カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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新島,三宅島に大雨警報

2005-05-30 23:41:26 | インポート
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※引用図は30日18時の天気図と雲画像図(赤外)です。気象庁HPより引用致しました。

30日は、本州の南海上を北東に進む低気圧の影響で、関東地方や伊豆諸島ではほぼ1日雨の天気となりました。

特に伊豆諸島や関東南部ではまとまった雨量となり、30日23時までの24時間積算雨量が、三宅島阿古で280・5ミリとなったのを始め、三宅島坪田で180ミリ、それに、神奈川県の箱根では88・5ミリを観測しました。また、千葉県の一部でも、60ミリを超えた所も出てきています。30日23時現在、新島と三宅島には大雨警報が出されています。

引用図の30日18時の雲画像図(赤外)を見ると、本州の南海上には低気圧や前線に伴う雲が広がり、伊豆諸島や関東付近では、白く輝いています。この部分は、特に発達した雨雲を表現しているわけです。また、この、低気圧や前線に伴う雲に向かって、南東から北西方向にはけで書いたような雲が表現されていますが、これは、本州の東海上にある、優勢な高気圧の縁から、強雨のもととなる、暖かく湿った気流が低気圧や前線に流れ込んでいる事を表しています。

このように、低気圧の前面の高気圧の勢力が強い場合、この高気圧の縁から、高気圧の後ろにある低気圧に向かって、暖かく湿った気流が流れむ為、特に、この低気圧に伴う雨量は多くなるものです。


雷雨の予測は、上空の風向も重要です。

2005-05-26 23:38:16 | インポート

北日本や東日本では、このところ不安定な空模様が多くなっています。
26日は、青空が広がった地域が多くなりましたが、27日になると、再び、上空に寒気を伴った気圧の谷の接近で、
北日本や東日本では、雷雨となるところが多くなりそうです。

雷雨は、積乱雲という雲が引き起こしますが、この積乱雲、地面付近の気流が集まった地域に発生します。一般的には、日中、山間部に発生して、平野部に移動しながら、落雷や、土砂降りの雨、それに、時には雹や突風などを引き起こします。
この、積乱雲(俗に雷雲とも呼ばれていますが)は、上空の風に流されて移動します。上空1500メートルから1万メートルの風向の合成した方向に移動(これにプラスですが、進行方向の気温の高い地域へ広がるように移動します。)するものですね。ですので、雷雨の予測には、上空の風向も重要な要素となる所以です。
それにしても、本年は、なんか天候が不順ですね、北日本、東日本のみなさん。27日は、雨具を持参した方が良いですね。それに、昨今、ローライスのパンツルックのお姉さんたちが多いですが(私自身、目の保養になるんですが???)、雷さんに、おへそを取られないように。???


東日本,北日本中心に不安定な天気。東京都心でも一時強雨(東京23区付近で雷雲が発達)

2005-05-23 23:23:32 | インポート

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※引用図は、23日18時の天気図です。(気象庁HPより引用致しました。)

23日は、東日本,北日本中心に大気が不安定となり、あちこちで雷が発生し、所々で一時強い雨も降りました。
東京の都心も、18時ごろから雷雲がかかり始め、当該雷雲は発達しながら都心付近を通過しました。この為、東京大手町でも、1時間で30ミリを越す土砂降りとなりました。急な雨に、傘を持っていない方々は、帰路で大変な目にあったのでは?
明日24日も、東日本,北日本では大気が不安定な状態が続きます。お出かけの際には、雨が降っていなくても、折りたたみ傘は持っていったほうが良いでしょうね。

さて、本日のように、東京都心付近を、夕方から宵にかけての間、雷雲が通過する際には、その雷雲が都心付近で急に発達して、東京都心部に短時間強雨をもたらす事例を見かけます。radame-200505231900-0
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※引用図は、23日18時と19時のレーダーアメダス解析図です。(気象庁HPより引用です。)この2つの図を比較すると、東京都心付近で急激に雷雲が発達している様子が判ります。

身近な例では、昨年 平成16年9月4日がそうでした。この時には、東京都心で、一時間50ミリ以上の非常に激しい雨を観測して、東京都内のJR各線で、一時運行がストップし、渋谷駅のJRガード下では、道路が冠水したりしました。

この、東京都心で夕方から宵にかけて雷雲が通過する際に、当該雷雲が発達する原因のひとつに、都心部のヒートロー現象に伴い、夕方以降の気温の低下が、周辺部と比較して鈍くなっている事が挙げられます。今後、この手の都心部の短時間強雨には、防災上、看過することはできないものですね。


北日本では大荒れの天気。一部に暴風警報も。

2005-05-19 23:47:49 | インポート
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※19日15時の天気図です。(気象庁HPより引用致しました。)

19日は、低気圧が北海道付近を通過して午後にはオホーツク海に達しました。
このため、北日本の各地では、大荒れの天気となってしまいました。あちこちで最大瞬間風速が30メートルを超えて、5月としては観測史上最高の暴風を観測した地点もありましたね。19日12時現在、北海道の十勝南部、日高地域と胆振東部中部、奥尻島と、青森県三八には暴風警報や波浪警報が発表されていました。

また、低気圧か持ちこんだ暖気が残った影響で、関東地方や甲信地方南部、それに静岡市付近は気温が上がり、最高気温30℃以上となった地点もありました。

天気図を見ると、西から本州付近に移動性高気圧が進んできていますが、東海上の高気圧の勢力が強く、関東南海上にかかる前線は、移動速度が鈍りそうですね。こうなると、20日の関東地方の天気は、予想よりも雲が広がり易いのでは?すっきり晴れそうにもありません。

ちょっと、うんざりですね。こんな天気の予想の話は、よそうか?・・・・

今日は、駄洒落で締めくくりました。みなさん。ご了承あれ。


日本海で低気圧が発達。まさにメイストーム。

2005-05-18 23:13:56 | インポート

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※引用図は18日12時の天気図です。(気象庁HPより引用しました。)

18日は日本海で低気圧が発達しながら北東に進んだため、全国的に南~南西の風が強まり、愛媛県の一部には暴風警報が発表されました。、最大瞬間風速が兵庫県洲本で28・2メートル、富山市で27・6メートルの大変強い風を観測しました。また、所々で雨も強まり、日本列島は、さながら、メーストームと言った荒れ模様の1日となりました。19日には、この低気圧は北海道の北に進みますので、北海道や東北では引き続き、荒れ模様の天気となりそうです。ご注意下さい。

さて、日本列島は、山あり谷ありと言ったように、狭いながらも非常に起伏の富んだ地形をしています。この為、特定の気圧配置に、特定の風のふきかたがあるものです。
18日のような、日本海で低気圧が発達する場合は、太平洋側では、関東沿岸部(特に東京湾岸周辺)と富士山麓南部、それに、長野県の谷沿いの地域と紀伊水道周辺と豊後水道周辺で特に風が強まりますし、日本海側では、東北から山陰沿地方にかけての沿岸部から対馬海峡にかけてと、長崎県沿岸でも強風に見舞われやすいものです。それに富山平野でも飛騨方面から吹きぬけてくる南よりの風が強まりますね。
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※引用図は18日12時のアメダス全国風向風速図です。(気象庁HPより引用しました。)

この引用図の時間でも、紀伊水道や愛媛県佐田岬では特に風が強まっていますし、関東沿岸でも風速10メートルを超えている地点も見られます。

このように気圧配置によって、日本列島の風の吹き方の特性を定性的に見るのは、防災上欠かせない事であると私は思いますね。