カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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関東・甲信越地方では午後から不安定。雷や強い雨も。

2006-05-30 09:34:26 | インポート

06053006 引用図は、30日6時の天気図です。気象庁HPより引用。

このところ、不安定な天気が多い関東・甲信越地方ですが、今日も、午後から夜にかけて、あちこちで雷や強い雨が降る恐れが出てきました。

引用図にはありませんが、今日の日中から夜にかけて、関東・甲信越の上空を、寒気を伴った気圧の谷が通過する予想です。引用図の30日6時の天気図より、日本海が低圧部になっているのが分かりますが、このような気圧配置の場合、当該日本海に気圧の谷が隠されていると疑って誤りありません。

20060530090000 引用図は、30日9時の関東周辺アメダス風向風速図です。気象庁HPより引用。

引用図の、関東地方周辺アメダス風向風速図より、関東地方には、東海上の鹿島灘方面から東から北東の風が入っていますが、関東南部の沿岸では南よりから南西風が入り始めています。今後、日中になると、この、関東南部の南よりから南西風は、関東南部に広範囲に入り込み、前記した鹿島灘方面から東から北東の風と、関東南部で衝突するでしょう。

こうなりますと、この、異なる風向の気流同士が衝突した場所で、雷雲は特に発達するものである と言うことは、これまでも繰り返し本ブログで述べてきました。

今日30日も、今月20日や24日のパターンと酷似しています。

よって、関東・甲信越地方は、きょう午後から夜にかけて雷や強い雨に注意!特に関東南部で雨量まとまるようになりますよ!


明日29日にかけても北海道太平洋側で大雨の恐れ。

2006-05-28 22:25:18 | インポート

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引用図は、左側が28日18時の天気図と右側が29日9時の予想天気図です。双方とも気象庁HPより引用。

今日28日は低気圧が関東沿岸から東北地方の東海上を北東に進みました。

このため、東北地方や北海道地方の太平洋側を中心に大雨となり、特に、北海道胆振地方の一部では、28日21時までの24時間雨量が200ミリを超えたところもあります。

引用図で、東北地方の東海上にある低気圧は、あす29日になると弱まり、天気図上でははっきりしなくなります。

が、別の低気圧が28日18時に日本海西部にあり、この低気圧がゆっくりと東進し、明日29日9時には、日本海中部に進んできそうです。

この低気圧、①等圧線が閉じた円形である ②動きがゆっくりある と言う性質持ち合わせていますが、実は、前記した2種類の性質を持つ低気圧が、上空に寒気を伴った低気圧(寒冷低気圧)である証なのです。

よって、この低気圧、寒冷低気圧でありますので、先月4月19日の記事で解説しましたように、この低気圧の東から南東方向には、発達した雨雲を伴っていることがわかります。

また、明日29日9時の予想天気図より、北海道の太平洋側には、南から、等圧線が ハ の字側に走っていますね。南海上より、大雨の源となる、暖かく湿った気流が大量に流れ込んでいることを示してします。

よって、あす29日にかけても、北海等の太平洋側を中心に大雨の恐れがあります。

この地方は、普段、降水量が比較的少ない地域だけに、大雨災害には特に警戒ですよ!


これから関東,東海では雨量まとまる。

2006-05-27 18:23:49 | インポート

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引用図は、左側が5月27日15時の天気図で、右側が5月28日9時の予想天気図です。双方とも気象庁HPより引用。

九州南部まで梅雨入りしている日本列島ですが、今日も本州の南海上に梅雨前線が停滞しています。この前線は昨日から、所々活動が活発となっており、昨日、鹿児島県の屋久島で350ミリを超す豪雨となりました。

引用図の27日15時の天気図では、梅雨前線上には低気圧は発生していませんが、今後、当該梅雨前線上の四国沖から紀伊半島沖に低気圧が発生して、その低気圧が東北東から北東に進んで、明日28日午前中には、関東の東海上へ達する見込みです。

引用図にはありませんが、すでに、関東以西の上空3000メートルあたりまで、南海上からあった高く湿った南から南東の気流が入っています。

今後、明日にかけて、関東地方や東海地方では、大雨となる恐れがありますね。

雨の中心は、今回は、南~南東へ開いた山の斜面となっている地域(紀伊半島東部や静岡県、関東南部の箱根付近や、関東北部の栃木県など)が中心ですが、関東地方では、今後明日朝にかけて、海上からの南より~南東風と、内陸部に滞留する比較的気温の低い気流とが衝突して、沿岸前線が発生し、当該沿岸前線上でもかなり雨量がまとまると私は考えています。

その沿岸前線が今回発生する場所は、海上からの南よりから南東風の関東平野への吹き込み具合を考えて、神奈川県から東京地方東部を経て、千葉県北部から茨城県南東部~茨城県沿岸でしょうか。過去の事例より、こういった沿岸前線上では、雨量がまとまるほかに、竜巻や突風が発生することもあります。


明日24日は東日本で午後から天気が不安定。特に関東南部では要注意!

