中性的魅力しか感じないのだが…。
⑨TBS金10 『チア☆ダン』 (7.06%)
高校のチアダンスで『全米制覇』を、という夢を持っていた主人公・藤谷わかば(土谷太鳳)が、一度は挫折したものの、くすぶっていた思いに火を点け見果てぬ夢を追いかけて挑戦する姿が描かれた。『まれ』の能登弁を思い出させる福井弁の土谷太鳳の頑張りは評価できた。ただストーリーはベタで目新しさに欠けたためか視聴率は低迷。もう一工夫ほしかった。
⑩日テレ 日10:30 『ゼロ~一攫千金ゲーム』 (6.60%)
賞金1000億円を賭けて知力・体力・時の運を試される一攫千金サバイバルゲームに挑む天才勝負師・宇海零の物語。主演の加藤シゲアキの力量乏しいためか主人公が天才勝負師とはほど遠いイメージでドラマとしては物足りなかった。そして、色々あったにもかかわらず、NEWS の面々は何事もなかったように登場。馴れ合いか?結局、NEWSのファンと、ゲーム感覚を楽しむ視聴者のためだけの暇つぶしドラマ。
⑪フジ(関西テレビ)火9 『健康で文化的な最低限度の生活』 (5.71%)
吉岡里帆演じる新人ケースワーカー・義経えみるの目を通して生活保護の実態に切り込む社会派ドラマ。『生活保護受給者』を支援する部署に配属された彼女は生活保護現場の壮絶な現実に直面し戸惑うが、担当する様々な受給者に向き合い、寄り添い、それぞれの自立の道筋を見つけ出そうとする。吉岡の奮闘ぶりは評価できるし社会派ドラマと威勢は良かったが、取り扱う問題が微妙なため鋭い切り込みかなわず、当たり障りのないところでお茶を濁さざるを得なかったのだろう。おそらく現実とはかけ離れたきれいごとドラマとなってしまった。取り上げたテーマが悪かった、仕方ない。
⑫テレ朝金 11:15(金曜ナイトドラマ) 『dele(ディーリー)』 (4.54%)
故人のパソコンなどに残されたデジタル遺品を抹消する男たちが、依頼人の人生や隠された真相などを紐解いていく人間ドラマ。それぞれ個性の強い山田孝之と菅田将暉の共演だったが、二人のやりとりはなかなか見応えがあった。レイトドラマのため視聴率は低迷したが、このようなドラマこそプライムタイムに持ってきてほしいと思うのである。
好調だったテレ朝だが、『ハゲタカ』は伸び悩んだ。
日テレ『高嶺の花』も全くの期待外れ…。
このクール、意外にも TBSとフジの健闘が光った。
それでは以下、2018年10月からの新ドラマをチェックする。
フジ月9 10/8 ~ 『SUITS/スーツ』 織田裕二、中島裕翔(Hey!Say!JUMP)、鈴木保奈美、中村アン、新木優子、今田美桜、磯村勇斗、小手伸也、他
今年5月にイギリス王室のヘンリー王子と結婚したメーガン・マークルがレイチェル・ゼイン役で出演していた人気の米国ドラマ『SUITS』の日本版リメイク。 “敏腕ながら傲慢なエリート弁護士”と、“その日暮らしの天才フリーター青年”という、相いれることのない凸凹な二人がタッグを組み、数々の難解な訴訟をあらゆる手段で解決していく物語。原作の『SUITS』は、アーロン・コーシュが企画し、『USAネットワーク』のために『ユニバーサル・ケーブル・プロダクションズ』が制作、ニューヨークの大手弁護士事務所を舞台に、敏腕弁護士・ハーヴィー・スペクター(ガブリエル・マクト)と 、彼の才能あふれるチームの面々がさまざまな訴訟に挑む弁護士ドラマ。