カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
講演依頼等連絡先は、tenki@air.ocn.ne.jpへどうぞ

2012年初日の出は如何に?

2011-12-31 23:28:46 | インポート

①12月31日15時の天気図 気象庁HPより引用

11123115

②12月31日15時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用・加工

20111231150000

2011年は、山陰地方の記録的大雪に始まり、3月11日の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)、さらに、台風12号、台風15号と、自然災害が頻発↓1年でありました。

来年2012年こそは、どうか、穏やかな1年出会ってもらいたいものですよね。

さて、その、2012年の初日の出ですが、全国的に、どうも、雲が多く、ご来光拝めるか、微妙な状態となっています。

引用図①より、12月31日15時現在、日本海に低気圧が描かれていますが、引用図②より、この低気圧の西側の東シナ海に、気圧の谷に伴う雲AとBがあります。引用図にはありませんが、各種予想図より、今後、明日2012年元日にかけて、本州のはるか南海上を東進する予想ですが、Aは日本海に進んでくる予想で、それに伴って、伊豆諸島近海から関東南東沖にある雲の集団C(冬型気圧配置に伴う季節風が、中部山岳で分断されて、伊豆諸島近海から関東南東沖で再び合流して収束した結果発生した雲の集団です。)が再び勢力を北へ広げてきそうですね。

東京や横浜など関東地方(特に南部)などでは、雲に覆われやすく、ご来光はどうでしょうか?せめて、雲の切れ間からご来光拝められれば良いのですが・・・・・・

皆さん、どうか、良いお年を!!


名古屋でも積雪8cmで大雪注意報 新幹線等混乱!

2011-12-26 23:51:41 | インポート

①12月26日3時の天気図 気象庁HPより引用

11122603

②12月26日3時の全国ウインドプロファイラー風向風速分布図 気象庁HPより引用

20111226030000

③12月26日3時の本州付近レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用

201112260300

12月26日は、北海道から山陰まで、日本海側の各地では大雪が続いて、福島県や岐阜県の山間部では、24時間降雪量が60㎝を超えた箇所もありました。

さらに、25日深夜から愛知県や岐阜県、三重県北部などの東海地方の平野部でも降雪となり、大雪注意報も一時出されて、名古屋では26日朝までに積雪最大8cmを観測。東海道新幹線など交通機関に混乱が生じてしまいました。

通常、

Ⅰ:輪島500hpaで-36℃以下 

Ⅱ:名古屋、福井の上空1000m~1500m付近で北西風で風速20m以上 

Ⅲ:濃尾平野~伊勢湾岸周辺が500hpaの正渦度移流域にあたっていること 

以上Ⅰ、Ⅱ、Ⅲを満たす場合、名古屋市付近で24時間降雪量が10cm以上となる 

と言う目安(筆者調べ。本ブログ本年1月16日の記事に記載)がありますが、

本日12月26日の場合、

◇輪島500hpaではおおむね-34℃程度、で ◇名古屋、福井の上空1000m~1500m付近で、おおむね風速が20m近く、でしたが、 ◇引用図にはありませんが、26日未明から朝方にかけて、本州中部を500hpaの正渦度が通過しているため、名古屋周辺でも、積雪が最大8cmに達した訳ですね。

26日夜から27日朝方にかけて、名古屋市周辺の中京地区では、路面凍結にはくれぐれもご用心ください!!


おお寒~っ!!日本列島に寒気が波状攻撃

2011-12-24 00:05:07 | インポート

①12月23日15時の天気図 気象庁HPより引用

11122315

②12月23日15時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用・加工

20111223150000

③12月24日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

11122309

12月23日は、北海道の西に発達した低気圧が停滞気味となり、本州付近では冬型気圧がつよまりました。

特に、本州の上空には強い寒気が流れ込んで、北海道や東北の日本海側では猛吹雪、ほか、北陸から山陰まで、日本海側では所処で大雪となりました。

北海道のえりも岬や室蘭、奥尻などでは、最大瞬間風速が30mを超えましたし、北海道上川地方や新潟県の上越地域では、24時間降雪量が40㎝以上を観測した地点もありました。

ただ、関東地方(特に南部)では、引用図②で図示する A の雲の集団が掛かり、晴れ間がありましたが雲の多い1日となってしまいました。

これは、冬型気圧配置時に日本海から本州へ吹く気流が、中部山岳で関東平野と東海道方面とに一旦分断されて、関東南岸で再び合流しやすくなると言う地形的特性や、上空には、本州の西側に気圧の谷がある場合によく見られます。地上天気図上では、冬型気圧配置になっているものの、関東以西の本州南岸沿いで、等圧線が北東~南西方向に走っていたり、関東南東沖~伊豆諸島近海で低圧部が残っている場合ですね。(引用図①②)

引用図②で図示している上空の気圧の谷が、本州上に差し掛かると、

◇日本海中部や西部(上空の気圧の谷の勢力が強い場合は四国あたりにも)に低気圧が解析されるようになり、この低気圧が本州を通過時に、一時的に降雪が強まったり、突風が吹いたりします。

油断なりませんね!

