カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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低気圧接近時の関東沿岸の強雨 発生位置の目安はこんな個所

2017-10-09 00:29:59 | 日記
本州太平洋側に低気圧が接近時に、時には本州太平洋沿岸部で強雨を伴います。
当該低気圧に向かって流れ込む暖湿流の度合いによって、強雨の程度は左右されますが、特に、関東地方周辺の場合、暖湿流と、関東平野周辺の気流との境目にそって、強雨が発生します。

この様子を、CASE1 平成29年9月28日早朝 と CASE2 平成29年10月7日早朝 に発生した関東沿岸部での強雨の様子を紹介していきましょう。
(引用画像はすべて気象庁HPより引用)

◇ CASE 1

① 9月28日6時の天気図


② 9月28日6時の全国ウインドプロファイラー風向風速分布図


③ 9月28日6時の関東地方周辺アメダス関東地方周辺風向風速分布図 


④ 9月28日6時の関東地方周辺レーダーアメダス解析雨量図




◇ CASE 2

① 10月7日3時の天気図


② 10月7日3時の全国ウインドプロファイラー風向風速分布図


③ 10月7日3時の関東地方周辺アメダス関東地方周辺風向風速分布図 


④ 10月7日3時の関東地方周辺レーダーアメダス解析雨量図


CASE1 CASE2の事例ともに、強雨発生地内では、1時間当たり80㍉以上の猛烈な雨を伴いました。良事例引用図②より勝浦の上空1000㍍付近で、風向が東よりから南分を帯びるようになると、関東沿岸部から伊豆諸島では強雨発生のシグナルですが、CASE1では、強雨発生地域中心は千葉県〜神奈川県三浦半島~静岡県沿岸 にたいし CASE 2 では、伊豆諸島三宅島周辺から伊豆諸島北部に見られます。

この差は? ですが、両事例の③ アメダス関東地方周辺風向風速分布図の、三宅島の風向に注目です。

CASE 1 では、三宅島は南寄り風 なのに対し CASE 2 では、北寄り風となっています。三宅島が南寄り風であれば、南からの暖湿流と関東平野周辺の気流との不連続箇所(沿岸前線。強雨発生箇所)は、東海地方沿岸〜関東南岸に発生しますが、三宅島が北寄り風であれば、沿岸前線は、房総半島沖とまり、強雨の中心は、伊豆半島中心となります。
ただ、この場合におきましても、千葉県〜茨城県南部では、関東東海上からの湿った気流と関東平野周辺との気流とが衝突しやすく、雨量がまとまることも多いものですから油断なりませℝん。