2006-05-23 20:23:27 | インポート

06052309 引用図は5月24日9時の予想天気図です。気象庁HPより引用。

明日24日は、低気圧や前線が東海上に抜けますので、本州各地とも青空が広がる予想です。

しかし、予想図を良くご覧ください。明日24日9時には、日本海西部で気圧が低くなった箇所がありますね。これは、気圧の谷が隠されていることを示しており、こういう気圧の谷の上空には、寒気を伴っているものです。

この気圧の谷は、あす24日午後から夜にかけて東日本上空を通過する見込みで、これに伴い、東日本では、明日午後から、にわか雨や雷に見舞われそうです。

特に、関東地方に目を向けますと、房総半島沖に前線が進むことが予想されます。で、この前線の位置が明日の関東地方の天気を左右するキーポイントと言えそうです。

それは、房総沖に前線がある気圧配置になると、関東地方では、東海上の鹿島灘方面から、北東から東よりの気流が決まって流れ込むようになります。これは、鹿島灘の海流の関係で、このような気流が関東地方に流れ込むと思われますが。

一方、日中、関東平野南部では、南よりから南東の気流(海風)が吹くようになりますね。この、南よりから南東の気流(海風)と、前記した、東海上の鹿島灘方面から、北東から東よりの気流とが、関東南部で衝突するようになり、当該、この異なる風向同士の気流が衝突した箇所の上空では、特に雲が発達しやすくなります。

さらに、引用図にはありませんが、明日24日午後になると、前記した気圧の谷の接近通過に伴い、関東地方の上空には寒気が流れ込み、明日24日午後から夜にかけては、関東地方上空5600メートル付近では、-9℃以下となる見込みです。一方、関東の地表付近では、各地とも日中の最高気温は25℃を超えるところが多くなる予想で、こうなると、地表と上空との気温差が大きくなるますよね。湿度も、気圧の谷の通過前ということで、関東各地とも日中高めの予想です。

関東地方周辺では地表と上空との気温差が大きく、地表の湿度も上がる状態であれば、雲(この場合雷雲ですが)が発達する気象状況と言えます。特に、この中で、前記したように、異なる風向同士の気流が衝突しする関東南部で、とりわけ雷雲が発達すると言う結論です。

よって、明日24日は東日本では不安定な空模様となり、急な雨、雷、ひょう 突風などに注意!特に関東地方それも南部中心に雨量がまとまる恐れがあります。


移動性高気圧はその位置にも注意

2006-05-22 18:03:31 | インポート

06052209 引用図は22日9時の天気図です。気象庁HPより引用。

今日22日は、大きな移動性高気圧が勢力を西に広げて本州付近を覆う予想で、関東や東海地方では、一見、天気が良さそうに思われましたが、ところが、朝から雲に覆われて、また、天気予報はずれたな!な~んで思われた方も多いのではないでしょうか?

実は、この、関東から東海地方の曇り空(午後から天気が回復して晴れたところがおおくなりましたけどね)は、本州東海上の移動性高気圧の縁を廻るようにして本州に入り込んだ、南よりの暖かく湿った気流が原因です。

この,南よりの暖かく湿った気流が関東平野や東海地方沿岸部の地表付近に発生した冷気とが衝突して局地的な前線を発生させて、雲ができたわけです。

ですので、この雲は、比較的雲自体、背の低いものとなっています。次に紹介する、22日9時の日本付近雲画像図(赤外)※左側と、同じく22日9時の日本付近雲画像図(可視)※右側をご覧いただきましょう。この、関東から東海地方の雲赤外画像ではあまりはっきり写りませんが、可視画像では、白く輝いて写っているのがわかります。

20060522090000 200605220900001

赤外画像ではっきりしなく、可視画像で白く輝いて写る雲は、雲の背は低いが雲自体厚く密度があることを示すものです。

さらに、一番初めの引用図の天気図をご覧いただきますと、移動性高気圧の中心は、本州の東海上にあり、関東から東海地方にかけては、この移動性高気圧の縁に当たり、等圧線が ハ の字型になっています。

高気圧の縁に当たり、等圧線が ハ の字型になっている場所であれば、本年5月9日の記事で紹介したとおり、その場所は南海上から暖かく湿った気流が特に大量に流れ込んでいる状態であるわけです。このため、この暖かく湿った気流自体今回、関東から東海地方にかけて、雲が発生した(背の低い雲ですが)要因のひとつと言うわけですね。

ただ、今日の場合、この雲は、日中内陸部で気温が上がるのとともに、次第に雲自体活動が弱まり、午後からは各地とも晴れたところが多くなりました。

この雲は、このブログで再三紹介した、沿岸前線と呼ばれるもののひとつです。

が、この沿岸前線時には発達して、明け方前から午前中にかけて、沿岸部で大雨をもたらすことがあります。

㍻16年6月30日の静岡市周辺の集中豪雨はこのパターンで発生したものですし、本年4月12日の房総半島中央部の局地的大雨もこのような沿岸前線上で発生したものです。