カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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明日28日は、関東では夕方から急な雨 雷に注意!

2006-11-27 23:56:10 | インポート

06112718 引用図は、11月27日18時の天気図です。気象庁HPより引用。

27日は、低気圧の接近通過に伴い、関東地方では明け方強い雨が降った所もあります。その後も、本州付近の上空には気圧の谷が残っていたため、すっきりとした天気の回復がなく、後続の上空の気圧の谷が本州付近上空を東進するのに伴い、再び西日本の各地から雨が降り出してしまいました。

06112709 引用図は、11月28日9時の予想天気図です。気象庁HPより引用。

これから明日28日明け方にかけて、上空の気圧の谷がひとつ本州上を通過し、東海上へ達する予想です。

関東地方など、28日明け方まで雨が降るところも多いですが、その後はいったん雨も止み、内陸部を中心に晴れ間が広がる時間もありそうです。

ただ、引用図の28日9時の予想天気図より、本州上で等圧線が ⊂ の形となっていますが、これは、まだ、本州付近の上空に気圧の谷が残っていることを示すものです。

引用図にはありませんが、各種予想図より、28日は、更に後続の上空の気圧の谷が西から本州に上空に接近 通過し、明日夜遅くに本州の東海上へ抜ける予想です。

おまけに、この上空の気圧の谷は併せて寒気を伴っており、明日28日9時には、関東地方上空5600メートル付近でも-20℃以下となる見込みで、関東平野では、28日日中、南部沿岸からは南西風が、そして、東海上からは北東~東風が入り込み、双方の気流が関東中部で収束する形になるそうですので、よりいっそう大気が不安定となる見込みですね。

このため、前記した双方の気流の収束した地域を中心に雷雲が発生し、28日夕方から夜半前にかけて、この雷雲は、気流の収束した地域沿いに広がり、急な雨や雷となる恐れがあります。

明日夜には、この雷雲が広がった地域に、新たに低気圧も発生しそうです。

まさに、今月15日の天気変化のパターンと同じですね。

関東地方の皆さん。あすは、出かけるときには雨が上げっていても、必ず、雨具は忘れずに!折りたたみ傘があれは安心ですね。

でないと、急な雨に打たれてびしょ濡れとなり、風邪薬のお世話になる羽目になりかねませんよ!


低気圧の本州付近での挙動について Part1(南岸低気圧①編 南岸低気圧接近時はその前方にも注意)

2006-11-26 18:37:38 | インポート

06112615 引用図は、11月26日15時の天気図です。気象庁HPより引用。

26日西から本州付近に、低気圧や前線を含む気圧の谷が接近してきました。

すでに、九州南部や四国の一部では強い雨も降り出してきており、26日17時現在、高知県の一部に大雨・洪水警報が発表となっております。

今日は、低気圧が本州付近を通過するとき、どういう挙動をするか紹介しましょう。(本日は南岸低気圧編ですね。

通常、低気圧が本州南岸を通過する際には、これに対応する上空の谷があまり深くなく、当該低気圧の前面(本州南海上)の風向が南東から南よりが卓越する場合ですが、

1・低気圧が九州に接近するとき、当該低気圧に伴う前方の前線上にあたる四国沖から紀伊半島沖付近に別の低気圧が発生する。

2・そして、その前方の低気圧が主力となって、本州南岸を東進する。

傾向が強いものです。

前記1になる場合、九州に接近する低気圧の前面にまとまった雨雲があるのが通常で、その雨雲が、四国沖付近の地形的特性で、地表付近で気流が集まりやすく、前記し他雨雲が更にまとまって、そこに低気圧が発生する と言うシナリオです。

南海上の南東~南より風の走向と風速の加減で、当該低気圧発生地点が、四国沖になったり、紀伊半島沖になったりします。紀伊半島から東海道沖で南東風が強まっている場合、日本海側の若狭湾沖に、更に別の低気圧が発生しやすくなりますので、それにつれて、前記した低気圧の発生場所も、紀伊半島沖付近にずれるようになりますね。

よって、前記した原因で九州に接近する低気圧の前方に低気圧が発生すると、雨雲の主力はこの低気圧周辺に分布するようになることから、この前方に発生する低気圧が接近通過するまでが、まとまった雨が降りやすいタイミングであるので、この点、防災上、看過できません。

前記引用図の11月26日15時の天気図で、四国沖に低気圧がありますが、この低気圧、前した要因で、四国沖に新たに発生したものです。26日朝の天気図で九州の南西に低気圧がありますが、この低気圧が東進して四国沖に到達したわけではありません。

この様子を、①11月26日9時の天気図 と②11月26日15時の天気図をご覧頂いて、再認識いただきたいと思います。

06112609q

→②06112615_1

さて、これから、明日27日にかけて、この四国沖に発生した低気圧はどうなるのでしょうか?その様子を、11月27日9時の予想天気図でご覧いただきましょう。※引用図は気象庁HPより引用です。

06112609

前記した、四国沖の低気圧は、これから本州南岸を東北東へ進み、明日27日朝9時には関東地方のすぐ東に達する予想です。この低気圧周辺が雨雲の主力となりますので、これから本州南岸に各地では、大雨に警戒が必要 です。!