現在シーズン8が放送中の同シリーズは2011年6月より全米で放送が始まっている。『SUITS/スーツ』の原作は、この『SUITS』のシーズン1。ハーヴィー・スペクターと彼の若きアソシエイトのマイク・ロスの出会いから、ふたりが手強いチームとなり、さまざまな訴訟を解決するまでの活躍ぶりが描かれる。織田裕二演じる本ドラマの主人公・甲斐正午は、日本の四大弁護士事務所のひとつ、『幸村・上杉法律事務所』に所属する敏腕弁護士。自他共に認める優秀な人物で頭も切れるが、かなり傲慢な性格で、勝利のためなら違法行為ギリギリの際どい手段を用いることも厭わない。所属する『幸村・上杉法律事務所』ではトップクラスの稼ぎ頭で、シニアパートナー(出資者としての地位を持ち、事務所経営にも参画する弁護士)への昇格に手が届く位置にいた。しかし極端に勝利至上主義で、勝つためには手段を選ばない甲斐を心配した上司は、昇進の条件としてアソシエイト(パートナーとして働く若年の弁護士)を雇うことを提示する。気乗りしないものの、その条件を受け入れた甲斐は、新人採用の面接会を開くことに。そこに偶然やってきたのが、明晰な頭脳と、一度見たものは決して忘れないという驚異的に完璧な記憶能力を持ちながらも、悪友の影響でその日暮らしのフリーター生活を送り、さまざまな業種の替え玉受験で生活費を稼いでいた鈴木大貴(中島裕翔)だった。大金が必要となり危険な仕事に手を出してしまい人生最大のピンチを迎えていた大貴は甲斐と出会いタッグを組むこととなる。鈴木保奈美と27年ぶりの共演ということで話題になっているが、番組HPでは鈴木の起用も軽い扱いとなっており役柄も不明。大丈夫か?それにしても月9もついにリメイクドラマとは、トホホ…。
フジ(関西テレビ)火9 10/9 ~ 『僕らは奇跡でできている』 高橋一生、榮倉奈々、要潤、児嶋一哉、西畑大吾(関西ジャニーズJr.)、矢作穂香、北香那、広田亮平、田中冺、阿南健治、戸田恵子、小林薫、他
変人大学講師が世の常識、価値観を問うてゆくヒューマンドラマ。橋部敦子(『フリーター、家を買う。』『フラジャイル』など)によるオリジナル脚本。高橋一生が民放プライムタイムドラマ初主演となる。高橋が演じる主人公は、“動物行動学”が専門で生き物の不思議に目がない変わり者の大学講師・相河一輝、35歳。興味のあることや好きなことには集中力が高く、気になることは徹底的に調べたり研究したりする一方、不得意なものは先送りにする癖があり、時間やルールを守ることができない男。また、自分の関心のない話には耳を貸さず、空気を読むことができないため悪気なく失言してしまったりすることも少なくない。そのため迷惑をこうむった周囲の人たちから、“変わり者”として距離を置かれてきた。しかし、偏見や先入観、固定観念にとらわれることなく、自分の興味や好奇心に素直に従い“毎日を心豊か”に過ごす一輝の姿勢に、次第に周囲の人々も影響を受け価値観が揺さぶられていくという展開。“普通”“常識”“当たり前”がどこまで正しいのか?が問われる。一輝が通う歯科クリニックの院長・水本育実役に榮倉奈々、一輝のことを快く思っていない同じ研究室の准教授・樫野木聡役に要潤、一輝の家に住み込みで働く家政婦・山田妙子役に戸田恵子、一輝の一番の理解者である祖父・相河義高役に田中冺、一輝の研究室の教授・鮫島瞬役に小林薫などが配役されている。一生ファンには楽しみなドラマとなりそうだが、個人的には???…って、それが偏見だって?
