カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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21日、各地で高温、群馬館林では5月観測史上最高となる35・3℃を観測

2017-05-22 08:18:37 | 日記
①5月21日21時までの全国日最高気温一覧図 気象庁HPより引用



②5月21日21時までの関東甲信越地方周辺日最高気温一覧図 気象庁HPより引用




③5月21日12時の天気図 気象庁HPより引用



④5月21日12時の全国ウインドプロファイラー風向風速分布図 気象庁HPより引用



⑤5月21日9時のAUPQ35図(日本と東アジア周辺の上空約5500㍍※下側 と上空約10000㍍※上側の気温,風向風速、気圧高度図です。
気象庁HPより引用



5月21日、ほぼ全国的に日中、気温が上昇して、全国の各観測地点のうち150か所を超える地点で最高気温が30℃以上となる真夏日を観測し、
とりわけ、群馬県館林では、最高気温が35・3℃と、5月としては観測史上最高となる気温、また、全国で本年初となる猛暑日を観測しております。

この季節外れの暑さの要因は?ですが、まず、引用図③④より、本州上では、南西諸島とシベリア地域の前線との間に位置し、高圧帯に入っていて、この高圧帯、上空2000㍍と3000㍍で、本州中央部に時計回りの気流が解析せれているように、上空まで根を張る勢力の強い高気圧であることがわかります。

この勢力に強い高気圧に本州上が覆われたため、引用図④より、上空1000㍍付近では、風向が疎らで風速が比較的弱めになっていることが推測されますね。

当該、本州中央部に位置している、勢力の強い高気圧、成因は?ですが、

まず、引用図⑤の下側図より、南西諸島の南まで夏の太平洋高気圧が張り出しており、一方、モンゴルからシベリア地域には強風軸がほぼ東西方向に分布していて、この強風軸の南側にあたる、中国大陸東部や本州付近で、特に気温は高まっております。

さらに、引用図⑤の上側図より、日本と東アジア周辺の上空10000㍍付近には、強風軸が南西諸島上空と、上空5500㍍付近と同様、モンゴルから東シベリア周辺にみられ、中国大陸から日本付近にかけては、
双方の強風軸の間に位置しております。

これらのことより上空の偏西風帯が、どうもチベット高原で分断されていることがわかり、このチベット高原の風下側にあたる中国東部から日本付近で分断された偏西風帯に伴う強風軸の間に入って、下降気流が卓越し,本州中央部にも勢力の強い高気圧を発生させたことによる断熱昇温が生じた というのが今回の高温の要因かと思われます。