カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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27日は関東各地で降雪 降雪の後は凍結 濃霧にも注意!

2009-02-27 23:54:24 | インポート

①2月27日9時の天気図 気象庁HPより引用

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②2月27日21時の天気図 気象庁HPより引用

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③2月28日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

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引用図①②より、2月27日は、本州南岸を低気圧が東進して、北から関東平野へ寒気を呼び込んだため、関東地方の広範囲で降雪となりました。

ただ、東地方の広範囲に大雪をもたらすまでには、低気圧や寒気の勢力も弱く、積雪となったのは関東内陸部の一部にとどまりました。まず、一安心 と言ったところでしょうか。

しかし、降雪の後と言うもの、積雪とならなくても、路面の凍結には要注意!であることは知られていますが、もうひとつ 今回のような南岸低気圧通過で降雪となった場合、濃霧にも要注意!と言うことはご存知でしたでしょうか?

特に、降雪をもたらした低気圧が通過後、本州付近上空に強い寒気がやって来ない時で、夜間に降水が止む場合に顕著に濃霧が発生し、寒気を地表付近に滞留させやすい関東平野の各地では、より一層濃霧が発生しやすくなります。

このことは、南岸低気圧通過で降雪になる場合、当該低気圧通過後強い寒気が流れ込んでこない場合、地表付近が低温でも、上空1500m付近より上側では比較的気温が高くなっていることが多く、上空700m~1000m付近に気温の逆転層(高度が上がるのに気温が逆に上昇している気流の層を言います)があるのが通常で、当該逆転層の下側では露点温度と温度との差が殆どない状態となっています。つまり、逆転層があるため、湿っていた気流が澱み、さらに気流自体、湿ってしまうため、濃霧が発生するものですね。

さらに、河川沿いの地域や、地形的に盆地になっている箇所では、地表付近に冷気が滞留やすく、湿度も局地的に高くなっているため、余計に濃霧が見舞われやすくなります。

過去にも、降雪上がりの朝方は、濃霧や凍結のために、大きな自動車事故が高速道路上で発生しています。特に、高架になった箇所では地熱が届かず、路面が一層凍結しやすいもの。すでに27日23時現在、関東地方や甲信越地方の広範囲で湿度90%以上となっていて、伊豆諸島を除く関東地方各地域と甲信越地方の各地域には濃霧注意報が発表されています。

これから28日朝方にかけて、関東地方や甲信越地方では、濃霧や路面凍結が予想されます。交通機関や車の運転はご用心!


27日は関東内陸部で積雪の恐れ!

2009-02-26 23:39:45 | インポート

①2月26日18時の天気図 気象庁HPより引用

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②2月27日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

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③2月27日9時の日本付近500hpa(上空5500m付近)気温分布予想、700hpa (上空3000m付近)湿数分布予想と鉛直方向気流分布予想と上空1500m付近気温と風向風速分布予想図 日本気象予報士会HPより引用・加工

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2月26日高気圧が日本海に進んできましたが、関東地方から見ると北へ偏って張り出す格好となり、関東平野には、件の 東海上からの湿った海風(北東気流)が入り、予想以上に天気が愚図ついてしまいました。

27日ですが、低気圧が本州南岸を東進する予想で、関東地方では更に天気は愚図つき、関東地方の内陸部では積雪となる恐れもでてきました。

引用図③の下側図より、27日9時には、北海道の北~千島周辺では寒気移流となっており(関東平野に冷気が入り込んで降雪となるパターンです!)、房総半島沿岸部で南東風と予想され、件の 沿岸前線は、房総半島南岸付近に発生すると見られ、関東平野では、広範囲にわたって、沿岸前線の北側に入り、下層に冷気が澱んで滞留しやすい状態となりそうです。

さらに、引用図③の東側より、関東平野で降雪となる、上空1500m付近の-3℃の等温線が、27日9時には、関東北部にかかってくる予想ですね。

関東平野の下層に冷気が滞留する予想を勘案して、2月27日は、神奈川県西部~東京都西部(おおむね八王子付近より西側でしょうか)~埼玉県南西部、北部を結ぶ線上より北側に入る地域では積雪となる可能性が大きいでしょう。

東京都心や横浜なども、27日朝、一時的に雪となりそうですが、積雪となることはないでしょうね。

交通情報には注意して、積雪となる地域では、歩行中の転倒やスリップ事故等にはご用心!