TBS 火10 10/9 ~ 『中学聖日記』 有村架純、岡田健史、町田啓太、夏川結衣、吉田羊、マキタスポーツ、夏木マリ、友近、他
新米女性教師が、年上の婚約者がいる身でありながら、年下の教え子である不思議な魅力を持つ10歳年下の男子中学生に心奪われていく儚くも美しい純愛ドラマ。原作は、『FEEL YOUNG』(祥伝社)で連載中の漫画、かわかみじゅんこの『中学聖日記』。長年の夢を叶え、中学校の国語教師になった主人公・末永聖(有村架純)は、片田舎の赴任先の中学校で不思議な魅力をもった中学3年生の黒岩晶(岡田健史)と出会う。晶は一目で聖に恋に落ち、まっすぐな恋心をぶつける。しかし聖には、大学時代からの恋人で、エリート企業に勤めている遠距離恋愛中の婚約者・川合勝太郎(町田啓太)がいた。そんな聖だったが、自分への恋心をまっすぐぶつけてくる教え子の晶にやがて惹かれていく。しかし聖と晶の前には様々な障壁が立ちはだかる。婚約者の勝太郎はバリバリのエリート商社マンで完璧な彼の存在は時として聖の重荷となっていた。また勝太郎には、アプローチしてくる会社の先輩原口律(吉田羊)の存在があった。彼女は帰国子女でバイセクシャルだった。そして、女手一つで息子を育ててきた晶の母親・黒岩愛子(夏川結衣)は担任教師に本気で恋をしてしまった息子を案じ、その姿に危機感を抱くシングルマザー。その他、聖が勤める子星中学校で新米教師の聖を厳しい目で指導する教頭・塩谷三千代(通称:塩バァ)役に夏木マリ、聖の教育実習先の指導担当だったことから聖のよき相談相手になってくれる小学校教師・丹羽千鶴役に友近、晶の母親・愛子が営むアジア雑貨輸入販売会社の部下で公私共に信頼をおく上布茂役にマキタスポーツ、らがキャスティングされている。まるで 1993年の『高校教師』の男女入れ替わりバージョン。純愛ドラマとはいいながら、完全な“禁断の恋”。『中学聖日記』ならぬ『中学性日記』にならなきゃいいけど…。視聴者が主人公に共感することができるのだろうか、不安。
テレ朝水9 10/17 ~ 『相棒(17)』 水谷豊、反町隆史、浅利陽介、川原和久、山中崇史、鈴木杏樹、山西惇、石坂浩二、杉本哲太、他
始まって18年となる長寿ドラマ。水谷・反町コンビとなって4シーズン目。今回は特命係の3人目として、前シーズンの最終回で『週刊フォトス』の記者・風間楓子(芦名星)をエスカレーターから突き落とすという事件を起こしたサイバーセキュリティ対策本部の特別捜査官だった青木年男(浅利陽介)が制裁人事として加わる。捜査一課の刑事、伊丹憲一(川原和久)と芹沢慶二(山中崇史)、組織犯罪対策五課の角田六郎課長(山西惇)、小料理屋『花の里』女将・月本幸子(鈴木杏樹)ら、これまでのレギュラーメンバーは引き続き登場。そのほか、権力復活を虎視眈々と狙う警察庁長官官房付の甲斐峯秋(石坂浩二)、それを阻止すべく牽制してきた警視庁副総監の衣笠藤治(杉本哲太)ら上層部の面々も水面下で駆け引きを繰り広げる。マンネリ化しそうなのだが、恐らくこのシーズンも手堅く視聴率を獲りそうである。
日テレ水10 10/10 ~ 『獣になれない私たち』 新垣結衣、松田龍平、田中圭、他
『逃げ恥』『アンナチュラル』の脚本家・野木亜紀子が手がけるオリジナルドラマ。仕事も恋も世渡り上手を演じ続ける男女2人の恋愛劇。常に笑顔で仕事は完璧な女と、人当たりが良い会計士の男が傷つきながら自分らしく生きていく。新垣結衣演じる主人公・深海晶(30歳)は、『常に笑顔』で『仕事は完璧』な、誰からも好かれ愛されている女性。しかしそれは彼女の身を削るような努力で成り立っていたのだが、そのことに気付いている者はいなかった。仕事でも恋でもプライベートでも、みんなに気を遣って我慢を続けてきた。そのため、次から次へと仕事を任され、さらにこき使われる。恋愛では、彼氏は彼女の優しさに甘え続け、気づけば理想の女を演じていた。一方、松田龍平演じる根元恒星(33歳)は『世渡り上手』で『人当たりがよく』女にモテる敏腕会計士。しかし実際は、調子よく振舞っているだけで、すべてを冷めた目で見ていたのだが、やはりそのことを知る者はいなかった。誰のことも信用せず、無防備に人を愛することもできずにいた。順調だった仕事も思いがけずヤバい案件に片足を突っ込み限界寸前となりやけくそ状態。そんな『心に堅い鎧を着込んだオンナとオトコ』が仕事終わりのクラフトビールバーで偶然出会う。赤の他人だからこそ2人が本音でぶつかり合い、傷つきながらも自分らしく踏み出そうとする。本能のまま『野獣』のように自由に生きることのできないそんな女と男のラブコメディ。『逃げ恥』なテイストに今回は日テレが挑戦のようだが、二匹目のドジョウとなれるだろうか?
