カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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東京で最高気温36・2℃、月間最高記録。北陸では大雨。

2005-06-28 18:04:00 | インポート

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※引用図は28日15時の天気図です。(気象庁HPより引用)

28日は、梅雨前線の南側に入った関東地方の南部では、朝から気温が上昇して、東京では最高気温が36・2℃と、6月としては観測史上最高の気温を観測しました。この他静岡市清水で37・8℃,神奈川県海老名では37・6℃の猛暑となりました。
実は、関東地方南部では昨日夜から気温はあまり下がらず、東京では、最低気温が27・7℃と本年初の熱帯夜となり、午前7時には、早くも30℃を超えてしまうほどの暑さでした。

28日15時の天気図を見ると、関東地方南部では梅雨前線の南側に入り、等圧線も西北西から東南東方向に走っていますね。東京より大阪あたりの気圧が高くなっています。関東地方で気温が上がる典型的な形です。関東地方北部では、梅雨前線の雲がかかり、日差しには恵まれず、気温はさほど上がりませんでした。

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※引用図は28日15時の関東甲信地方のレーダーアメダス合成図です。(気象庁HPより引用)

一方、梅雨前線がかかる北陸地方では、大雨が降り続き、新潟県の下越地方の一部では、28日の降水量が290ミリを越えた個所も出てきています。大雨災害が懸念されますね。

梅雨前線はゆっくり南下する模様で、関東地方南部でも、明日29日は、梅雨空が戻ってしまいますね。


東京で本年初真夏日 31・0℃

2005-06-24 23:56:58 | インポート
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※引用図は24日15時の天気図です。(気象庁HPより引用しました。)

24日は本州各地で夏空が広がり、東京でも本年初の真夏日となる31・0℃の最高気温を観測しました。

こんな陽気だと、梅雨はどこにいってしまったのやら。つゆ知らず、な~んでことは言いません。

この夏空は、つゆが明けてひろがる、本当の意味での夏空ではありませんよ。言ってみれば、本物の夏空とは言えません。

天気図を見ると、本州の南海上には梅雨前線が居座っていますね。ただ、この梅雨前線は、前線を挟んでの気温差はほとんどなく、湿度の差で、前線が描かれています。

画像にはありませんが、上空の天気図を見ると、梅雨前線付近の上空と北海道の北に強風帯があり、その間の本州付近の上空では、ゆるやかに高気圧の場となっています。また、1500メートル上空では、中国大陸付近の上空では、この時期としては、かなり気温が上がっており、その高温域が、東へ移動して、一部が本州付近の上空にもかかっています。

これらの理由から、本州付近は暑い夏空が広がっているわけです。太平洋高気圧が本州上を覆って、梅雨前線を北上させて、夏空が広がっているわけではありません。

ただ、この、本州付近のえせ夏空、今月いっぱいは続きそうです。25日は本州付近の上空の気温はさらに上昇する気配です。本州の内陸部では、所によっては35℃を超える猛暑になりそうですよ。

こうなると、熱中症や、日焼け対策は欠かせません。また、前々回で紹介したように、光化学スモッグにもご注意あれ。ですね。

屋外で飲むビールも益々美味くなりそうです。この点も、飲みすぎには注意しましょう。



雲画像に斑点とひげが現れたら大雨に注意

2005-06-18 00:02:02 | インポート
この数日は、南西諸島では梅雨末期の大雨が降り続いています。

17日も沖縄本島周辺で大雨となり、那覇では9時までの1時間の64・5ミリの猛烈な雨となり、17時までの24時間雨量が250ミリを超えました。

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引用図は17日9時の天気図と9時の雲画像図ですが、沖縄本島周辺には斑点のように白く輝いた雲が映っており、その雲に向かって南海上からひげのような雲が映し出されています。

この雲画像の斑点は、雲の高さが高い、発達した雲を表現するもので、ひげは、南海上からの、大雨の原動力となる暖かく湿った気流が流れこんでいる事を示しています。よって、雲画像で斑点とひげが一緒に現れている地域は、大雨となっており、その大雨も持続する状態である事を示すものですね。