発達中の低気圧本州南岸を通過 銚子沖では乱気流で怪我人も これから21日は北日本でまさに冬の嵐!

2009-02-20 23:41:32 | インポート

①2月20日12時の天気図 気象庁HPより引用

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②2月20日12時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用

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③2月21日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

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2月20日は、低気圧が発達しながら本州南岸を東進しました。

この為、関東沿岸や伊豆諸島では、20日日中、瞬間で30mを超す台風並みの強い風を観測しましたし、夜になって、強い風の区域は北日本へと移ってきています。

20日22時現在、北海道のほぼ全域と、東北北部の各地域には、暴風雪警報や暴風警報 波浪警報が発表されています。

引用図③より、21日9時には、低気圧が千島近海で台風並みに発達して、天気図上で、北日本では、21日は、等圧線の幅が経度1度につき2hpa  かそれ以上に狭まり、引用図にはありませんが各種予想図より、北日本の上空1500m付近では、風向が地表付近とほぼ同一方向で 風速がおおむね60ノット以上(一部で70ノット以上)と相当強まる予想です。上空5500m付近で-36℃以下(-35℃以下で、平地でも大雪警報クラスの降雪となる目安となります。)の等温線が、21日には、東北南部上空にかかる予想です。

このため、これから21日にかけて、北日本では、暴風警報クラスの非常に強い風が、雪を伴って吹き荒れる予想です。また、北海道のオホーツク海側や北日本の日本海側や北陸では、大雪となり恐れがあります。

北日本や北陸の皆様!今後、気象情報にはくれぐれも注意されて、どうか、事故のないように!

また、20日11時50分頃、千葉県銚子沖上空21000フィート(約7000m)上空で、成田空港への着陸待ちであった、マニラ発成田空港行きのノースウエスト航空機が、強い乱気流に巻きもなれて、負傷者多数と言うニュースが入ってきました。

引用図②より、事故当時(引用図②は20日12時のもの、事故発生時直後ですよね)、関東南岸には発達した降水雲があり、ややテーパリングクラウド気味に、北東へ雲が広がって、銚子上空付近へと広がっています。これは、千葉県銚子付近の上空が南西の強い風が吹いていることを示しています。

件の、ノースウエスト機、千葉県銚子上空の高度21000フィートから23000フィートあたり(おおむね7000m上空)で乱気流に巻き込まれたとのこと。関東南岸にある強い降水雲は、1時間あたり、およそ10㎜程度の降水をもたらしていたことが、レーダーアメダス解析雨量図より判明しています。

1時間当りおよそ10㎜の降水量をもたらす雲の雲頂高度は、およそ6000mから7000mになると言う経験則があります。関東南岸の強い降水雲を発生させた上昇気流が雲頂高度付近で四方に広がる気流となり、この付近を吹いている強い南西風と衝突して、気流が乱れて、今回の乱気流を発生させたと、私は考えています。

発達した降水雲の雲頂高度付近の風下側は、実は、乱気流が多発しやすい場所でもあるんですよね。この点、航空機運行には、充分留意するべき事であると私は思います。


20日は低気圧が発達しながら本州南岸を進む 太平洋沿岸を中心に暴風 高波 大雨に要注意!内陸では大雪

2009-02-19 23:25:44 | インポート

①2月19日18時の天気図 気象庁HPより引用

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②2月19日18時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用

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③2月20日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

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西から本州付近へ低気圧や前線を含む気圧の谷がやってきました。

引用図①②より、東シナ海にある低気圧に対応する雲の集団として、東シナ海から北東方向へ⌒型に広く広がった雲の集団がありますが、こういう雲の分布パターンを示す場合、南からの暖湿流が上昇して上空で北東方向へ吹き広がった状態を表しており、当該雲の集団に対応する低気圧は間違いなく発達するものですね。

今後、20日にかけて、引用図①で東シナ海にある低気圧は発達しながら東進すると見て間違いなく、特に、引用図③より、20日には、東海沿岸~関東南岸を通過する予想です。

私自身、低気圧が関東南岸を進むと予想される場合、上空1500m付近の風向風速の予想について着目しています。関東地方に発生する 沿岸前線の発生位置を、当該低気圧がなぞるように進むからです。