テレ朝木9 10/11 ~ 『リーガルV』 米倉涼子、林遣都、菜々緒、髙橋英樹、安達祐実、三浦翔平、向井理、菜々緒、他
てっきりこの枠は『ドクターX (6)』と思っていたら、米倉涼子主演の法廷ドラマだった。米倉演じる主人公は弁護士資格を剥奪され大手弁護士事務所をクビになった訳あり元弁護士、個人事務所でペーパー弁護士を使って法廷に挑む。林遣都が若手弁護士、菜々緒がライバル役を演じる。主人公の元弁護士・小鳥遊翔子(たかなししょうこ)は、とにかく自由奔放、資格を剥奪される前は『上司を殴った』『暴力団とつるんで恐喝』などと、ドス黒い噂がまことしやかにささやかれていた。弁護士資格を剥奪された翔子は、ペーパー弁護士の大学教授に法律事務所を開かせ、もっともらしい嘘八百を並べ、ワケありの弁護士やパラリーガルをスカウトする。悪魔のような傍若無人ぶりで彼らをこき使い、どんなに不利な訴訟でも勝利(V = victory)に導こうとする。そんな翔子らの前に立ちはだかるのが、民事訴訟を中心に、超エリート弁護士らをつぎ込んでくる大手法律事務所。果たして翔子らは勝利できるのか?物語の進行とともに、翔子が弁護士資格を剥奪された理由も明らかとなる。法廷を舞台に繰り広げられる人間ドラマのようだが、果たして米倉の新たなシリーズとなり得るか?
フジ木10 10/11 ~ 『黄昏流星群』 佐々木蔵之介、黒木瞳、中山美穂、藤井流星(ジャニ―スWEST)、石川恋、礼二(中川家)、八木亜希子、小野武彦、他
アラフィフ男女が織りなすヒューマン・ラブストーリー。原作は1995年から連載されている弘兼憲史の長編漫画『黄昏流星群』。ドラマでは第1集『不惑の星』を映像化。人生の折り返し地点を通り過ぎ黄昏期を迎えた男と女が図らずも落ちてしまったあらがえない運命の恋、その恋を取り巻く大人たちの人間ドラマが描かれる。主人公のエリート銀行員・瀧沢完治(佐々木蔵之介)は入行以来仕事一筋、金融再編などの荒波の中、努力を積み上げ支店長まで上り詰めた。恋愛結婚で結ばれた専業主婦の真璃子(中山美穂)とは最近は会話が減り、年頃の娘とも距離ができていたが、平和な家庭生活と仕事の毎日を受け入れていた。そんなある日、完治は理不尽な理由で取引先への出向を突然命じられてしまう。予期せぬ左遷宣告にショックを隠しきれず、どん底に突き落とされ、自分の人生を見失いかけていた完治だったが、ふと一枚の雪山のポスターを目にしたことから家族には出張と偽り単身でスイスへ向かう。アルプスで吹雪の中マッターホルンを目指し乗り込んだゴンドラで一人の日本人女性・目黒栞(黒木瞳)と出会う。独身の彼女もまた単身旅行中で、二人は意気投合する。一方、真璃子は夫の浮気を疑うが思いを口にできずにいた。そんな真璃子もまた娘の婚約者の男性と禁断の恋に落ちてしまう。胸の奥にぐっと抑えたアラフィフ三人の“恋”がドラマチックに動き始める。まだ不倫に寛容な一面もあった90年代の通念が2010年代の今でも視聴者に受け止められるか否かが視聴率の鍵となりそう。
TBS金10 10/12 ~ 『大恋愛~僕を忘れる君と』 戸田恵梨香、ムロツヨシ、松岡昌宏、草刈民代、富澤たけし(サンドウィッチマン)、杉野遥亮、黒川智花、夏樹陽子、他
