カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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梅雨の主役の一つ オホーツク海高気圧が発生する兆しあり!

2013-05-31 23:54:46 | インポート

①5月31日15時の天気図 気象庁HPより引用

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②5月31日15時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用

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一昨日29日までに、関東・甲信越、東海、近畿、中国、四国、九州の各地域では梅雨入りしましたが、5月最終日の31日は、関東や東海では梅雨の中休みといった感じで、各地で青空が広がりました。

ただ、引用図①のカムッチャッカ半島付近~千島の東海上にかけて高気圧が覆い、本州の播か東海上にある前線を伴なった低気圧の移動方向が、北北西方向へゆっくりとなっています。

これは、チベット高原で分断された偏西風が、日本の東海上で大きく蛇行し、千島東海上が、上空500hpa(上空およそ5500m付近)の気圧の峰となっている証拠であり、カムチャッカ半島~千島東海上の高気圧が、当該、気圧の峰に下側に発生したもので、高気圧の背は高く、この結果、この千島後続の低気圧の動きを押し戻すようになってしまう(ブロッキング現象が発生していることです。)ようになり、高気圧が、この低気圧の周辺部分の張り出すようになり、千島近海~オホーツク海方面も、今後、高気圧が張り出してきるようになりそうですね。

よって、本州東海上のある前線を伴なった低気圧は、今後、この付近を停滞気味となりそうで、この付近で低気圧が停滞気味となれば、当該低気圧の北西側にあたる千島南東海上~北海道南東海上の下層では寒気移流が強まるようになってしまいます。

このため、オホーツク海高気圧が発生すると、海上を吹き渡って来るため下層では湿っており、背の低い雲が発生しやすく、下層が寒気移流になっている箇所から気流が吹き付ける、北海道の東海上~東北太平洋側~関東地方にかけて、地形的特性で気温が上がらなくなってしまいます。

梅雨の主役がようやくそろい踏み!というところですね!


本州付近で偏西風分断 これ梅雨入りの兆候!

2013-05-27 18:19:30 | インポート

①5月27日9時の天気図 気象庁HPより引用

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②5月27日9時の気象庁AXFE578図です。日本気象予報士会HPより引用・加工

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日本列島では、先週20日に、気圧の谷が通過後、晴天が広がり、関東以西の各地で気温が上がりました。

これは、日本付近を流れる上空の風(偏西風)が、中国大陸チベット高原で分断されて、日本列島付近で、勢力の強い高気圧が発生、この高気圧に覆われたためですが、この時期、日本列島付近に、この手の高気圧が発生した後、後続の気圧の谷が日本列島に接近すると、この気圧の谷の移動は遅くなってブロッキング気味となり、関東以西の本州南岸の各地では、ぐずついた天気が続き、梅雨入り と言うシナリオを迎えるものです。

引用図②の上側図より、500hpa(上空約5500m付近)の正渦が帯状に分布する箇所 A Bと図示しました。南側のAは、中国大陸から気圧の谷が接近しているため、西日本で北に盛り上がった形となっています。一方、Bの部分では、正渦が大きく蛇行しており、等高度線も狭まり、この付近に、分断された偏西風の北側部分があることが推測され、その南の中国大陸では、上空1500m付近の気温がおおむね12℃以上、一部、15℃や18℃のエリアも見受けられ、偏西風がチベット高原で分断されて、この地域で下降気流が強まったためと思われます。

27日は、九州や中国、四国の各地方で梅雨入りの発表がありました。

28日以降、関東や東海、近畿の各地でも、順次、梅雨入りの発表が出されることは必至でしょう。


国内最大級竜巻発生から1年

2013-05-06 23:53:22 | インポート

昨年の5月6日、茨城県つくば市や栃木県真岡市周辺に竜巻が発生し、特に、茨城県つくば市周辺や常総市周辺に発生した竜巻は、国内最大級のもので、100棟を超える全壊家屋、2000棟以上の家屋に被害がありました。

(概要)気象庁HPより引用

http://www.jma.go.jp/jma/menu/tatsumaki-portal/tyousa-houkoku.pdf

罹災した茨城県つくば市北条地区の様子(本年3月4日筆者撮影)

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1年経った今、改めて、竜巻に対する認識を新たにしましょう!


低気圧が停滞 じつは暖気と寒気のがっぷり四つ状態!

2013-05-02 11:16:43 | インポート

①5月2日6時の天気図 気象庁HPより引用

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②5月2日6時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用

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③5月2日21時の予想天気図 気象庁HPより引用

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昨日より、千島近海で低気圧が停滞ぎみとなって、北日本や東日本には、寒気が流れ込んできています。

このため、北日本や東日本では、3月並の陽気に逆戻り、一部では季節はずれの降雪となった箇所もあります。

引用図①②より、2日6時現在、千島近海には低気圧があって北へ進んでいて、この低気圧を取り巻く雲の集団が、千島近海に勾玉型に現れ、この勾玉状の雲の集団の接するようにして、北日本や東日本には、淡白色の画像域が分布して、その画像域が所処で白く輝いている状態です。

北日本や東日本に、前記したような画像域が表現されるのは、この地域に、500hpaの正渦度が分布しており、換言すれば、寒気の勢力下に入っている状態を示すものですね。

前記した様な、低気圧が北より、もしくは停滞ぎみとなり、当該低気圧を取り巻く雲の集団が、勾玉状となって、その周囲が淡白色の画像域が分布して、かつ、その画像域が所処で白く輝いている状態は、この低気圧を移動させる偏西風の蛇行が強まり、素直に西~東へ移動できない状態(ブロッキング状態)になっている証拠です。

さらに、この、偏西風がブロッキング状態になるのは、暖気と寒気とが激しくぶつかりなっている状態下、換言すれば、暖気と寒気とが、がっぷり四つになっていることにほかなりません。

偏西風のブロッキング現象は、筆者調べにより、発生からおよそ3~4日は続くもの。さらに、ブロッキング解消後は、日本付近の場合、大陸方面に新たな寒気の吹出し(優勢な高気圧の出現)が無ければ、高気圧が東シナ海方面から本州の南半分もしくは本州の南海上に張り出すようになり、西日本や東日本中心に、暖気の勢力下に入り、気温が上昇するパターンとなります(筆者調べ)。

最後に一言、引用図①③より、低気圧がブロッキング状態となり、当該低気圧周辺を高気圧がまんべんなく張り出している場合、当該高気圧は、暖気の勢力が優勢な状態下に、低気圧が西から進んで、暖気と寒気がぶつかり合ってブロッキング現象を引き起こしたもの(筆者見解)。いってみれば、日本付近で暖気の勢力が強まっている状態を示すものといえます。