カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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強い冬型続く!名古屋や京都でも積雪!冬型気圧配置時、日本海に現れる低気圧には要注意!

2016-01-20 23:17:24 | 日記
①1月19日21時の
:天気図  


:雲画像情報図(赤外)


②1月20日6時の
:天気図


:雲画像情報図(赤外)


※①②の引用図はすべて気象庁HPより引用


日本列島付近で、強い冬型気圧配置が続いていますが、本日20日は、東海地方太平洋側や近畿地方平野部でも降雪に見舞われて、24時間降雪量の最大で、名古屋で9㌢、と京都で4㌢を観測しました。
東海道新幹線など、交通機関はダイヤ乱れ等の混乱が生じました。


この降雪のからくりですが、引用図①の日本海西部にある低気圧に注目です。北海道の南の発達した別の低気圧がありますが、この、日本海中部の低気圧、上空に寒気を伴っており、雲の形が、台風の様な、螺旋状になっていることが特徴です。
引用図①②内の雲画像情報図上には、件の日本海西部にある低気圧に伴う雲の集団を A と表示しました。

それで、引用図①②より、件の低気圧、19日21時には、日本海中部にありますが、南東へ移動中。そして、引用図②より、20日6時には、北陸地方沿岸に達して、この低気圧に伴う螺旋状の雲の集団が関東地方の一部から中部地方、および、近畿地方へかかっております。特に、当該雲の集団の一部を構成する、発達した螺旋状雲雲の一部が、若狭湾から関ケ原を経て、濃尾平野へと掛かっており、このために、名古屋で9㌢ 京都で4㌢の積雪につながったと言えるでしょう。事実、20日9時に北陸地方沿岸にあった 件の低気圧、その後は、本州中部を進みながら衰えて、低気圧として解析されなくなりました、この低気圧に伴う螺旋状の雲の集団も、本州中部を南東に移動しつつ、雲の集団が崩れてしまっています。
このような、本州付近で冬型気圧配置時に、日本海中部から西部に出現する低気圧は、なかなかな曲者です!こういった低気圧が東へ移動する場合は、北陸地方から北の地域を通過しやすく、南東へ移動する場合は、北陸沖〜若狭湾沖の地域から本州中部を南東に進んだり、山陰沖から中国地方を南東に進んで衰えるケースが多いですね。

東京など関東で大雪!天気図上ではこんなことが!

2016-01-18 23:23:35 | 日記
①1月18日3時の
:天気図 

:ウインドプロファイラー風向風速分布図 

:全国レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用


②1月18日9時の
:天気図 


:ウインドプロファイラー風向風速分布図 


:全国レーダーアメダス解析雨量図 


※引用画像全て気象庁HPより引用


本州南岸を昨夜から低気圧が急速に発達しながら進み、18日午後には関東の東に達しました。この低気圧に寒気も流れ込んできて、普段降雪が少ない本州の太平洋側の広範囲で、まとまった降雪となりました。
18日18時までの24時間に、栃木県土呂部で43㌢ 群馬県草津で41㌢ 山梨県河口湖で40㌢を観測したほか、東京や横浜などの関東平野南部でも、広範囲で降雪となり、東京で6㌢ 横浜で4㌢の最大積雪を観測して、首都圏の交通網ダイヤが大きく乱れました。

今回、東京などの関東平野南部での大雪ですが、引用図①②の各種図より、天気図(地上天気図)上の低気圧の位置と、まとまった降水の位置とは、若干かけ離れています。

地上天気図の中心位置より少し前、等圧線が袋型になった部分が見られますね。当該、低気圧の前側の低圧部は、引用図①②のより、上空1000㍍付近では顕著な低気圧性循環の気流の流れが見られて、この箇所で、まとまった降水が発生していますね。
さらに、この低気圧性循環の北側では、北東風が、南側では、南寄り~南東風が強まっており、この、北側の北東風の強まりが、北からの寒気を引っ張り込んでいる働きをしています。

このような地上天気図上の低気圧の中心の前側に、等圧線が袋型になっている状況下では、この等圧線袋型の箇所の上空1000㍍付近では、決まって、顕著な低気圧性循環となっていて、この顕著な低気圧性循環が、北から寒気を呼びこんで、さらに地形的に降水の際に低層に寒気が滞留しやすい関東平野の特性なども相まって、普段降雪の機会があまりない関東平野に降雪をもたらすようになります。さらにこの低気圧性循環は顕著になると、この箇所に低気圧としてまとまり、この新たに発生する低気圧が発達しながら移動していくというシナリオを描きます。地上低気圧の低気圧の位置ばかりに固執していては駄目であるという証左ですね。

兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)から21年! 建造物にとってダメージ大きな揺れだった地震でした!

