①12月31日9時の天気図 気象庁HPより引用
②12月31日9時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用・加工
③12月31日9時のAXFE578図 日本気象予報士会HPより引用・加工
12月31日は、本州付近は強い冬型気圧配置となり、日本海の上空5500m付近には-36℃以下の大変強い寒気が広範囲にわたって流れ込んできました。
このため、東北地方や、北陸から西日本にかけては 山間部を中心に軒並み大雪となっています。
特に、寒気の流れ込みは西日本で顕著で、中国地方や九州地方の平野部でも、積雪があちこちで10cmを超え、京都でも、31日12時までに5cmの積雪を観測しています。
今回の冬型気圧配置の伴う降雪ですが、西日本の各地では、中国地方瀬戸内地域ばかりでなく、九州の太平洋側や、一部、四国地方や近畿地方南部間で及んでいます。
これは、日本海西部の上空5500m付近で、-36℃以下の非常に強い寒気が広範囲に流れ込んでいると共に、引用図③の下側図より、西日本上空1500m付近では、おおむね北西風で風速20m以上となっています。
さらに、引用図③の上側図より、31日9時現在、500hpa(上空5500m付近)の顕著な正渦度Bが見られますが、引用図にはありませんが、各種実況図より、この正渦度Bは、九州や中国地方に向かって、東南東から南東方向へ移動しており、当該正渦度Bの前側のあたる、日本海西部~山陰~北陸西部にかけて上空3000mでの顕著な上昇流域(引用図③下側)があり、これは、引用図②より、日本海西部~山陰地方付近に掛かる、帯状の活発な雲と対応しています。
本ブログで 25日、仙台の降雪でも同様なことをかきましたが、Ⅰ:日本海の強い寒気+Ⅱ:500hpaの正渦度移流域+Ⅲ:上空1000m~1500m付近の風速が増大 以上3つの要素を満たす気象条件であれば、日本海側の雪雲は風下側のより広範囲に及ぶようになります。特に、前記Ⅲでの風向に合致する地形的鞍部にあたる地域では尚更ですね。
近畿、中国、四国、九州といった西日本の各地では、朝鮮半島南部から日本海中部の上空5500m付近で-35℃以下 上空1000m~1500m付近での風速が20m以上 風向は北西~北 500hpaの正渦度移流域であれば、日本海側や中国山地、四国山地 九州山地ではおおむね大雪注意報基準以上の降雪が、そして、京阪地域や瀬戸内地域、太平洋側の各地でも、地形的鞍部にあたる地域を中心に降雪となる 目安がありますね。
さしあたり、前記した500hpaの顕著な正渦度Bが接近してくる西日本ではあす元日にかけても、大雪には警戒が必要ですね!普段、あまり降雪の機会が少ない地域が多いですから。
※最後に、本ブログをご覧の皆様。本年移もお世話になりました。来年も、ややこしい局地気象を本ブログでは、まさに、痒い所に手が届くような、判りやすく、実用的な解説を展開していく所存です。
来年も、宜しくお願い致します。!!
(追伸)
31日21時現在、南国の鹿児島市内でも降雪で、積雪量が なんと!22cmとか。鹿児島県の一部には大雪警報が出されています!
鹿児島県内に大雪警報なんて、私自身、ここ数年は記憶がありません。確か昭和53年の2月にだされたことがあるような。・・・33年前ですか。