カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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四国の一部で激しい雨 

2007-09-30 09:36:14 | インポート

①9月30日6時の天気図 気象庁HPより引用

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②9月30日6時の日本付近レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用

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一昨日28日夜から、本州南岸には前線が停滞し、関東地方や東海地方を中心に、ぐずついた空模様となっていますが、30日早朝から、四国西部沖で雨雲が帯状になって非常に発達し、そのい雨雲の一部が高知県西部にかかり始めました。

このため、高知県西部では、1時間に50㎜以上と推定される激しい雨が降っている箇所があり、30日8時現在、高知県幡多には、大雨・洪水警報が出されています。

引用図①②より、紀伊半島沖から四国西部にかけて、前線が南東から北西に走っており、この前線付近と、前線の北東側の紀伊半島沖に非常に強い雨雲の区域があります。

これは、引用図にはありませんが、

1・本州付近上空に、西から気圧の谷が接近しており、前線の南側からは、暖湿流が流れ込んでいます。

そして

2・東海地方から紀伊半島、四国沿岸にかけて、おおむね東より風となっており、紀伊半島沖から四国付近で前線の活動がきわめて活発になっていることがわかります。

さらに

3・高知県西部では、地形的に見て、東側に開いた山の斜面となっており、前線の北側の東より風と南側の南東風とが、斜面にぶつかって上昇気流を一層強めた。

以上、1~3が、今回の大雨の原因と思われます。

今後、強い雨雲がある四国沖から紀伊半島沖の前線上には低気圧が発生し、この低気圧は前線上を東進する見込みです。これに伴って、強い雨の区域は東へと移動しそうですね。

四国西部と同様な地形的特性を持つ紀伊半島南東部は、30日日中一杯にかけて大雨に注意!、さらに、東海地方や関東南岸の一部、伊豆諸島でも、30日夕方から雨脚が強まる箇所もありそうです。


寒冷前線が本州を南下中 前線付近で大雨 関東以西は暖気入り静岡では猛暑日か?

2007-09-28 13:00:17 | インポート

①9月28日9時の天気図 日本気象予報士会HPより引用

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②9月28日9時の日本付近レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用

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28日は、寒冷前線が北日本から本州上を南下中です。

本ブログで、何度か紹介しましたように、夏季(といっても、今、夏季といえますかね?まあ、太平洋高気圧の勢力下に、関東以西は入っていますので、夏季といえそうですね。)前線が北から南下する場合、当該前線付近では、強い雨や雷が発生しやすい と書きました。

今回も同様で、引用図②より、寒冷前線周辺では、雷を伴なった強い雨が降っており、28日11時現在、新潟県や石川県の一部には、大雨警報や洪水警報が発表されています。

一方、寒冷前線の南側には、真夏並みの暖気が入り込み、関東以西の各地では軒並み、気温が30℃を超えています。特に静岡県静岡市周辺で気温が上昇し、静岡では28日12時に、33・9℃の気温を観測しています。猛暑日を観測しそうな勢いですね。(※この、静岡の高温については、本ブログ 本年4月1日の記事を参照ください。高温のメカニズムを紹介していますが、このメカニズムと今回の高温はまったく同じですね。)

さて、この寒冷前線は、28日の夜にはどうなるでしょうか?

③9月28日21時の予想天気図 気象庁HPより引用

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寒冷前線はさらに本州上を南下して、28日21時には、引用図③より、本州南岸に達する予想です。

引用図にはありませんが、この寒冷前線の北側には、冷たい空気がどっと流れ込んできています。

これから寒冷前線が通過する地域(特に、北陸や甲信、東海地方や、関東北部」など)では、雷を伴なった強い雨に注意が必要です。中でも、甲信や東海地方周辺では、中部山岳の地形的特性で、当該寒冷前線通過時から局地的に低気圧(通常の天気図には、うまく表現されないかもしれませんが)が発生することが考えられますので、とりわけ、雨量が多くなる恐れがあります。

関東地方では、前線通過直後から、東海上からの湿った気流(北東気流)が入り込み、ぐっと気温が降下するでしょうね。風邪など引かないように!


大阪で観測史上再遅猛暑日35・1℃

2007-09-22 23:58:01 | インポート

①9月22日15時の天気図 気象庁HPより引用

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②9月22日15時の日本付近雲画像図(赤外) 気象庁HPより引用

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22日も関東以西の各地では、太平洋高気圧に覆われて暑い1日となりました。

特に、大阪では、最高気温が35・1℃と 猛暑日となり、統計が残っている1961年以来もっとも遅い時期に観測された猛暑日ということになります。

他、最高気温が前橋で34・1℃、東京でも32・2℃を観測しました。しかし、もう彼岸の中日なのにね。今年は。

ただ、引用図②より、前線がゆっくりと北日本を南下しています。この前線の北側に入った北海道では涼しい空気に覆われて、21日に最高気温が30℃以上の真夏日を観測した札幌では、22日の最高気温は22・9℃と、すごしやすい1日となりました。

