カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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全国観測地点104箇所で真夏日観測 だが、大気不安定で本州中央部で雷雲発達 西からは黄砂も 

2014-05-28 17:41:59 | インポート

①5月28日15時までの全国各観測地点最高気温分布図 気象庁HPより引用

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②5月28日12時の天気図 気象庁HPより引用

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③5月28日12時の日本付近雲画像図(水蒸気画像で拡大版)気象庁 HPより引用

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本州付近の下層には、気温の高い気流が流れ込んで、各地で日中気温が上昇しました。

このため、全国各観測地点のうち104地点で、最高気温が30℃以上となる真夏日を観測し、島根県益田では32・4℃、兵庫県豊岡で32・3℃の最高気温を観測、まるで真夏のような暑さに見舞われました。

引用図②③より、シベリア東部から中国東北部には、低圧部が広がっており、水蒸気画像上で、本州上空ではおおむね南西風となっている様子がわかります。こうなりますと、本州上の下層(上空およそ2000m以下)には、気温の高い気流が大量に流れ込んでいる証拠で、地上部分では、日中気温が上昇しやすくなる という理屈ですね。

ただ、こういう気象条件時には、下層では気温の高い気流、上層(おおむね上空5000mより上側)には反対に寒気が流れこんでくるもので、引用図③より、このことを裏つけるものとして、本州付近には、水蒸気画像上で、白くぼやけた画像域(上空3000m付近の上昇流域)が広がり、大気が不安定な様子を示しています。

このため、28日昼過ぎから、関東北部や甲信地方で雷雲が発達し、28日16時30分現在、長野県の一部地域には、大雨・洪水警報が出されています。

また、シベリア東部から中国東北部付近には、広く気圧の谷が分布しておりますが、この状態は、一昨日から続いています。こうなりますと、中国大陸で気圧の谷に吹き上げられた黄砂が、日本付近にやってくるパターンですね。

28日16時現在、韓国金浦空港の実況を見ると、視程4200m 大気中に塵(ほこり)浮遊とありました。まさに、この塵こそ、黄砂飛来の証拠!明日以降、本州各地には黄砂飛来も予測されます。洗濯物の取込時など、注意してください!


低気圧は東海上へ しかし、本州広範囲で大気不安定

2014-05-22 07:54:08 | インポート

①5月22日3時の天気図 気象庁HPより引用

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②5月22日3時の日本付近雲画像図(水蒸気画像で拡大版)気象庁HPより引用

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20日から21日にかけて、東北以南の各地に大雨や強風をもたらした発達した低気圧ですが、すでに三陸沖抜けて、本州から次第に遠ざかろうとしています。

しかし、引用図②より、水蒸気雲画像より、日本海北部に螺旋状に渦を巻くような白輝の画像域があり、引用図にはありませんが、この雲画像を時系列でみると、反時計回りに渦巻きながら、全体に東進しておりますね。

こういう状態は、日本海北部の上空には寒気を伴った気圧の谷が残り、前記した螺旋状の画像域は、上空3000m付近の上昇流域を表現するもの。

今後、この上空3000m付近の上昇流域と、地表付近の地底的特性による気流の収束箇所との相互作用で、雷雲が発生させやすい気象条件と言えるものです。22日は、前記した螺旋状の画像域がかかる北海道~東北~関東中部~近畿~中国地方にかけて、 急な強い雨、落雷や突風竜巻、降雹など、激しい気象現象が発生する恐れがあります。どうか気を付けて!


低気圧は日本の三陸沖へ去ったが 本州の広範囲で大気不安定

2014-05-22 07:48:25 | インポート

①5月22日3時の天気図 気省庁HPより引用

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②5月22日3時の日本付近雲画像図(水蒸気画像で拡大版)気象庁HPより引用

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20日から21日にかけて、東北以南の各地に大雨や強風をもたらした発達した低気圧ですが、すでに三陸沖抜けて、本州から次第に遠ざかろうとしています。

しかし、引用図②より、水蒸気雲画像より、日本海北部に螺旋状に渦を巻くような白輝の画像域があり、引用図にはありませんが、この雲画像を時系列でみると、反時計回りに渦巻きながら、全体に東進しておりますね。

こういう状態は、日本海北部の上空には寒気を伴った気圧の谷が残り、前記した螺旋状の画像域は、上空3000m付近の上昇流域を表現するもの。

今後、この上空3000m付近の上昇流域と、地表付近の地底的特性による気流の収束箇所との相互作用で、雷雲が発生させやすい気象条件と言えるものです。22日は、前記した螺旋状の画像域がかかる北海道~東北~関東中部~近畿~中国地方にかけて、 急な強い雨、落雷や突風竜巻、好評など、激しい気象現象が発生する恐れがあります。どうか気を付けて!


またまた寒冷渦参上!9日は北日本、東日本は天気急変に要注意!