なお、追伸ですが、高知県室戸市で本日16時30分までの1時間に144ミリの猛烈な雨を観測しました。また、本日昼過ぎに、高知県土佐清水市で突風が発生し、民家の破損などの被害がありました。

これから、本州南岸では、前記した低気圧に伴う強い雨雲がかかってきます。特に、再三、本ブログで説明した、沿岸前線 発生地点付近ではなおいっそう大雨や突風 竜巻などに警戒してください!

沿岸前線発生見極めには、アメダス風向風速データと気温データを監視することが肝心です。沿岸前線発生地域に、別の発達した雨雲がかかる際に、竜巻、突風が発生するものですので、レーダーエコー図(アメダス図含めて気象庁HP内に紹介されていますよ。)で、発達した雨雲の動向をも注意しましょう。!

今後、紀伊半島から愛知県、静岡県沿岸や、神奈川県沿岸、伊豆諸島北部、千葉県、茨城県沿岸が前記した、沿岸前線 による、大雨や竜巻 突風発生には要注意です!


知床半島で羅臼風発生 九州北部は午後から暴風

2006-11-23 23:51:27 | インポート

06112312 引用図は11月23日12時の天気図です。気象庁HPより引用。

23日は北日本で等圧線が混み、午前中を中心に、暴風が吹いたところもありました。また、昼すぎから、北海道知床半島羅臼町周辺で、局地風として有名な、羅臼風が吹き、23日14時に、羅臼町で風速20メートルに達しております。

北海道の他の地域が風が弱まりつつあるときに、この羅臼風は発生しています。これは、発達した低気圧が千島近海に進んで北海道からは遠ざかるとともに、上空の気圧の谷が抜けて、羅臼町上空が下降流の場になったことより、北西風が知床半島の山脈を吹き降りてて発生したものです。

羅臼風発生のタイミング(他のおろし風と呼ばれる局地的強風は皆同様です。)としては、

1・上空3000メートルあたりまで、地表と同じ北西風であること。

2・発生時期は、羅臼町周辺の上空3000メートル周辺が下降流の場で、特に、上昇流から下降流の場に移行してすぐの時期。 

3・羅臼町上空550hpa  で渦度0線(上空の強風帯)がかかること。

以上が挙げられますが、気象庁HPより引用した、①11月23日12時の北海道東部周辺アメダス風向風速図 ②11月23日13時の北海道東部周辺アメダス風向風速図 ③11月23日14時の北海道東部周辺アメダス風向風速図 ④11月23日15時の北海道東部周辺アメダス風向風速図 ④日本気象予報士会HPより引用の11月23日9時のAXFE578図で、羅臼しも風が強まった様子をご覧いただきましょう。

200611231200001

→②200611231300002

→③200611231400001

→④200611231500001

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引用図の配置からは、順序が逆になりますが、⑤より、23日9時現在、羅臼町周辺上空では気圧の谷が残っていますが、樺太方面より、負渦度が移流してきている状態(3000メートル上空ではこういう場合は、下降流が卓越しますね)となっています。この負渦度が、引用図にはありませんが、各種実況図より、羅臼風発生時の23日13時~14時ごろ羅臼町周辺の上空に差し掛かったものと推定されます。①②③④より、13時~14時あたりで、羅臼町では、北西風がとりわけ強まっている様子がわかりますね。

低気圧通過後も、この手の局地的強風には手抜かりならぬ!と言えますね。※羅臼風の記事は本ブログで本年1月24日の記事でも紹介しています。ご覧ください。

一方、23日午後からは、先日の記事で紹介したように、対馬海峡周辺を中心とした、九州北部では、北東風が非常に強まり、23日21時現在、福岡県、佐賀県、長崎県の各県の一部には、暴風警報と波浪警報が出されています。

引用図は 11月23日21時の天気図です。気象庁HPより引用。

06112321 23日21時現在、海上保安庁HPより、対馬海峡や五島列島周辺では、多くの地点(灯台での観測です。)北東の風が風速20メートル以上に達しています。

この方面の暴風は、24日午前中までと続く見込みです。ご用心ください!


