カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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関東以西太平洋側で不安定な天気 東京都内で昼過ぎ局地的大雨 夜からは再び雨脚強まる

2007-09-11 23:48:08 | インポート

①9月11日12時の天気図 気象庁HPより引用

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②9月11日13時の関東周辺アメダス風向風速分布図 気象庁HPより引用

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11日は、関東地方から東海地方へに前線がかかり、南海上から暖湿流が本州太平洋側に流れ込んできたのと、上空には寒気が入り込んだため、関東以西太平洋側では、大気が不安定は空模様となり、所々で雷を伴なった強い雨が降りました。

特に、11日13時30分すぎたあたりから、神奈川県北東部から東京23区にかけて、局地的に雨雲が発達し、所によっては1時間に50㎜を超す猛烈な雨が降りました。一時、東京23区と神奈川県横浜川崎に、大雨・洪水警報も発表されました。

これは、引用図②より、鹿島灘方面からの北東~東より風と、相模湾方面からは南よ離風が吹いており、おのおのの風向の異なる風同士が、東京23区から神奈川県東部で合流(気象学上では収束しているといいます。)している様子がわかります。このため、神奈川県東部から東京23区にかけて、局地的に雨雲が発達して、前記の猛烈な雨をもたらしたわけです。

その後、一旦、関東地方では、雨は小康状態となりましたが、南海上から発達した雨雲の集団(これは、天気図では低気圧として表現されていませんが、局地的に上昇気流が発達している箇所です。)が南海上から、東海地方や関東地方へ接近してきています。

この発達した雨雲の集団は、さらに活動が強まってきており(下記引用図③④より、紀伊半島沖付近の白く輝いた雲の集団に注目です。引用図④では、雲の集団がひときわ白く輝き、雲の集団自体、渦を巻き始めています。)、北東へ移動中で、11日21時現在、当該発達した雨雲の集団の一部が、関東地方南部や東海地方にもかかり始めてきました。

この発達した雨雲が次第に本州中部にかかり、あす午前中には、、前記した関東から東海地方へ延びる前線上で低気圧として解析される模様です。

③9月11日18時の日本付近雲画像図(赤外) 気象庁HPより引用

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④9月11日21時の日本付近雲画像図(赤外) 気象庁HPより引用

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⑤9月12日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

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このため、11日夜から12日午前中にかけて、東北南部から関東・甲信越地方、北陸地方、東海地方、近畿地方までの広範囲で、大雨には警戒が必要ですね。

特に関東地方から東海地方の沿岸部では、内陸部の気流と、海上から吹きつける暖湿流との間で、局地的に 沿岸前線(本ブログでは、いたる所で紹介していますよ)が発生することが予想されます。当該沿岸前線発生箇所周辺で、とりわけ、雨量が多くなりますから、今後は、関東地方から東海地方の風向風速の分布状況にも気をつけなくてはなりませんね。