カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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関東で震度4

2005-07-28 23:55:35 | インポート
また,関東地方にやや強い地震が発生しました。

28日午後19時40分頃、茨城県南部の深さ約50キロあたりで、マグニチュード5・1の地震が発生。
埼玉県、栃木県、茨城県、群馬県の一部で震度4を観測しました。

東京都心大手町では震度3でしたが、去る23日の強い地震の記憶がまだ新しいため、ドキッとした方も多いのではないでしょうか?

ちなみに、この地震は、関東地方が載っている北米プレートと、その下に沈み込むフィリピン海プレートとの境界付近出発生したものと推測されます。この手の、北米プレートと、その下に沈み込むフィリピン海プレートとの境界付近で発生する地震は、定性的に、震源から北西方向に大きな揺れの区域が広がるものです。


東京で35・6℃、山梨南部町で37・3℃

2005-07-27 23:50:40 | インポート
2005072712

※引用図は27日12時の天気図です。(気象庁HPより引用)

27日は、台風7号も北海道の東海上に去って、関東以西の各地では台風一過の夏空が広がりました。

台風が持ち込んだ暖かい空気が残ったところへ、関東北部山岳や中部山岳を超える際のフェーン現象が加わって、関東地方や甲信越南部では猛暑となり、山梨県南部町で37・3℃、東京でも35・6度の最高気温を観測しました。

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2005072712_Kaze

※引用図は、27日12時のアメダス関東周辺気温分布図と風向風速図です。(気象庁HPより引用です。)

引用図より、27日12時現在、関東地方では、北部では、北から北西風がやや強めですが、南関東の神奈川県では、静岡県方面から吹き込む西南西から南西の風が吹いています。この、風向が異なる2つの風同士が、東京のすぐ南で合流しています。
風同士が合流すると、その周辺では、気流か地面に向かって下降するようになります。気流が地面に向かって下降する状態だと、下降する箇所の気温は上昇するんですね。(下降気流による断熱昇温と呼んでいます。)このため、前記した、2つの風が合流する、東京地方や千葉県中部周辺で、特に気温が上がったわけです。





台風7号 房総半島に上陸

2005-07-26 23:32:20 | インポート
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※引用図は、26日18時の天気図です。(気象庁HPより引用。)

台風7号は 26日20時過ぎに、房総半島の千葉県鴨川市付近に上陸しました。

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※引用図は、26日15時と21時の雲画像図です。(気象庁HPより引用。)

ただ、台風としての渦巻きは次第にぼやけてきて、(元々、そんなに台風としての渦巻きはしっかりしておらず、台風としては、さほど強いものではありませんが。)この台風自体、衰弱傾向にあります。が、台風自体は大きく、日本列島半分程度覆われてしまうものです。

台風7号は、関東西部山間部や東海地方に大雨をもたらしました。神奈川県の箱根町や静岡県の天城さんでは、総雨量が400ミリを超えたほどですが、今後、東北地方の太平洋沖を北上する見込みです。

雲画像図より、台風を取り巻く雲の走向が判りますが、この台風を取り巻く雲の走向は、台風自体が持ちこむ、大雨の原動力となる暖かく湿った空気の流れこむ方向とも言えますが。この雲の走向に開いた山の斜面では、今後、大雨の恐れがあります。

場所としては、北海道太平洋側と東北太平洋側ですね。それに、新潟県付近や富山県付近、長野県北部あたりも雨量が今後、相当多くなりそうな気配です。




台風7号がじわり北上。

2005-07-25 19:46:24 | インポート
SPAS-GG
※引用図は7月25日15時の天気図です。(気象庁HPより引用。)

台風7号が、本州めがけて北上中です。このままの進路ですと、26日夜遅くに、静岡県から関東地方の太平洋沿岸のどこかに上陸しそうですね。上陸後、台風7号は、本州を縦断する見込みです。

これから、台風の進路にあたる、東海地方や関東地方では、大雨や強風に要警戒。特に関東西部の山間部や山梨県、静岡県では、豪雨災害にはくれぐれもご用心ですね。
また、台風の進行方向右側に入ると予想される、関東地方や静岡県では、沿岸部を中心に特に風が強まりやすく、明日の夜からは暴風雨となりそうです。

さらに、忘れてはならないのは、関東平野や、静岡県、愛知県沿岸では、明日の午前中は、風向や風速に注意。北よりの風向で風速弱めであれば、レーダーエコー図や、雲画像図を見て、台風を取り巻く雲が通過しないか見守りましょう。すでに上空では南から南東風がだいぶ強まっているのに、地面付近で、風が弱めで風向が上空と逆方向であると、当該台風を取り巻く雲の通過時に竜巻や突風が発生する恐れもあります。


関東地方は地震のゆれ方が複雑

2005-07-24 20:16:21 | インポート
昨日に続き、地震ネタを提供します。

昨日の千葉県北西部を震源とする地震では、東京都足立区で震度5強を観測したのをはじめ、東京23区や千葉県、神奈川県、埼玉県の一部で震度5弱の強い揺れを観測しました。

震源から地震波が伝わる地殻の硬さなどが均一な状態であれば、地震のゆれの強さの分布は、理論的には震源地を中心として同心円状となる筈です。が、昨日の地震の、関東地方の震度分布を見てみると、そうでないのがわかります。

それは、東平野が乗っかっている地殻はその硬さなどは均一ではなく、関東平野(北米プレートを呼ばれる地殻に乗っています)の地下には、東側から太平洋プレートが、そして南側からはフィリピン海プレートと呼ばれる地殻が沈み込みながら、互いにぶつかり合っているという、複雑な地殻構造のためですね。

関東平野に限ったことではありませんが、地震があるプレート(地殻)で発生すると、おもに、そのプレート沿いに地震波のエネルギーが伝わります。この結果、地震の揺れの強さの分布が、同心円状にはならず、震源地から離れたところで揺れが大きくなってしまうこともあります(これに地盤の硬軟も左右しますが)。この状態を異常震域と呼んでいます。

関東地方では、今回の地震のような、太平洋プレートとフィリピン海プレートが重なり合っている個所で地震が発生すると、おのおののプレート沿いに地震のエネルギーが伝わります。この結果、当該地震の揺れの分布は、震源地から、地震波の進行方向左側前方と右側前方に広がるようになるものです。これに、地盤の硬軟の影響も加わります

このため、昨日の地震は、関東平野では、千葉県北西部で震源地でありましたが、震源地からやや離れた、埼玉県南東部や神奈川県東部でも、かなりの揺れとなったわけです。