2014-05-08 22:53:40 | インポート

①5月8日15時の天気図 気象庁HPより引用

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②5月8日15時の日本付近雲画像図(水蒸気画像で拡大版) 気象庁HPより引用

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                           ↓

③5月9日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

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日本付近には、偏西風の蛇行に伴い、寒冷渦(偏西風帯が蛇行し、上空に寒気を伴なった低気圧が偏西風帯に発生したもの)がまたまた参上!引用図②より、寒冷渦の中心は、中国東北部からロシア国境ふきんにあるものの、これに伴う発達した降水域が、8日15時現在、日本海中部へと進んできました。

引用図①より、地上天気図上には、前記した、水蒸気雲画像上で、白く輝く御玉杓子状に写っている発達した降水域のすぐ西側に2つ描かれておりますが、引用図③より、9日9時には、日本海をゆっくり東進する予想で、これに伴い、引用図②での、白く輝く御玉杓子状の発達した降水域も、東進して、9日には、北日本や東日本へかかってくる予想ですね。

こういった、寒冷渦にともなう降水域は(以下全て筆者調べ)、

ⅰ:帯状に広がるもの 

と 

ⅱ:引用図②のように、御玉杓子状になるもの 両方見かけららますが、

ⅰ より ⅱ の形状の降水域が上空3000m付近に顕著な上昇流域に伴って発生し、降水域自体強くなるものです。とりわけ、この御玉杓子状の尻尾の形状が、暖湿流が流れ込んでくる方向に一致し、当該、尻尾に当たる箇所で、激しい落雷、強い雨、降雹、突風などの激しい気象現象が発生しやすいですから、要注意です!

9日は、北日本、東日本では、天気の急変にどうかお気をつけてください!


明け方関東で強い地震 東京23区で震度5弱を観測!本当に、地震は個性豊富!

2014-05-05 11:23:20 | インポート

引用図は、5月5日5時18分に発生した地震の震央と各観測地点(関東地方周辺)震度分布図です。気象庁HPより引用・加工

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5月5日明け方05時18分頃、関東地方で強い地震がありました。

震源地は伊豆大島近海(北緯35.0度、東経139.4度)で、震源の深さは約160km、地震の規模(マグニチュード)は6.2と推定されます。

この地震で、東京都23区千代田区で、震度5弱を観測しました。

東京都内でもこの地震の影響で怪我をされた方がいる様子ですが、いずれも軽傷との事です。

交通機関では、JR各線や、首都圏の各私鉄各線では、運転中止や速度規制を行い、高速道路でも、東名高速道路や東京外環自動道、関越道、北関東道、圏央道などで、地震発生直後から、速度を時速50キロや80キロに減速する規制などしかれました。

この地震は、関東平野があり北米プレートの下側深い箇所に沈み込む、太平洋プレートの内部の深い箇所で発生した地震と思われますが、今回地震が発生した地点周辺で同じような地震発生メカニズムでの地震は、私自身、正直、過去にも記憶がありませんね。

地震と言うもの、地震波を発生させる地殻変動の起こり方や、発生地点での地殻の硬軟のよって、さまざまな地震波を発生させる結果となり、言ってみれば、地震は個性が豊富 と言えるでしょう。

ここで、筆者が調べた、地震の特性をまとめてみました。どうか、ご参考ください!

◆今回の地震のような、地下深い箇所で発生する地震は・・・・・比較的硬い地層が急激な破壊をすることで地震波を発生させることから、発生する地震波は、比較的周期の短い(ガタガタと揺れる)地震を引き起こし、

逆に、

◆海溝(トラフ)の陸側プレートよりの地下浅い箇所で発生する地震や、地殻の破壊が複数ドミノ崩しのごとく生じた地震は、比較的周期の長い(ユサユサと揺れる)地震を引き起こす

と言う特性があります。

さらに、

◆地震波が通過する地殻の構造によって、地震波は複雑に増幅や減少など繰り返して、地表に達しますので、今回の地震のように、地下深い箇所で発生した地震は、地表では、その揺れ方の分布が、大変複雑になりますね。

最後に、我々が居住する直下の地盤の硬軟では

◆地盤が堅いほど、揺れ方は周期の短い揺れ方をし、周期が短い揺れほど、揺れの継続時間は短い

◆逆に、地盤が軟らかいほど、揺れ方は周期の長い揺れ方をし、周期が超い揺れほど、揺れの継続時間は長い。

◆地表に立つ建造物は、階数が高いものほど周期の長い揺れ方をして、揺れの継続時間は長い。

◆地震波の揺れ方の周期と、地盤や建造物の揺れ方の周期をが合致するようになると、共振と言って、揺れは一層激しくなる。

◆一般的に、規模の大きな地震ほど、揺れの継続時間は長くなる。

それにしても、東京23区での震度5弱以上は、3年前の平成23年3月11日の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)本震での震度5強、同日の最大余震での震度5弱観測以来、およそ3年ぶり となるものです。