低気圧が関東南岸を通過時に、上空1500m付近で南~南東風の場合、風速がおおむね25ノット以上になると、沿岸前線は千葉県中部付近に さらに、上空1500m付近で、風向が南~南西風となると、沿岸前線は、神奈川県中部から東京23区付近に発生し、風速がいくら強くても、沿岸前線は、神奈川県中部~東京23区西部から多摩地方東部~千葉県北西部~茨城県南西部より内陸側には発生しません。これは、関東地方内陸部では気流が澱んで、気温の低い気流が滞留しやすいからですね。

さて、20日の場合ですが、引用図にはありませんが、各種予想図より、低気圧が関東南岸を通過する20日昼前後は、関東地方の上空1500m付近で、南~南西風で、風速はおおむね50ノット以上(一部で60ノット以上)と相当強まる予想です。このため、沿岸前線は、20日昼頃にかけて、神奈川県付近~東京23区~千葉県北西部に発生すると見られ、低気圧も発達しながら、当該沿岸前線上を進むでしょうね。

当該低気圧の中心付近では、等圧線(地上天気図)の幅が経度1度につき2~2.5hpaとなり、上空1500m付近でおおむね60ノット以上と予想されますが、この程度ですと、上空1500m付近と風向が一致する箇所(今回20日の事例ですと、低気圧の南側)では、暴風警報クラスの風速となると考えて間違いありません。

よって、20日昼頃、低気圧が通過するすぐ南側にはいる神奈川県海上や千葉県沿岸部、伊豆諸島では暴風警報クラスの風速が見込まれ、海上ではおおしけとなりそうです。

さらに、関東地方や甲信越地方より北側では寒気が残っており、関東地方内陸部では、前記した沿岸前線の北側に入り、気温の低い気流がし易くなることと、低気圧自体発達しながら関東南岸を通過することで、降水量もまとまることより、関東地方内陸部や甲信越地方では大雪(湿った雪)となる恐れもあります。

湿った雪による電線や樹木の着雪や、積雪による交通障害には充分注意してください。!

20日午後以降、暴風や高波、大雪の範囲は、東北地方へと移りそうですね!


本州付近には北から寒気が 気温の急低下にはご用心!

2009-02-16 12:59:15 | インポート

①2月16日9時の天気図 気象庁HPより引用

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②2月16日9時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用

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週末から、関東以西の本州南岸沿いの地域では、暖かな(と言うか、13日は暑いほどの)陽気は続いていましたが、16日は、北から本州付近には寒気が流れ込んできつつあります。

本州付近が弱い冬型気圧配置で、新たに寒気が流れ込んでくる時の露払いとして、

Ⅰ・日本海に小さな低気圧や等圧線の撓み(低圧部)が発生して、東進する。 

Ⅱ・北日本やオホーツク海方面で低気圧が発達し、この低気圧から延びる寒冷前線が本州上を日本海から南下する。

Ⅲ・低気圧がオホーツク海方面で停滞気味の場合は、雲画像上でほぼ東西に走る雲の帯(上空1500m付近で等温度線や等温位線が混んでいる部分に発生したり、上空のジェット気流に伴う、正確に言うと、ジェット気流のすぐ南側で発生した雲の帯)が本州付近を南下する。

以上の3点が挙げられます。

そして、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲとも、低気圧や前線、雲の帯の通過した日本海や黄海、東シナ海には、寒気吹出しに伴う筋状雲がびっしりと現れるものです。

今回は、前記Ⅲに該当するものですね。

引用図②を良くご覧ください。16日9時現在、日本列島の東海上から本州南岸にかけて、ほぼ東西に長々と雲の帯が映し出されていますが、次にお見せする 引用図③の2月16日3時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用※引用図②の6時間前 をご覧頂、本州付近にかかる 件の 雲の帯の動向の着目しましょう。

③2月16日3時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用

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引用図②で本州南岸にかかっていた雲の帯は、この時間、本州上空にあります。当該雲の帯は本州上空を南下している様子がわかります。

そして、引用図②③より、この雲の帯の進行方向後面の日本海方面には、寒気吹出しに伴う筋状雲がびっしりと現れており、シベリア大陸のすぐ沖合いから筋状雲が発生していることから(離岸距離が短い)、本州付近に流れ込んでくる寒気の勢力が強いものであることをも示しています。

これから、本州付近には、強い寒気が流れ込んで気温が低下する見込みですね。

ちなみに、あす17日朝の東京都心の最低気温の予想が、0℃~1℃とか。皆さん、急な気温の変化で体調を崩さないように!