③9月23日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

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引用図③より、22日に東北地方にかかっている前線は更に南下し、23日には関東のすぐ東まで達する見込みです。関東以西の各地には前線はかかっていないように予想天気図では表現されていますが、引用図②より、前線に伴う雲は長々と朝鮮半島から黄海方面へと延びていることを踏まえれば、23日の前線の位置は、関東以西の各地にわたって延々と延びているようにに思われますね。

以前、本ブログの記事で、太平洋高気圧に覆われているところへ、北から前線が南下する場合、当該前線は強い雨や雷をもたらしやすいことを書きました。この通り、22日は、東北や山陰、関東北部の一部で雷を伴なった強い雨が降りました。23日は関東以西の広範囲で、雷を伴なった強い雨に注意が必要ですね。また、東海上からの湿った気流の影響で雲が広がりやすい関東地方では、暑さは一段楽しそうです。


18日 台風12号は南西諸島南部を通過 西表島で瞬間65・9m 東海以西は暑さ復活だが関東は?

2007-09-19 01:07:12 | インポート

①9月18日12時の天気図 気象庁HPより引用

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台風12号は、非常に強い勢力を保ったまま9月18日未明から朝方にかけて南西諸島南部を通過しました。

このため、最大雨瞬間風速が、西表島では65・9m 石垣島では59・5mと すさまじい暴風を観測しました。家屋の停電などの被害も発生した模様ですね。

台風12号は、その後、進路を引き続き北西に進んで、19日には中国大陸へ上陸する見通しです。

本州付近では、西日本を中心に太平洋高気圧の勢力が強まり、暑さが復活して、各地で最高気温が30℃を超す真夏日となりました。が、関東地方だけは、鹿嶋灘方面からの湿った北東の風(北東気流)が入り込み、雲(背の低い雲ですが)に覆われた1日となってしまいました。

③9月18日10時の日本列島周辺雲画像図(可視) 高知大学ホームページより引用

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※雲画像図の可視画像は、雲の粒子の密度が高い部分ほど、白く輝いて写ります。

そもそも、18日、関東平野の各地を曇らせた、鹿島灘方面から流れ込む北東気流は、地表付近から せいせい700m~1000m程度の上空 までしか及んでなく、それより上空の部分は風向が異なっているものです。

このため、北東気流が及ぶ 700m~1000m程度上空より下側で、鉛直方向への気流の流れ(気象学上 鉛直シアーが大きくなる といいます。)が生じ、地表付近では、鹿島灘方面から吹き付けてくる気流ですので湿気がありますから、雲が発生するようになります。雲(背の低い雲ですが)が発生するのですが、前述したように、700m~1000m程度上空より上側には雲が及びません。

このため、関東平野を取り巻く、関東山地の山々より西側に、前記した雲は分布することはないため、関東平野のみ曇天になってしまう というわけです。

引用図③より、18日10時現在 関東平野各地では曇っていますが、お隣の県の、山梨県方面では雲がなく、晴れ渡っていることがわかります。

18日は、1日中雲に覆われた東京(気象庁のある千代田区大手町)では、最高気温が28.7℃でしたが、晴れ渡った山梨県甲府では、最高気温が35・3℃と猛暑日を観測しています。


台風11号は温低へ 東北で記録的大雨 南西諸島南部に台風12号接近

2007-09-17 23:56:58 | インポート

①9月17日21時の天気図 気象庁HPより引用

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②9月17日21時の日本付近雲画像図(赤外) 気象庁HPより引用

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台風11号は、17日9時に、日本海西部で温帯低気圧に変わりました。

台風が温帯低気圧に変わってといっても、台風が前線を伴って、北からの寒気と南からの暖気とがぶつかり合っている状態になっただけのこと。つまり、渦の構造が変化下たでのことです。ですから、この低気圧に向かって、南から暖湿流が流れ込み、この、台風から変わった低気圧や前線の周辺では雨雲が非常に発達し、東北地方では、軒並み24時間雨量が200㎜を超す大雨となりました。

東北地方で、24時間雨量が200㎜を超す雨量を観測することは、観測史上、まれなことです。

さて、引用図①より、南西諸島の南海上には、台風12号があり、北西へ進んでいます。

引用図②より、台風12号を取り巻く雲はしっかりした渦をなしており、台風の中心は、ぽっかりと 雲の切れ間となっている 目 が見られます。

台風12号自体の勢力は強いものであることがわかりますが、台風12号の進行方向周辺の海上の海水温は30℃程度と、この時期としては高く、台風自体を発達させるのに8好都合な条件が揃っています。

台風12号は、18日には、発達しながら南西諸島南部へ接近する見込みです。

さらに、引用図②より、17日午前中まで所々で強い雨が降っていた西日本の各地には、17日21時現在、昨日と比較すると(前日記事を参照ください)、発達した雨雲(雲画像図上で白く輝いた部分です。)は少なくなってきました。これは、台風12号の北西進に伴い、南海上で太平洋高気圧の勢力が強まり、西日本付近にかかる前線の活動が次第に弱まりつつあることを示すものです。おもけに、太平洋高気圧の勢力がつよまることは、そうです。暑さはまだまだ続きそうですね。もう、彼岸なのに。・・・・・