カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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台風9号 4日は小笠原諸島へ接近か

2007-09-03 23:32:45 | インポート

①9月3日18時の天気図 気象庁HPより引用

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②9月3日18時の日本付近雲画像図(赤外) 気象庁HPより引用

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台風9号が不気味な動きをしています。

3日21時現在、台風9号は 父島の東約350キロの海上を 西へ時速10㎞と、ゆっくとした動きです。

4日夜には、台風9号 小笠原諸島へかなり接近する予想ですが、このように、台風自体の動きが遅いのは、太平洋高気圧の勢力が本州の南海上へ及んでいて、台風自体を押し流す気流(一般流と呼んでいます。)が弱いためです。

ただ、引用図にはありませんが各種予想図より、4日以降、本州の南海上の太平洋高気圧の張り出しに鞍部(張り出しが弱まる箇所)ができて、この鞍部を伝って、台風9号は、次第に、5日以降、進路を北よりに変えてくる見込みです。

台風というもの、太平洋高気圧の縁に沿って進む ということは良く知られたことですが、この、太平洋高気圧の縁を見極める とっておき? の方法はあります。

それは 台風の前方外縁の雲の走向の注目すること 当該台風の前方外縁の雲の分布する方向へ台風が進む とも言えますね。

これは、台風が太平洋高気圧の外縁を進む際に、台風の周辺を廻るように、暖湿流が帯状に流れ込み、この帯状の暖湿流の箇所で、雲(積乱雲などの対流性雲ですが)を発生させるためです。

そして、この帯状の暖湿流は、太平洋高気圧の外縁に沿って流れるため、当該暖湿流で発生した雲も、太平洋高気圧外縁に沿って、帯状に分布する という理屈です。

さて、引用図②より、3日18時現在、台風9号の進行方向前面には、前記した、暖湿流に伴う、帯状雲は?・・・ まだ見られませんね。

しかし、油断禁物!4日以降、台風前面の この 帯状雲 には注目しましょう!