カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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帯状に雨雲強まりやすい近畿地方 帯状雨雲の隣接箇所で強風が

2017-06-23 09:44:58 | 日記
①6月21日6時の天気図 気象庁HPより引用




②6月21日6時〜8時の近畿地方周辺レーダーエコー合成図:イ と
全国ウインドプリファイラー風向風速分布図:ロ ⅰ:6時 ⅱ:7時 ⅲ:8時 
気象庁HPより引用


ⅰ:

ⅱ:

ⅲ:



ⅰ:

ⅱ:


ⅲ:







6月21日、低気圧が日本海と本州南岸とを東進し、東北以南の各地では大雨となりました。


引用図②の イ ロ より、近畿地方には南東〜南西とした吹き込んだ気流(暖湿流)が収束しながら強まっている様子で、
紀伊半島南部東部~愛知県にかけては南東風と南寄り風 淡路島周辺から兵庫県西部では南西風と、紀淡海峡からの南寄り風とが収束して
帯状に発達した雨雲となっています。

本州で、特に近畿地方では、東縁が関ケ原から若狭湾にかけての地形的鞍部、西部では、紀淡海峡や瀬戸内海、さらに、兵庫県西部から中国地方東部にかけては、地形的鞍部がほぼ南北方向に、
一方、紀伊半島から近畿地方中部にかけては、ほぼ東西方向から北東〜南西方向にかけて地形的鞍部が分布いるため、低気圧や前線が近畿地方を接近・通過時には、紀伊半島と、これとは別に、
近畿地方中部や西部に、雨雲が北東〜南西方向へと帯状に強まりやすい特性がありますね。


これは、前述した紀伊半島南部東部~愛知県にかけて流れ込んだ南東風となった気流と淡路島周辺から兵庫県西部を流れてきた南西風とが若狭湾沖でまとまり、低圧部が発生しやすいためです。

③6月21日6時~8時の近畿地方周辺周辺アメダス風向風速分布図 気象庁HPより引用
イ:6時  


ロ:7時  


ハ:8時 



一方、引用図②③を見比べてみますと、前出の帯状の発達した雨雲の外縁部(特に南方向)で、風速が特に強まり、所々で風速が20㍍毎秒にもなる台風並みの強風となっております。
これは、帯状の発達した雨雲を形成した上昇流の隣接箇所ということで、反対に下降流が卓越することで、上空の強い風を引きずる下ろされたためと考えられます。


このように帯状の発達した雨雲では、雨雲が位置する上空の風向風速に要注意!
当該、帯状雨雲周辺の上空1000㍍付近で帯状雨雲を移動させる方向の風向が、風向のうち概ね20㍍以上であれば、当該帯状雨雲の風下外縁部の地表では、風速が20㍍毎秒を超え始めますようになります。
(筆者調べ)