当該気圧の谷が本州通過後、新たに上空には強い寒気が流れ込んでくるものです。


低気圧が北海道付近で急発達 次第に強い冬型へ 

2011-12-22 23:54:16 | インポート

①12月22日21時の天気図 気象庁HPより引用

11122221

②12月22日21時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用

20111222210000

③12月23日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

11122209

12月22日は、日本海と本州の南海上を低気圧が通過しましたが、特に日本海の低気圧が次第に発達して、22日21時現在、北海道の西に進んで、北日本中心に等圧線の幅がかなり混みあって来ました。

北海道や東北の日本海側の各地には、22日23時現在、暴風雪警報や波浪警報が出されて、山形県の飛島や庄内空港では、瞬間最大風速が30mを超す非常に強い風を観測しています。

さらに、引用図①②を見比べると、北海道の西の低気圧の北側と東側には、白く輝く雲の集団(強い降水をもたらすものです。)が現れていますが、これは、北海道の西にある低気圧の渦管が立ってきている証拠で、今後、引用図①で、北海道の西にある低気圧は次第に停滞気味となる兆候と言えます。

すでに、この、北海道の西にある低気圧や前線に伴う発達した降水域がかかる北海道東部では、強い雪が降り続き、22日23時現在、北海道の十勝地方の一部では、24時間降雪量で40cmを越えた箇所もあります。

さらに、冬型気圧配置で寒気吹出しに伴う筋状雲が、日本海や黄海にもびっしりと見られ、冬型本州付近には、大陸から強い寒気が流れ込んできている様子が解りますね。

これから23日にかけては、北海道の西に発達した低気圧が停滞気味となりますから、北海道や東北を中心に、猛吹雪となりそうですね。

また、北海道から山陰にかけての日本海側では大雪となりそうで、気象庁より、「大雪に関する情報」も発表されています。

各方面とも、充分に警戒してください!!


強い寒気の先端はこういう形です!

2011-12-16 23:53:29 | インポート

①12月16日9時の天気図 気象庁HPより引用

11121609

②12月16日9時の全国ウインドプロファイラー風向風速分布図 気象庁HPより引用

20111216090000

③12月16日9時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用

20111216090000_2 

                                                                             ↓

④12月16日15時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用

20111216150000

大陸から本州上に、強い寒気が流れ込んできつつあります。

大陸から寒気が本州上へ流れ込んで来る際、当該寒気の先端では、前面の暖気と相見えることになりますから、決まって以下のような気象状況となるのが通常です。

Ⅰ:前面の暖気との境界部分で、上空3000m付近の顕著な上昇流域(500hpaの正渦度移流に伴うものです。)が見られる。

Ⅱ:寒気との境界部分の暖気側には、下層(おおよそ上空1500mより下側)の風向と中層(おおよそ上空3000m付近)以上との風向とに、明瞭なコントラストがある。

Ⅲ:地表付近で風向のコントラストが大きくなる、地上天気図上では等圧線が袋状になり低圧部が解析されることもある。

当該Ⅰ、Ⅱ、Ⅲが発生する結果、

寒気の先端では、帯状や渦状になった雲の集団が発生して、この雲の集団が通過時には、急激な風向風速の変化(乱気流)や、一時的な降水、時には雷や突風などシビアーな現象も発生することもあります。

このように、意外と厄介なものです。

前記した、雲の集団が通過後、寒気移流となり、気温が低下するのが通常のパターンですね。

12月16日の事例でも、まず、引用図①②より、16日9時現在、日本海中部には、等圧線が袋状となっており、本州上では、上空1000m付近で、西日本でおおむね北西風で、東日本や北日本では西より風で風速は比較的弱めなのに対して、上空3000m付近では、東日本や北日本ではおおむね西~南西風で風速は20m以上と非常に強まっています。

さらに、引用図②③内のAの部分に注目!このAは、前記した、寒気の先端では、帯状や渦状になった雲の集団ですが、16日9時には日本海中部にありましたが、16日15時には、本州中部まで移動してきています。

当該、寒気の先端に広がる帯状や渦状になった雲の集団の通過時に、本州のあちこちで一時的に平均風速15mを超す強い風が吹き、伊豆諸島神津島では、16日16時29分に、最大風速20・6mと、非常に強い風を観測しております。

前記した、雲の集団が通過した後、本州上には強い寒気が流れ込んで、日本海側では、北海道から九州まで降雪となり、西日本のあちこちで初雪を観測しましたし、16日23時現在、山形県の一部には、本冬初めて大雪警報が出されるなど、降雪が強まっています。