大石静によるオリジナル脚本ドラマ。若年性アルツハイマーに侵されつつある女医と、彼女を支える売れない元小説家の男性との10年にわたる純愛ストーリー。戸田恵梨香演じる主人公・北澤尚は母親が院長を務める“KITA レディースクリニック”の医師として忙しく働く34歳。将来有望な年上の医師・伊原侑市(松岡昌宏)との婚約も決まり順風満帆だった。結婚式まであと1ヶ月と迫り、新居への引っ越しの日、引っ越し屋のアルバイトをする元小説家の無愛想な男・間宮真司(ムロツヨシ)と出会う。間宮が過去に書いた小説を大好きだった尚は、どことなく惹かれた彼にアタックしやがて二人は恋に落ちる。しかしそんな二人の愛を阻むように、尚が若年性アルツハイマー病を発症する。それでも間宮はピンチを笑いに変えて、明るく尚を支え続けようとするとともに、忘れていた小説への思いが呼び起こされていく。そして尚と生きる日々を綴り始めるのだった…。尚を賢明に守ろうとする尚の母・北澤薫役に草刈民代、真司と尚の恋を陰ながら応援する真司の先輩・木村明男に富澤たけし、らが配役されている。ムロツヨシのけなげな姿が救いとなるのかもしれないが、徐々に記憶が人格が失われていくという重いストーリーは金曜夜に見たくない?
テレ朝金 11:15(金曜ナイトドラマ) 10/12 ~ 『僕とシッポと神楽坂』 相葉雅紀(嵐)、広末涼子、大倉孝二、村上淳、矢柴俊博、かとうかず子、趣里、小瀧望(ジャニーズWEST)、イッセー尾形、他
動物病院を舞台にしたヒューマンドラマ。若き獣医師の下に集う動物と人とが織りなすハートフル・ストーリー。原作は集英社クリエイティブ『月刊 office YOU』で2012年から連載中の、たらさわみちの漫画『僕とシッポと神楽坂』。相葉雅紀演じる主人公・高円寺達也は東京・神楽坂にある『坂の上動物病院』の獣医師。勤めていた動物病院を辞めて実家に戻り、徳丸善次郎(イッセー尾形)という獣医師のもとで働こうとしていたところ、突然徳丸は達也に病院を任せ姿を消す。最初は戸惑っていた達也だったが、ペットの命を救うため獣医として全力を傾けていく姿に、徐々に神楽坂の人たちとの交流を深め、『コオ先生』と呼ばれ、頼りにされるようになる。『坂の上動物病院』で動物看護師として働く加瀬トキワ役を広末涼子が演じる。彼女は最新鋭の設備を備えた『ナルタウン動物病院』に勤めていたが、ある秘密を抱えており『坂の上動物病院』で働くことになる。まさかの相葉との恋愛関係に進展することはないと思うのだが…可愛らしいイヌやネコも登場するとのことで嵐ファンならずとも動物好きな視聴者には楽しめそうなドラマ。一方、そんなのどうでもいい人たちにはどうでもいいドラマかも。
日テレ土10 10/13 ~ 『ドロ刑~警視庁捜査三課~』 中島健人(Sexy Zone)、遠藤憲一、他
新米刑事と熟年大泥棒がバディを組む異色の刑事ドラマ。大泥棒ならではの知識を活用して難事件を解決していく。原作は福田秀の漫画『ドロ刑』。中島健人が演じる主人公は、身近な犯罪、窃盗の捜査をする警視庁捜査三課に配属された新米刑事の斑目勉(まだらめつとむ)。警察組織の論理や現実に失望し、すっかりやる気をなくしていた。そんなとき斑目は、遠藤憲一演じる大泥棒の煙鴉(けむりがらす)と出会う。斑目は伝説の大泥棒としての豊富な知識を持つ煙鴉から的確なアドバイスを受け、力を合わせ、時に反目しながら事件を解決、刑事として人間として大きく成長していく。一人前の刑事となった斑目は、いずれ煙鴉を捕まえることになるのか?そして煙鴉の真の狙いは何か?そんな謎を残しながらドラマは展開される。遠憲ファンには楽しみなドラマ。
NHK日8 放映中 大河ドラマ『西郷どん』 鈴木亮平、瑛太、黒木華、北川景子、錦戸亮、二階堂ふみ、他