北日本では大荒れ 沖縄では大雨 明日は九州北部でも暴風か

2006-11-22 23:50:47 | インポート

06112218 引用図は11月22日18時の天気図です。気象庁HPより引用

昨日の記事で紹介したように、22日は、低気圧が北海道の北で急速に発達したため、北日本の各地では大荒れの天気となりました。

22日昼過ぎに北日本を低気圧に伴う寒冷前線が通過した後、上空には非常に強い寒気も流れ込んできたため、22日午後からは、北日本の平野部でも本格的な雪となりました。22日午後10時現在、札幌で積雪5cmとなっているほか、北海道の一部では積雪が10cmを超えている所もあります。

も、瞬間最大風速が北海道の浦河で37・8メートルを観測したほか、北見枝幸、留萌、広尾、室蘭で30メートルを超えましたし、おろし風の影響で、岩手県内陸の盛岡でも、最大風速が西南西14メートル、瞬間最大風速で西北西26・1メートルの大変強い風を観測しました。

一方、前線がかかり、前線上を低気圧が東進し、この前線に向かって暖かく湿った気流が入り込んだため、沖縄本島周辺では、22日昼過ぎから宵の内にかけて、雷を伴った1時間に50ミリを超す猛烈な雨に見舞われました。

勤労感謝の日のあす23日はどうでしょうか?今度は、対馬海峡を中心とした九州北部で暴風が吹く恐れがあります。気象庁HPより引用の11月23日9時の予想天気図をご覧いただきましょう。

06112209

予想天気図より、北日本では等圧線が混んで、あす23日午前中までは、暴風、ふぶき、海上の高波には警戒が必要です。

大陸からは優勢な高気圧が北日本を中心に張り出し、本州上では寒気の流入強まる予想ですが、日本海西部から等圧線の方向が真横に走るようになって、等圧線の幅も混み、北東の風が強まることがわかります。

一方、東シナ海にかかっている前線は本州の南海上まで延び、前線上の低気圧が九州の南に進んでくる見込みです。前線に向かって等圧線が ハ の字型になっており、南海上から暖かく湿った気流が前線や低気圧に向かって大量に流れこんでいる様子がわかりますね。

この前線をはさんで、南は暖気移流が強まっており、北側も寒気移流が強まる予想ですので、このような場合、日本海西部から黄海、東シナ海北部で等圧線の幅がいっそう狭まり、特に、対馬海峡方面では、朝鮮半島の山脈の影響などで、いっそう 北東の風が強まるものです。

よく、冬季に、関東など、太平洋側が降雪となる時(今回のように、本州上が北からの寒気移流が強まる場合が当てはまります。)対馬海峡では、北東風が事のほか強まりますが、前記したことが原因でしょう。

すでに22日22時現在、対馬の厳原の上空1000メートルでは東北東の風が風速25メートルとだいぶ強まってきました。おおむね 1000メートル上空で風速が28メートル程度以上となり、地表との風向が一致する場合、暴風警報クラス(海上で風速25メートル以上)の風が吹くようになります。

明日23日の対馬海峡を中心とした九州北部では、暴風にご用心!

通常、台風や、発達した低気圧、強い冬型などで、暴風が吹くというイメージが浮かびますが、前記のように、地表と上空との風向が一致して、等圧線が混む場合も暴風となりますから、決して、侮ってはなりません!

追伸ですが、23日は、関東地方など、冬季に降雪となる気圧配置になりますから、とりわけ、気温が上がらず、寒む~く感じる1日となってしまいそうです。

でも、こうなると、おでんで、熱燗が美味くなりそうね。特に松竹梅の熱燗は乙なものですぞ!


22日は 北日本で大荒れの天気

2006-11-21 20:48:35 | インポート

06112112 引用図は、11月21日12時の天気図です。気象庁HPより引用。

今日21日は、昨日の記事とおり、北海道南西部の おでき状になった等圧線の部分に低気圧が発生し、北海道南西部や青森県の一部では、強い雨も降りました。

一方、他の地域は、晴天が広がり、穏やかな小春日和の1日でしたね。

しかし、この、小春日和も本日まで。明日22日は、低気圧が急速に発達しながら北海道の北へ進んでくるため、北海道や東北北部など、暴風警報級の非常に強い風が吹き、午後からは、上空に強い寒気も入ってきますので、平地でも次第に雪に変わり、吹雪となり所も多そうです。勿論、海上はおおしけが予想されます。

06112109 その模様を、11月22日9時の予想天気図でご覧いただきます。気象庁HPより引用です。

引用図と、引用図にはありませんが、各種予想図より、今回は、寒冷前線の通過後、北日本の上空には、平地でも雪となるような、非常に強い寒気が入ってきます明日午後からは、北日本の日本海側や山間部では雪となるところが多く、沿岸や、山間部の峠や稜線上などでは、ふぶき となるところもありそうです。大雪やふぶきによる視界不良などにも注意しましょう。

なお、この寒冷前線の通過時には、急な強い雨や雷、突風や竜巻の恐れがあります。地表で気流が集まっている所へ、寒冷前線に伴う強い積乱雲が通過するときなど、特に竜巻や突風の危険があります。地表付近の風の流れ具合にも気を配ったほうが良さそうです。

また、各種予想図より、明日の午後からは、上空の 渦度0線(上空の強風帯とお考えください)が、東北地方北部を西北西~東南東方向へ横切り、東北北部の太平洋側周辺では、この上空の強風帯が一部、地上にも吹き降りてくる状態が予想されますので、岩手県や宮城県あたりでも、西北西から西風が相当強まる恐れがあります。

明日22日は、北日本では、交通機関など混乱されます。どうか、ご用心ください!