①7月28日15時の天気図 気象庁HPより引用
②7月28日15時の近畿地方周辺レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用
7月28日は、日本海西部から近畿地方、東海道から関東沿岸へ前線がかかりました。(昨日より東海道以東では前線の位置が少し南下しました。)
当該前線に向かって、南から暖湿流が流れ込んで、本州上空には寒気も流れ込んでいるため。この前線付近周辺を中心に大気が非常に不安定となり、28日未明から朝方にかけては北陸地方中心に、そして、午後からは近畿地方を中心に雷を伴なった猛烈な雨が降りました。(東北地方にも強い雨雲がかかり、岩手県内を中心に激しい雨が降りましたね。)
このため、近畿地方各地で、大雨による被害が多発し、特に神戸市内では、六甲山系から海岸に流れる河川(普段は水量が少なく、公園になっている箇所もあるんですねどね。そうですよね。みなこ妹さん。)が急激に増水し、河川内にいた方々が流されて、4人の方々がお気の毒に亡くなられてしまいました。
今回の神戸市内の災害で教訓となるのは、河川というもの、その流域面積よりも、流域の勾配の緩急が、災害発生を決定ずけると言っても過言ではありません。
河川は、流域勾配が急であるほど、大雨による災害が過酷なものになりやすいと言えます。流域勾配が急であるほど、今回の神戸市内のように、一気に水位が増水し(神戸市内では10分間に1m30cm水位が上昇した河川もあります。)、流域勾配が急と言うことは、山地がすぐ近くに存在することになりますから、山地で発生した山崩れなどが加わって、土石流が発生しやすくもなります。河川の流域距離の長短はあまり関係ありません。
実際、神戸市内では、昭和13年と昭和42年に、大水害が発生しましたし、六甲山系から流れる河川が、大雨の際などに六甲山系の山腹を浸食し、その浸食によって削られた土砂が六甲山系の端の堆積してできた地層(扇状地と言います)に神戸市内中心部が位置しているのを、皆さん、ご存知でしたか?
誤解を承知で言えば、有史以来、神戸市内は、幾度となく大雨災害が見舞われていたと言えるわけで、その土地の生い立ちを知ることは、防災上重要なことだと私は思います。