鈴木亮平の西郷どんにも慣れてきて怒涛の幕末・明治維新が盛り上がりを見せているが視聴率は今一つ伸び悩む。時代の緊張が高まる中、ところどころ演技力に劣る人物がキャスティングされていて雰囲気を壊しているのが気になる。やはり大河ドラマであるからには、それなりに一定の演技レベルが求められよう。何はともあれ、最後まで頑張って見続ける所存である。
TBS 日9 10/14 ~ 『下町ロケット(2期)』 阿部寛、土屋太鳳、竹内涼真、朝倉あき、真矢ミキ、木下ほうか、恵俊彰、池畑慎之介、倍賞美津子、立川談春、安田顕、和田聰宏、今野浩喜、中本賢、谷田歩、他
2015年10月クールで放映された『下町ロケット』の3年ぶりとなる続編。原作ではシリーズ第3弾となる『下町ロケット ゴースト』(小学館刊)を映像化。元宇宙科学開発機構の研究員で、ロケットの打ち上げ失敗の責任をとって辞職し、現在は父親が遺した下町の工場・佃製作所の経営者として第二の人生を送っている佃航平(阿部寛)。一度はあきらめかけた佃の夢であったロケット製造を、自社が開発したバルブシステムを使用し、日本を代表する大企業・帝国重工の純国産ロケット開発計画『スターダスト計画』により実現、順調に業績を伸ばしてきた。しかしある日、帝国重工の社長交代により、スターダスト計画は次回で終わるかもしれないと帝国重工から告げられ、佃はショックを受ける。さらに大口取引先の農機具メーカーから小型エンジンの取引削減を告げられる。性能よりもコスト重視という考えに、技術力が売りの佃製作所は存在意義が揺らぎ始め、佃は強い危機感を抱く。そんな中、佃製作所の経理部長・殿村(立川談春)の農業を営む実家の父親が倒れる。父親の看病と畑仕事の手伝いに週末ごとに帰省する殿村を見舞う佃と山崎(安田顕)。トラクターを運転する殿村をじっと見ていた佃はあるヒントを得る。宇宙から大地へと新たな一歩を踏み出そうとする。もう『下町ロケット』やら『陸王』やら『ルーズヴェルト・ゲーム』やら『半沢直樹』やら、どれがどれやら分からなくなってしまいそうである。
日テレ 日10:30 10/14 ~ 『今日から俺は!!』 賀来賢人、伊藤健太郎、清野菜名、橋本環奈、ムロツヨシ、佐藤二朗、太賀、矢本悠馬、若月佑美(乃木坂46)、柾木玲弥、鈴木伸之、磯村勇斗、じろう(シソンヌ)、長谷川忍(シソンヌ)、猪塚健太、愛原実花、瀬奈じゅん、吉田鋼太郎、他
1988年から1997年まで、増刊少年サンデーおよび少年サンデーで連載された西森博之による同題のヤンキー・コメディ漫画を実写化。福田雄一監督が脚本&演出を担当。時代は“ツッパリ”という言葉が全盛期の1980年代初頭。舞台は千葉。不良高校である私立軟葉高校とその周辺地域を舞台に、三橋貴志(賀来賢人)と伊藤真司(伊藤健太郎)が様々な敵と戦ったり珍事に巻き込まれたりするバトル&ギャグコメディ。主人公の三橋は、高校1年の時の転校をきっかけに金髪頭で『ツッパリとして生きる』と決意する。“どんなことをしても勝つ!”ことが信条の三橋と、男気あふれるツンツン頭の伊藤の最高コンビの活躍が描かれる。三橋の父親・一郎役に吉田鋼太郎、オリジナルキャラクターの椋木先生役にムロツヨシ、ヒロイン・赤坂理子(清野菜名)の父親役に佐藤二朗など、福田監督お気に入りの面々が登場する。完全に時代遅れな内容(20年遅れ)と思われるのだが、一体誰が視る?
海外ドラマのリメイク、続編ドラマ、
そして、かなり昔の原作のドラマ化…
うーん、そんなにネタに困ってる?
派手さはなくとも渋い作品を秋ドラマには期待するのだが…。
あゝ昔は良かった、
なんて言ってはいけないんでしょうねぇ。