カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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東京,横浜などで桜開花

2006-03-21 22:12:08 | インポート

06032115 ※引用図は21日15時の天気図です。気象庁HPより引用。

今日の日本列島は、オホーツク海にある発達した低気圧があって、北日本では等圧線の幅が混み、風が強く、一部に暴風警報など出されましたが、関東以西では青空が広がり、東京で最高気温16・7℃まであがりました。

東京や横浜、それに館山などで、本日、桜が開花しました。 (桜の開花の定義は3月15日の記事をご覧ください。)

東京の桜の開花は、平年より7日間、昨年と比べると10日間早くなっています。

今年の桜の開花予想は、気象庁発表のものは、今のところ、ほぼ予想とおりとなったいますね。(東京では開花予想は3月22日でした。) 通常、開花してから満開までおおむね1週間かかります。もちろん、開花から満開までの時期の気温が低いほど、満開に達する時期は遅くなりますが。

東京都心あたりでは、今月末には満開となりそうですね。

イェーイ! 今年も桜の季節。すなわち酒の美味しい??季節になりました。

ところで、酒が美味しくなる季節って、特別にありましたっけ?私自身、年中、美味いと思っていますけど。


低気圧が本州付近で発達中。あす17日にかけて東北から近畿にかけて大荒れの天気。

2006-03-16 20:37:08 | インポート

06031618 引用図は16日15時の天気図です。気象庁HPより引用。

16日は低気圧が日本海南部を東北東に進み、中心から延びる前線が西日本を通過しました。この低気圧の上空には冷たい空気が、そして、南海上から暖かく湿った気流が本州上に流れ込んだため、西日本の各地では大雨となったり、雷や突風の吹いたところもありました。 200603161800

16日18時のレーダーアメダス合成図より、若狭湾沖に低気圧に中心がありますが、低気圧の中心から延びる前線が紀伊半島沖あたりで閉塞しかかってており、この前線が閉塞しかかった付近で特に雨雲の活動が活発となっています。

今後、この前線が閉塞しかけている紀伊半島沖付近に別の低気圧が発生し、この低気圧が東海から関東南岸を東進するでしょう。

あす朝9時にあると、低気圧は宮城沖に達して、さらに発達する予想です。

※引用図は17日9時の予想天気図です。気象庁HPより引用。 06031609

予想図より、本州の東半分は、等圧線の幅が大変狭まってきます。が、九州の西の海上には移動性高気圧が進んでくる見込みです。 本州付近には、目だった寒気の流入はありませんね。

こうなると、3月8日の記事で紹介したように、17日は地形的かつ力学的に上空の気流が下降することによる強風が吹くパターンです。

17日は東北地方関東地方、それに山梨県付近など、この手の強風が相当強まりそうです。暴風警報級の風速となる所もあるでしょうね。

くれぐれもご用心!


高知で桜開花。

2006-03-15 23:37:49 | インポート

06031515

※引用図は15日15時の天気図です。気象庁HPより引用。

今日の本州各地は、朝方冷え込んだところも多かったものの、南海上にある高気圧に覆われて、日中は穏やかな春の陽気となったところが多かったですね。

高知県高知市では、最低気温が氷点下まで下がりましたが、日中の最高気温は13・6℃まで上がり、全国のトップを切って、桜(ソメイヨシノ)の開花宣言がありました。

桜の開花とは、開花観測を担当する気象台、測候所が基準の桜の木(標本木と言います。東京では千代田区大手町にある気象庁が観測を担当し、標本木は同じ千代田区内の靖国神社内にありますが、各気象台、測候所の敷地内に標本木があるケースも多いですね。)を決めておき、その標本木の5~6輪咲くと、「開花」宣言となり、その標本木の8割以上咲くと「満開」宣言となります。

は、春に開花して葉桜となった後、その年の秋までにそれ自身のつぼみの成長を終えて休眠に入りますが、冬季に一定の寒さ(おおむね平均気温5℃以下)に数日さらされると、桜のつぼみは冬眠から目覚めて、成長期に入ります(これを休眠打破と言います。)。 その後、春先の気温上昇でつぼみ自身が成長を加速させて、ついには開花となるわけです。

よって、と言うものは、冬季が気温が早めに下がり、春先が気温が高いほど、開花が早まると言うわけです。 その逆(冬季が暖冬で始まり、春先が気温が低い)であれは、その年の桜の開花は遅くなりますね。

本年(2006年)は、前年12月が、本州各地とも記録的な寒さでしたが、2月中旬から各地とも高温傾向となっています。よって、本年は、各地とも、桜の開花は、平年より早めと言う予想です。

それにしても、ようやく、本年も、花見の時期が近ずいてきました。私の住んである東京でも開花予想日が3月22日(私の誕生日です。)であるそうな。 こうなると、花見、イコール、花見酒。うーーーーーん。うずうずしてきますな。

しかし、皆さん、桜の花見で酒飲みすぎて、桜???ん状態???にならないようにご注意あれ!

