カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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台風11号は朝鮮半島へ その後は台風12号が

2007-09-16 23:50:34 | インポート

①9月16日21時の天気図 気象庁HPより引用

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②9月16日21時の日本付近雲画像図(赤外) 気象庁HPより引用

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台風11号は、16日には、韓国チュジュ島の南の東シナ海を北上し、16日夜に朝鮮半島へ上陸した模様です。

引用図②より、台風11号の雲は、東北地方にある前線の雲と重なり合い、台風自体の雲の形は、円形ではなく、勾玉型 または 久の字型(温帯低気圧の雲の形の典型的の形です。)となってきました。

ということは、台風11号自体、次第に温帯低気圧へ変りつつあることを示しています。今後、特に発達した雨雲の区域(引用図②で、白く輝いた部分)も、台風と重なり合う前線周辺と、台風の中心から南西方向に延びる帯状の雲の帯の部分(将来、前線として表現されるものです。)に及んでいます。

今後、17日にかけては、前記した発達した雨雲がかかる、東海以西の各地と東北地方や北陸地方でも、大雨に警戒が必要です。

そして、引用図①の南側に目を向けると、台風12号が南西諸島の南海上にあり、北西に進んでいます。引用図②より、台風12号を取り巻く雲の集団は、渦型になりつつあり、南西諸島の南海上の海水温は30℃前後と高く、台風を発達させるのに好都合な条件が揃っています。

台風12号は、次第に発達しながら北西に進み、18日には、南西諸島南部へかなり接近する見込みですね。

今後の台風情報には充分注意しましょう。


台風11号は東シナ海を北上中 16日夜に朝鮮半島へ上陸か これから 東海以西太平洋側のみならず北海道

2007-09-15 23:23:52 | インポート

①9月15日18時の天気図 気象庁HPより引用

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②9月15日18時の日本付近雲画像図(赤外) 気象庁HPより引用

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台風11号は、15日1時ごろ沖縄県久米島付近を通過しました。

このため、久米島では15日1時過ぎに、最大瞬間風速62・8mの猛烈な風を観測しました。

台風自体、北緯30度をすぎようとしていますが、目もはっきりしており、台風自体の雲の形もしっかりした円形で、台風の勢力は非常に強い状態を示しています。

台風の今後の進路はどうなるか?これを予測することは、台風に隣接する太平洋高気圧の外縁を見極めることが重要です。

引用図②より、台風の進行方向東側で特に螺旋系の雲が発達していますが、台風の進行方向北東側の朝鮮半島のすぐ南にあるチュジュ島付近から日本海を北東方向へ延びて北海道へ達する雲(所々雲自体、発達しています。)があります。台風に伴う螺旋系の雲の一部が、この雲の帯に吸い込まれるように合流している形になっています。これは、引用図①より、日本海から朝鮮半島の南へ延びる寒冷前線に向かって、台風の縁を廻るようにして暖湿流が流れ込んでできた雲の集団ですね。

台風の縁を廻るようにして流れ込む暖湿流は、同時に、太平洋高気圧の縁に沿って移動してくると、以前、このブログ内で紹介しました。

よって、以上のことから、台風11号を押し流す、太平洋高気圧の縁は、朝鮮半島のすぐ南から北東方向へ位置していることがわかりますね。台風11号は、この太平洋高気圧の縁に沿って、今後朝鮮半島のすぐ南のチュジュ島付近から次第に進路を北東方向へ変えて、その後日本海を北東へ進むとみて間違いないでしょう。

各種予想図より、台風11号は、16日夜に朝鮮半島へ上陸する公算が強まってきました。朝鮮半島上陸後は、日本海へ進み、北東方向へ進路を取りそうです。

このため、東海以西の太平洋側ばかりでなく、前線が日本海から北海道付近へかかり、その前線へ、台風の縁を廻るようにして流れ込んだ暖湿流が流れ込み、当該前線の活動が活発になりますので、北海道でもこれから16日にかけて、大雨には警戒が必要です。


台風11号 沖縄へ 東海以西では大雨の恐れ

2007-09-14 13:37:20 | インポート

①9月14日9時の天気図 気象庁HPより引用

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②9月14日9時の日本付近雲画像図(赤外) 気象庁HPより引用

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③9月13日の日本付近海水温図 気象庁HPより引用

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本州の南海上にあった熱帯低気圧は昨日、台風11号となり、北西に発達しながら進み、14日朝には、沖縄本島の南東海上へ達しています。

引用図②より、台風自体の雲は渦型がしっかりしてきており、引用図③より、台風の進行方向周辺の海上では、海水温がおおむね29℃以上と、台風が発達するには好都合の状態となっています。

台風11号は、14日9時現在、中心気圧が970hpa 中心付近の最大風速が35mとなっていますが、さらに発達しながら、14日未明に沖縄本島へもっとも近ずき、その後、東シナ海を北上する予想です。

さらに、引用図①より、本州南岸には秋雨前線が横たわっています。引用図②より、台風の縁を廻るようにして、南海上から暖湿流が流れ込んでいます。(※雲画像図の雲の走向に注意!紀伊半島沖付近では、南西から南より方向からの雲の走向ですが、四国沖から九州南東海上からは南東方向からの雲の走向ですね。)

