①6月29日15時の天気図 気象庁HPより引用
②6月29日15時の日本付近アメダス風向風速分布図 気象庁HPより引用
③6月29日15時の日本付近レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用
梅雨も本州では後半に入り、南から暖湿流(大雨の原動力となるもの)が頻繁に流れ込みやすくなり、各地で大雨が降りやすくなっています。
本ブログの前回の記事で、雨雲発達には、地表のみならず、上空の気流の動向にも左右される旨を紹介しましたが、大雨の原動力となるべき暖湿流というもの、その、風向や風速の分布状況にも気を配る必要があります。梅雨前線の、まず 南側の気流の動向(暖湿流の流れ込む様子と置き換えることができますね)に注意することですが、このことは、本ブログの本年6月の記事で紹介しました。
では、梅雨前線に向かって南から流れ込む暖湿流が、どのようになっている箇所が要注意でしょうか?
<1>暖湿流の風速がより強めになっている。→暖湿流がよりいっそう多く流れ込んできていることを暗示するものです。おおむね、地表付近で風速12~13m程度、上空1500m付近で、相当温位320K以上で風速50ノット以上であれば、当該暖湿流が地形的要因などで収束し、上昇気流となる箇所では、24時間雨量で100㎜以上、上空1500m付近で相当温位が335k以上風速40ノット以上であれば、当該暖湿流が地形的要因などで収束し、上昇気流となる箇所では、24時間雨量で200㎜以上となる箇所が発生するようになります。
さらに、
<2>地表付近で暖湿流と考えられる気流の部分の風向が不連続になっている箇所や、風速が水平方向で不連続になっている箇所→これは、気流の風向が不連続であれは、当該気流は収束し、上昇する状態となるからです。風速が水平方向へ不連続になっている箇所は、当該箇所で気流同士、収束し上昇する動きをするためです。
このように、なぜ、暖湿流の風向が不連続になったり、風速が水平方向へ不連続になってりするのでしょうか?これは、地形的要因ですね。内陸部での夜間の気温低下も大きな要因です。
以上述べたことを留意して、引用図②③を見比べてみましょう
引用図③で、雨雲が特に発達している箇所(東海地方から伊豆諸島北部など)では、伊豆諸島北部周辺では、南東風と南西風とが風向の不連続を形成し遠州灘沿岸から伊豆諸島南部では南西風が強めですが、その北側、東海地方内陸部では、風向が疎らで風速は湯輪目となっており、前記した<2>の箇所になっていることが分かります。
以上、本記事の内容は、梅雨前線(低気圧や前線)時ばかりでなく、台風接近時での、当該台風外縁の雨雲がかかる際にも、局地的大雨となりやすい箇所を見極めることにも有効ですね。