これからの、梅雨の時期は、特に雲画像の、斑点とひげに注目し、大雨対策としたいものです。


梅雨の中休みは、光化学スモッグに注意

2005-06-14 11:40:39 | インポート
関東以西は梅雨に入りましたが、12日~本日14日は、梅雨は中休み状態となっています。

梅雨が中休み状態の時、以外に発生し易いのが、光化学スモッグなんですね。

光化学スモッグは、自動車や工場・事業場などから排出される大気中の窒素酸化物や炭化水素が太陽光線(紫外線)を受けて、光化学反応により二次的汚染物質(オキシダント)を生成することにより発生します。また、風が強い状態であると、前記した大気中の窒素酸化物や炭化水素が拡散してしまいますので、発生しにくくなってしいますが。

光化学スモッグの発生を容易にする要素としては
①午前中から昼過ぎにかけて日照があること
②地表付近の風が弱めであること


そして、光化学反応による二次的汚染物質を地表付近に滞留させる状態を作りますので
③低層に逆転層があること
④海風前線が顕著になること
が挙げられます。

以下は、東京都環境局HPからの引用ですが、東京都環境局では、
オキシダントが高濃度になる条件
① 気 温 日最高気温が25℃以上
② 日照時間 9~15時の間に2.5時間以上の日照があること
③ 海 風 東京湾及び相模湾からの海風の進入があること
④ 安定度 安定であること。
  館野高層気象台9時の状態曲線0~1000mの気温差が7℃以下
⑤ 上空の風 館野高層気象台9時の状態曲線で、1000m以下の風が南よりの風でないこと
⑥ 天気図
ア 夏型の気圧配置(鯨の尾型)
イ 移動性高気圧又は低気圧や前線の間で気圧傾度が緩い場合

としています。

まさに、梅雨の中休みの時期の気圧配置をみると、光化学スモッグが発生し易い気象状態になる場合も多いといえますね。

梅雨の中休み時には、前記の点を考慮して、場合によっては屋外での激しい運動などは控え目にした方が良いで
しょう。



関東以西の太平洋側では高波に注意

2005-06-08 23:45:18 | インポート

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※引用図は8日15時の天気図です。(気象庁HPより引用)

台風4号が日本の南海上をゆっくりと北上しています。各地とも、台風の直接的な影響である、大雨や暴風はありませんが、関東以西の太平洋側では、台風4号からのうねりによる高波が押し寄せてきました。今日は、この うねり について説明しましょう。

台風や、強い低気圧の周辺では、猛烈な風が吹いている事は周知のとおりですが、その猛烈な風によって、海上ではおおしけとなっていますが、このおおしけの状態では、さまざまな周期の波(短い周期から長い周期の波)が形成されています。そして、周期の長い波ほど、波自体のエネルギーが大きく、遠方まで伝播するものです。この周期の長い波(周期で6秒から20秒)が、うねりと呼んでいます。

このうねりは、台風や 強い低気圧の周辺から遠方へ、時速で80キロ程度で伝播し、海岸に打ち寄せます。
台風や低気圧自体、時速80キロで移動するものはほとんどありませんので、うねりが、台風や低気圧よりも先に海岸に到達します。
昔から、うねりは台風接近の兆し と呼ばれているのは、この為です。

また、天気情報で発表されている波の高さは、正式には、有機波高 と言って、理論上、100ある波のうち、一番高いものから33波選んだものの波の平均をいっています。ですので、実際に、海岸に打ち寄せる波の高さのすべては、この有機波高とおりにはなりません。時には、この有機波高の2倍以上の高さの波が不意に押し寄せることは珍しくありません。
また、特に、うねりの場合、波自体のエネルギーは大きい為、、岬の周辺や、海底の地形によって、局地的に波の高さがかなり高まったりします。

この為、毎年のように、台風に伴ううねりによる高波の影響で、海岸の釣り人やマリンスポーツをされる方々の中に、犠牲者が出ているのは痛ましい事ですね。

明日以降、関東以西の太平洋側では、うねりが更に高まりそうです。ご注意下さい。