また、紀伊半島付近から中国・四国地方を経て、対馬海峡付近へひときわ白く輝いた雲の帯がありますが、この雲の帯が秋雨前線に伴う雲でしょうね。引用図①より、一応、本州南岸に秋雨前線が描かれていますが、秋雨前線の活動の活発な部分は、前述した、紀伊半島沖から、中国・四国地を通過し、対馬海峡へと延びる白く輝いた雲の帯の部分ですね。今後、台風の移動とともに、この雲の帯もさらに北上し、前線がこの帯状雲の付近に表現されるようになるでしょう。

今後、台風の接近する沖縄本島含めた南西諸島では、風雨が次第に強まり、荒れた天気となりますが、秋雨前線や南海上からの暖湿流(特に暖湿流は、あす15日にかけても東海以西の各地へ流れ込み続ける予想です。)の影響で、台風から比較的離れた、東海地方以西の各地では、大雨に警戒が必要ですね。

南から南東風が地形的に収束,上昇しやすい、紀伊半島や四国東部や南部、九州東部や南部はもとより、伊勢湾周辺から岐阜県などでも、これから15日にかけて雨量がかなり多くなる恐れがあります。


関東以西太平洋側で不安定な天気 東京都内で昼過ぎ局地的大雨 夜からは再び雨脚強まる

2007-09-11 23:48:08 | インポート

①9月11日12時の天気図 気象庁HPより引用

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②9月11日13時の関東周辺アメダス風向風速分布図 気象庁HPより引用

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11日は、関東地方から東海地方へに前線がかかり、南海上から暖湿流が本州太平洋側に流れ込んできたのと、上空には寒気が入り込んだため、関東以西太平洋側では、大気が不安定は空模様となり、所々で雷を伴なった強い雨が降りました。

特に、11日13時30分すぎたあたりから、神奈川県北東部から東京23区にかけて、局地的に雨雲が発達し、所によっては1時間に50㎜を超す猛烈な雨が降りました。一時、東京23区と神奈川県横浜川崎に、大雨・洪水警報も発表されました。

これは、引用図②より、鹿島灘方面からの北東~東より風と、相模湾方面からは南よ離風が吹いており、おのおのの風向の異なる風同士が、東京23区から神奈川県東部で合流(気象学上では収束しているといいます。)している様子がわかります。このため、神奈川県東部から東京23区にかけて、局地的に雨雲が発達して、前記の猛烈な雨をもたらしたわけです。

その後、一旦、関東地方では、雨は小康状態となりましたが、南海上から発達した雨雲の集団(これは、天気図では低気圧として表現されていませんが、局地的に上昇気流が発達している箇所です。)が南海上から、東海地方や関東地方へ接近してきています。

この発達した雨雲の集団は、さらに活動が強まってきており(下記引用図③④より、紀伊半島沖付近の白く輝いた雲の集団に注目です。引用図④では、雲の集団がひときわ白く輝き、雲の集団自体、渦を巻き始めています。)、北東へ移動中で、11日21時現在、当該発達した雨雲の集団の一部が、関東地方南部や東海地方にもかかり始めてきました。

この発達した雨雲が次第に本州中部にかかり、あす午前中には、、前記した関東から東海地方へ延びる前線上で低気圧として解析される模様です。

③9月11日18時の日本付近雲画像図(赤外) 気象庁HPより引用

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④9月11日21時の日本付近雲画像図(赤外) 気象庁HPより引用

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⑤9月12日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

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このため、11日夜から12日午前中にかけて、東北南部から関東・甲信越地方、北陸地方、東海地方、近畿地方までの広範囲で、大雨には警戒が必要ですね。

特に関東地方から東海地方の沿岸部では、内陸部の気流と、海上から吹きつける暖湿流との間で、局地的に 沿岸前線(本ブログでは、いたる所で紹介していますよ)が発生することが予想されます。当該沿岸前線発生箇所周辺で、とりわけ、雨量が多くなりますから、今後は、関東地方から東海地方の風向風速の分布状況にも気をつけなくてはなりませんね。


台風9号 東北を北上 8日未明に北海道へ再上陸か?

2007-09-07 23:33:16 | インポート

①9月7日18時の天気図 気象庁HPより引用

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②9月7日18時時の雲画像図(赤外) 気象庁HPより引用

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台風9号は、7日未明に神奈川県小田原市付近へ上陸(関東地方への上陸は2年ぶりです。)後、関東地方から東北地方を北上中です。今後、一旦、津軽海峡へ出たのち、8日未明には、北海道へ再上陸する公算が強まってきました。

引用図②より、台風の中心のすぐ左側後面には、雲の切れ間が見られ、台風自体、温帯低気圧化しつつある兆候を示しております。

とはいえ、引用図①より、台風9号の進行方向右側前面では、特に等圧線が込んでおり、風が強く、北海道の函館では、7日16時過ぎに、最大瞬間風速37・6mと、猛烈な風を簡観測しています。

今後、東北地方北部では8日明け方まで、北海道南部や東部では、前記した台風進行方向右側前面の特に強い風の範囲に入るため、8日一杯、暴風には厳重な警戒が必要です。

また、台風の通過した東北地方南部や関東地方ですが、これまでに日雨量300㎜以上、降り始めてからの総雨量が300㎜を越えた箇所があちこちに見られます。こうなると、そうです。河川の洪水に警戒が必要 という事になりますね。

河川の出水のピークは、その河川の長さが長くなるほど、上流地域で降雨が止んだ後、時間を置いてやってくるものです。(河川の上流部分と河口との勾配が急なほど、出水のピークは早くなりますが)。また、河川が蛇行して流れていたりする部分や、河川同士が合流している箇所など、特に出水時の水位が高くなり、洪水の危険性が高まります。