少し前ですが、東京都内の千鳥ヶ淵で、花見酒を飲みすぎたとある方が、隣接する皇居のお堀に酔っ払って転落したこともありましたね。こうなると、人生転落???にもなりかねません。


宮城県の一部に暴風警報。

2006-03-08 20:29:40 | インポート

06030812

200603081200001 ※引用図は8日12時の天気図と8日12時の東北南部周辺のアメダス風向風速図です。気象庁HPより引用。

8日は低気圧が北海道の東海上へ進み、北日本では等圧線の幅が混みました。

このため、東北地方では風が強まったところも多く、特に、宮城県付近では、地形的な要因も加わって非常に強い風となり、宮城県の一部には暴風警報が発表されました。 仙台では最大瞬間風速32・2メートルを観測し、東北地方の各地で、鉄道の運休や遅延などの影響が出ました。

今日は、この、宮城県付近の強風のからくりについて紹介しましょう。

今回のような、宮城県付近の強風は、日本海からの西から西北西風が奥羽山脈を越える際に上空の強い風を引きずるおろして発生した、いわば、地形的かつ、力学的な要因では発生したものです。

通常、日本海からの風は、本州の中央の脊梁山脈(この場合は奥羽山脈になりますが)に衝突して、気流自体、上昇してしまいます。が、上空の寒気がさほど強くない状態であれば、脊梁山脈に衝突し上昇した気流は、上昇する成分が弱いため脊梁山脈を越える際に頂上付近上空の強い風を併せて引きずりおろすこともおこなうわけですね。 これらの要因が、宮城県境の奥羽山脈の地形的特性(奥羽山脈をはさんで、所々西北西から東南東に地形的鞍部となっています。)でいっそう顕著になるため、今回、宮城県付近の暴風につながったわけです。 20060308120000

※引用図は、8日12時の雲画像図(赤外)です。気象庁HPより引用。

これだけ宮城県に強い風が吹けば、さぞ、東北地方の日本海沖合いに筋状の雲が活発に発生していると思いきや、引用図より、筋状雲はあまり発生していませんね。上空の寒気がさほど強くない状態を表しています。 今回の宮城県の強風のように、強風害等圧線幅が混む状態のみならず、上空の強風が風下側に地形的、力学的に引きずりおろされる場合にも発生することは、防災上、看過するべきことではないと私は思いますね。


北東気流,関東だけを曇らす。

2006-03-07 22:50:22 | インポート

06030712 ※引用図は7日12時の天気図です。気象庁HPより引用。

7日は、三陸沖に進んだ高気圧から湿った北東の気流が関東平野に流れ込んだ為、関東地方だけどんよりとした曇り空となってしまい、気温も低く、肌寒い1日となってしまいました。

この、北東気流は、関東の東海上を吹いてきますので湿っています。が、オハイオ州立大学HPから引用の、茨城県館野のエマグラムをみると、この北東気流は、せいぜい1000メートル上空までしか及んでなく、2000メートルより上空では、南西から西よりの風となっており、風向が1000メートルから1500メートル上空あたりで、風向の明瞭なコントラストがあります。 200603070047646

実は、今日のように、関東地方のみを曇らす北東気流による雲は、関東平野に湿った北東気流が流れ込んだところへ、この、上空1000メートルから1500メートル上空あたりの風向の明瞭なコントラストが発生することで、この付近に鉛直方向へ上昇流が生じ、背の低い雲が発生することが原因となります。

ですので、関東平野を取り巻く山地(海抜1500メートルから2000メートル以上はありますよね。)を越えられず、関東山地を境にして、すぐ西側の甲府盆地や静岡平野あたりでは、関東平野が曇っていても、うそのように晴れ渡っていることが多いものです。 200603071200002 200603071200003 20060307120000

引用図左側は、7日12時の雲画像図(可視画像。雲の密度が多いほど白く写る。)、真ん中側は7日12時の雲画像図(赤外画像。雲の高さが高いところにある雲ほど白く写る。)、それに、右側は7日12時の関東地方周辺アメダス日照図です。(それぞれ気象庁HPより引用。)

おのおのの引用図より、関東平野周辺のみ雲に覆われていますが、この雲は、雲の密度はあり、この雲の下ではどんよりとした曇り空となっているものの、当該雲の背は低いものであることがわかります。このために、この雲は関東山地を越えられず、関東平野は日照はありませんが、関東山地のすぐ西側の、山梨県中西部や静岡県富士川より西側では、日照に恵まれて、晴れ渡っている様子がわかりますね。