2016-01-17 00:00:02 | 日記
1年前の午前5時46分 兵庫県明石海峡の深さ約20㎞を発端とした地殻破壊は、淡路島北部 それに、神戸市南沖の計2つの地殻破壊が連なり、マグニチュード7・2の大地震を発生させて、神戸市、芦屋市、西宮市、宝塚市と淡路島北部の広範囲に震度7の猛烈な地震動を引き起こし、死者約6500人 全壊家屋10万以上の甚大な被害を引き起こしました。これぞ、兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)です。



この兵庫県南部地震では、昨年、一昨年の1月17日に本ブログにての記事でも紹介しましたように、建造物の倒壊被害が甚大でありました。換言すれば、この兵庫県南部地震、建造物にとって大きなダメージを引き起こした地震波が生じてしまった地震といえます。



◇揺れ方の継続時間 ですが、地震の規模が大きくなるほど、揺れの継続時間は長くなります。地震の規模が大きいほど、地震波を引き起こす地殻が変動する面積はより広くなるからです。



◇揺れ方の周期 は、地震を引き起こす地殻変動の速度や地殻の硬軟、地殻変動が、ミノ崩しのごとく発生したか、地震波が地殻変動で引き起こされて地表に達するまでの間、地震波同士が地形的特性などで、屈折を受けてきたかどうか、によります。変動する地殻が軟らかいほど、発生する地震波の周期は長くなります。



①最近の、主だった大地震の、各観測地点の加速度、速度(加速度を1秒平均したもの)地震波の周波数比較図 (独)防災科学技術研究所HPより引用


①②③は ㍻16年新潟県中越地震での、① 気象庁川口  ② K-NET小千谷(NIG019)  ③ 気象庁山古志  ④ K-NET十日町 (NIG021)  ⑤㍻16年新潟県中越地震余震(10月23日18時23分)の 気象庁川口
⑥は、㍻20年10月6日鳥取県西部地震での KiK-net日野(TTRH02)  
⑦⑧は ㍻15年5月26日宮城県沖地震での ⑦ KiK-net住吉(IWTH04)  ⑧ KiK-net陸前高田(IWTH27)
⑨⑩は ㍻15年9月26日十勝沖地震での ⑨ K-NET苫小牧(HKD129)  ⑩ K-NET広尾(HKD100)
⑪⑫⑬は ㍻7年1月17日兵庫県南部地震での ⑪ 神戸海洋気象台(JMA) ⑫ JR鷹取  ⑬ 神戸市中央区葺合大阪ガス
⑭⑮は ㍻19年3月25日能登半島沖地震での ⑭ K-NET穴水(ISK005)  ⑮ K-NET富来(ISK006)
⑯⑰は ㍻19年7月16日新潟県中越沖地震での ⑯ K-NET柏崎(NIG018)  ⑰ K-NET小千谷(NIG019) 

※PGAは最大加速度  PGVは最大速度 を示します。 



引用図より、兵庫県南部地震が、他の主だった地震よりも、最大加速度は比較的小さいわりに、地震波の最大速度は大きい買ったことが一目瞭然です。

地震波の加速度と速度を比較するにあたり、仮に、同一加速度で、地震波の速度が増大するほど、その地震の地震波は、より周期の長い地震波が卓越していたといえ、建造物によりダメージを与えた地震であったというわけですね。

一般に、周期の短い地震波は地震発生食後からすぐ発生して、すぐ減衰してしまいますが、地震波の周期が長くなるほど、当該地震波は減衰しにくく、継続時間も長くなります

これに対して、建造物は、おおそ、0・7秒以上の周期で大きく揺れ易くなる(この周期の地震波がやってくると建造物は共振して、揺れがよりいっそう大きくなる)という性質があります。兵庫県南部地震は、建造物を共振させうる周期の地震波が強かったため、建造物がいっそう共振して激しい揺れを引き起こし、大きなダメージを与えたため、建造物の倒壊被害が顕著であったわけです